2017/09/15

2017年9月15日(金曜)アジア・欧州市場の動き

2017年9月15日(金曜)アジア・欧州市場の動き

日経平均株価は、早朝の北朝鮮による弾道ミサイルの発射にもかかわらず、前日終値を割り込むこともなく先日比+102.06(+0.52%)上昇、原油価格(WTI)は前日の50ドル台の高値を回復できずにいます。米10年債利回りは2.188%と前日の終値とほぼ変わらず。これらの動きからリスク回避の動きは見えてきません。

為替相場は、GBPUSDを筆頭に最近の変動率は高く、オプションのボラを見ているとスポットでのポジションテークは短期にせよ中期にせよ難しいように思えてなりません。

USDJPYは、いつもの教訓が生きたのでしょうか? 早朝に一時109.55まで円高が加速しましたが、米株と債券の動きを見ながらと思いますが、前日NY市場の終値を超え110.50台を上回って取引され、現時点では再び111円の大台を狙える水準まで上昇しています。過去の北朝鮮による弾道ミサイルの発射や水爆実験時とは様変わりとなっています。

GBPUSDは、BOEのMPCメンバーやカーニー総裁が言うように、インフレを押さえようとする動きが勝りそうで、大幅な上昇時にはアクセルを緩める「ポンド高懸念を発言」するでしょうが、本心はゆるやかな上昇を容認と思えてなりません。

BOEは年内に資産買い入れの縮小を決める可能性が高く、英国のEU離脱のプロセスやメイ英首相の信任低下のリスクはありますが、来年は利上げラッシュになりそうです。ちなみに、メイ首相は22日にイタリアのフィレンツェで、離脱について英国の方針を加盟国に説明する演説を予定しています。

米ドルですが、強い米CPIにFRBは来週20日のFOMCで胸を張って資産の縮小を決めることができそうですし、12月のFOMCでも利上げ期待度がグンと上がっています。もう一つ、ライアン米下院議長が、9月25日の週に歳入および財政委員会や政府のコンセンサスを反映する概要を公表し、数週間後に法案を策定すると言っていましたが、この件も今後のドル相場に影響を与えそうです。

EURUSDですが、ECBもBOEが動けば最近の経済指標を見ると10月26日のECB理事会では緩和の縮小を打ち上げことになりそうです。ただ、海外勢が気にしているEURGBPの下値リスクですが、今後本当になるかの、それとも杞憂に終わるのか注目しています。

豪中銀も右に同じで、来年の数回の利上げ期待が聞こえてきます。もちろん、すでに2度利上げを実施したカナダ中銀は言わずとしれたことで、来年の利上げ期待は強そうです。

こんな状況で問題は日本で、日銀は黒田総裁の後釜の政策次第ですが、政府との緊密度を考えれば、ドラスティックな変化は望めそうにありません。これはみんなが気にしている通りの潜在的な円売り要因です。

不透明な北朝鮮リスクに関してですが、日本は当事国です、過去の有事の円買いや、震災時の円買いとは状況が違っているようにも思えてなりません。

それにしても、一発800~1000億円のパトリオット(地上配備型 PAC3)を何発買うのかはわかりませんが、この代金の支払いはUSDJPYの買い要因ではとふと考えてしまいます。 それとも、外貨準備から支払うのでしょうか? 財政赤字がさらに増えそうで心配です。