2017/09/24

今週の為替相場を考える(9月25日~9月29日)

今週の為替相場を考える(9月25日~9月29日)

金融政策の違いによる相場変化の流れは変わっていませんが、今週予定の主要各国中銀の関係者発言による相場変動リスク、米朝の対立による相場急変リスクや、ポジションの偏りによる一時的な変動を考えた行動が必要になりそうです。

IMMポジションを見ると相場の変化の可能性がとても気になります。主要通貨の中では、円は年初来のショート・ポジションからやや減少傾向で安定。ユーロはロングNO.1の地位を豪ドルに奪われ伸び悩み、豪ドルはロングNO.1の地位を獲得。ポンドはショート・グループを脱しきれないものの、ロングへと変化する可能性が高まり、カナダドルも徐々にロングが拡大傾向にあります。この結果だけを見ると、豪ドル・カナダドル・ポンドの先高期待と、円の弱含み期待の継続、ユーロのレンジから強含み期待が市場参加者のコンセンサスになっています。

今週はイエレンFRB議長、カーニーBOE総裁、ドラギECB総裁、ボロズカナダ中銀総裁、黒田日銀総裁などを含め多数の発言が予定されており、その結果による相場の変化に注意が必要であることは間違いありません。

現状の金融政策から見ると、10月からバランスシートの縮小と12月の利上げ期待度が高まる米国。早期緩和縮小と利上げを示唆した英国、年内の緩和縮小を決める可能性が高いユーロ圏、2度の利上げを実施しているカナダ、中国リスクに反し来年の利上げが期待できる豪州に対して、緩和縮小の継続を抜け出せない日本は他国との金利差が拡大傾向は止められず円安要因として残っています。

また、北朝鮮リスクは米朝間の武力行使を含めた強硬発言の応酬に、今後どのような状態が発生するのか予測不可能で、日本は当事国としてリスク回避の通貨とした円買いではなく、逆に円売りリスクが残っているように思えてなりません。

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ 111.00~111.80→111.25】


USDJPYは北朝鮮リスク次第。先週111.50を超えながらも111.70台を高値に、FOMCでバランスシートの縮小や12月の利上げ期待にもかかわらず、円売りを加速できず円先安期待がやや薄らいでいます。先週末に北朝鮮リスクを意識したのか、USDJPYを含めUSDJPY、GBPJPY、CADJPYなど円売りをリードした通貨も調整へと動いていましたが、基本的は押し目買いの継続と考えます。

今週の一週間だけを考えると、USDJPYは112.50超えの上値は重くなり円ショートの調整が入りやすい地合いで、111円をボトムに下げ止まることができるかを注目しており、この水準をボトムに買いの流れを期待しています。

StockRSIのDailyでは、K=96.29 D=98.24の超買われすぎゾーンで売り変化し、だれが見ても売りと考える数字で、ローソク足では高値から売り変化しており戻り売りへ変化と考える市場参加が多いことでしょう。BBはベースの110.21で、107.74~112.68のレンジを示唆。移動平均線では、200日MAは112.16で安値111.68~高値112.65、36日MAは110.00でこの水準が今はベースになっています。

IMM通貨先物では、【円】-57,297→-51,322(+5,975)と、相変わらずネットショートのNO.1ポジションを維持。増減幅は少なく安定した弱さがにじみでています。

USDJPYオプションのリスクリバーサルでは、一週間が-0.70→-0.85%と拡大するも、1か月が-1.0→-0.8、3か月超もやや軟化しており、目先の円先高が強まる反面、先はドルプット・円コールが弱まり、円の先安期待感が続いています。


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◎EURUSD【予想レンジ 続落1.1850~1.2050】


EURUSDはまたしても1.200の大台から下落、2週間続いた1.2050超えの上値の重さ、その後、2週間続けての1.20台の重さを確認しながらも、結果は1.1850割れをボトムにレンジ相場を維持。このような状態ではどうしても、中期的にもEURUSDは1.1800-50~1.2050-90のレンジで変わらずと考えざるを得ず。注意としてはEURGBPの影響。

今週一週間だけを考えても、1.1850をベースにし押し目買いの流れは変わっていませんが、1.1850~1.2050のレンジを抜け出せる勢いや材料は考えにくくこのレンジ内での取引を意識して考えたいと思います。

StockRSIのDailyでは、K=25.94  D=26.26で売られすぎゾーンにあり買い変化となっていますが、波形的には強さは感じられず。BBはベース1.1938で、1.1847~1.1938のレンジを示唆。移動平均線では、200日MAは1.1088で遥か下方に位置、36日MAは1.1869でこの水準をボトムに下げ止まり、安値1.1869~高値1.1914。

IMM通貨先物では、【ユーロ】86,058→62,753(-23,305)と、ロングNO.1の地位を豪ドルに譲り、カナダとの差もごくわずか迫っており、ユーロの先高期待感も小康状態。

EURUSDのオプションのリスクリバーサルでは、一週間が前週-0.05→0.55へと若干変化し、ユーロコール・オーバーに変化、1か月超ではユーロコールを維持しており大きな変化は見られず安定しています。


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