2017/09/19

2017年9月19日(火曜)前日18日、海外市場の動き

2017年9月19日(火曜)前日18日、海外市場の動き

ドル全面高! 

週末の北朝鮮リスクがひとまず掃け、FOMCに焦点は移る。先週の強い米CPIを受け、保有資産の縮小と年内の追加利上げ期待に、米金利が上昇しドル買いが強まる。

⇒ 20日のFOMCで保有資産の縮小の可能性が強まり、米金利が上昇→ ドルは全面高。
⇒ カーニーBOE総裁は、ブレグジットで成長鈍化とインフレ上昇の可能性を示唆するも、利上げペースは穏やかで限定的 →英国債券利回りが低下しGBP売りが強まる。
⇒ レーンカナダ中銀副総裁は、カナダドル高の影響を注意深く監視 → カナダドル売りが強まる。

USDJPYは、週末110.83→週始111.05の円安で取引が開始。相場が動いたのは欧州市場が参入してからで先週金曜日の高値111.33を超え111.43まで上昇し、クロスを含め金利差を意識した円安傾向が続くが、GBPJPYが売りへと変化し上昇力も弱まる。米国市場に入り、20日のFOMCで保有資産の縮小と年内の追加利上げ期待度が高まり、米債利回りの上昇に合わせ米株も強く、111.66まで上昇。レーンカナダ中銀副総裁の発言を受けたCADJPYの激しい売りと、クロスで円の買い戻しが強く、111.39まで一時下落へ。

EURUSDは、週末1.19405→1.19209のユーロ安で取引が開始。大枠1.1930~55の狭いレンジから、欧州勢の参入に一時1.1915まで下落するも、ユーロ圏CPI前年比1.5%と予想通りながら4か月ぶりの高水準で、EURGBPの買い戻しも強まり徐々に底値を切り上げ一時1.1970近くへ上昇。米国市場に入り、米株と米金利が上昇しドル買いが強まる中で、10月のECB理事会で将来の政策変更を期待する動きも強く、1.1920~60のレンジで安定推移。

GBPUSDは、週末1.3583→週始1.3558のポンド安で取引が開始。早朝の英ライトムーブ住宅価格は予想通りながら、前年比は過去5年で最小の伸びとなったが相場は動かず、大枠1.3570~05で取引が続いた。欧州市場に入り一時1.3538まで下落し、戻りも鈍く上値の重い展開が続き、カーニーBOE総裁の「利上げペースは緩やかで、度合いも限定されたものとなる」との発言を受け、1.3500を割り込み一時1.3460台まで下落しようやく下げ止まる。

USDCADは、アジア・欧州市場と動きは鈍く、1.2170~10のレンジで推移。米国市場に入り、米金利と米株の上昇に前日の高値1.2219を上回りショートカバーに1.2245まで上昇。レーンカナダ中銀副総裁は「カナダドル高の影響を注意深く監視」との発言に1.2338まで急伸し、ようやく上げ止まり、カナダドルは全面安。

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〇米株は小幅上昇、Nasdaqは一時マイナス圏へ値を下げるも終盤にかけて値を戻し、+6.17(+0.10%)、S&P500+3.64(+0.15%)、Dow+63.01(+0.28%)。欧州株や新興国株も上昇へ。
〇米債利回りは上昇、10年債は前日2.20→2.2305%へ、2年債も1.38→1.3927%へ上昇。
〇原油価格(WTI)は一時49.19まで値を下げ、49.94ドルと50ドル近辺を維持。

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レーンカナダ中銀副総裁=カナダドル高の影響を注意深く監視。先日の政策委員会で利上げを実施した背景は輸出と設備投資が強まったこと。目先の経済のリスクとしてはNAFTAの協議が重要視。

マティス米国防長官=ソウルをリスクにさらさない軍事オプションはある。

英テレグラフ紙=ジョンソン英外相は、メイ首相にEU離脱の移行期に多額の拠出金支払いを継続しないよう保証を求め、首相が拒む場合は辞任する可能性もある。EU離脱により英国は医療分野に週3.5億ポンドの追加支出が可能になる。

カーニーBOE総裁(IMF講演)=ブレグジットにより、成長が短期的に低下し、インフレが上昇する可能性がある。過去最低水準にある金利は向こう数カ月で上昇する可能性がある。利上げペースは緩やかで、度合いも限定されたものとなる。

カーニーBOE総裁(IMF講演)=外国市場への開放度が狭まること、英国に来る労働者の数が減少することでインフレに上昇圧力がかかると同時に、生産性が低下し、将来的に金利が上昇する可能性がある。

中国株上昇=人民元建ての融資が予想を上回る。株価指数先物と伊引きの規制が緩和。

ディラーソン米国務長官=米国は適切な条件の下で、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」にとどまる可能性がある。

コーン米国家経済会議(NEC)委員長=「パリ協定」から米国は依然として離脱する意向である。

ECB経済報告=インフレは2018年第1四半期で底を打つ。エネルギーと未加工食料品のベース効果が今後数四半期の総合HICPに影響。
ハンソン・エストニア中銀総裁=ECBの次の動きは資産買い入れプログラムに関する決定を越えた一連の措置であるべき。

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