2017/09/17

今週の為替相場を考える(9月18日~9月25日)

今週の為替相場を考える(9月18日~9月25日)

円安とポンド高は今週の続くのか? 伸び悩みグループの、ユーロ、豪ドル、カナダドルの方向性は? FOMCで資産縮小が決まり、年来の再利上げを示唆するか? 北朝鮮リスクは? 

20日のFOMCが今週のメインイベントで、市場参加者全員が注目していることは間違いないでしょう。強い米CPIに、FOMCでは緩和縮小と年内の追加利上げの可能性を予想する動きが強まっており結果待ちの状態です。

現状の米10年債の上昇力は鈍く、2年債利回りは上昇し、米株は最高値を更新するなど複雑です。為替相場は、GBPUSDの大幅上昇(ドル安)を除くと、他の主要国通貨に対してドルは総じて強含みで推移しており、FOMCの緩和縮小を意識した動きになっていることは間違いありません。そのため何もなかった場合のリスクはドル売りへと反応しやすくなっています。

GBP相場ですが、強い英CPIとカーニー総裁を含めMPCメンバーの多数から利上げの可能性が示唆されたことで、突然始まったGBP高の流れは本物なのでしょうか? そしてその流れが今週も続くのでしょうか? 今週はFOMCの思惑と結果を横目でみながらですが、押し目の買いを意識せざるを得ません。はすでに始まっていますが、中期的なEURGBPの下落基調への変化の流れを意識せざるを得ないと考えます。

今週の相場には該当しない可能性がありますが、方向性だけを考えるとインフレリスクを懸念するBOEは通貨高方向を容認すると思われ(スピード違反にはブレーキの可能性も残る)、テクニカルの上限をブレークしていることもあり、22日のメイ英首相の英国のEU離脱方針の演説に関してポジティブな発言にでもなれば更なる上昇の可能性も気にしなければなりません。

EURUSDは、EURGBPの激しい売りが上値を抑えており、1.20台の上値を重くし、大枠で1.1850~1.2000のレンジで推移しています。現状ではEURGBPは方向転換した可能性は高く、EUR買いの抑制要因となっています。22日のメイ首相のEU離脱方針演説の内容や市場の反応を見ながら、24日の仏上院選挙、独連邦議会選挙の結果は非常に重要で、その世論調査にEUR相場が左右されることも考えておく必要があります。

USDJPYですが、今までも何度も北朝鮮の弾道ミサイルの発射や水爆実験の動きに円急伸していましたが、結果はいつも元の水準へと逆戻りしていました。

先週の北朝鮮の弾道ミサイルの発射後のUSDJPY相場が107.30円まで急落後に111.30円台まで急伸したことで、北朝鮮リスクの円買いは幻であったことを証明された動きとなりました。北朝鮮リスクの対応で、安倍政権の支持率が上昇していることは円相場にとってプラス材料ですが、金利差を考えると別物です。

資産縮小の開始と再利上げが期待できるFOMC=ドル、利上げ支持が多数となったBOE=GBP、遅かれ早かれ資産買い入れ縮小を決断すると思われるECB=EUR、利上げ継続中のBOC=カナダ、来年に複数回の利上げが期待できるRBA=AUD。そう考えると日銀=JPYだけが蚊帳の外に思えてなりません。


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ 109.80~111.50→112.30】


USDJPYは、前週の107円台はフライングだったのでしょうか? 先週一週間を通じて材料は多種多様ながら、結果としては108台→111円台へと急伸し、それまでの108~111.50のレンジへと逆戻りしています。先週のUSDJPYの上昇の引き金の一つは、円クロスでの円売りで、特にGBPJPYがBOEの利上げ期待度の高まりに、2016年のブレグジット時の急落後の最高値を更新したことは意義深いものがあります。

さらに、主要国での利上げ期待度の高まりと、依然として緩和傾向の維持から抜け出せない日銀の金融政策の違いに加え、北朝鮮リスクに対しての当事国としてのリスクが潜在していることに対する円売りのリスクです。20日のFOMCの結果で円相場の見通しも変化しますが、現在の水準から積極的に円売りに傾くことは難しく一時的な円高傾向を覚悟しながらも、これらのリスクが解消できるまでは、潜在的な円売り要因から抜け出すことは難しそうです。

StockRSIのDailyでは、K=97.47 D=68.91と買いサインを継続しながらも買われすぎゾーンにあります。BBはベースの109.54で、108.12~110.97のレンジを示唆。移動平均線では、7月21日に200日MAを割り込んでから続落中で112.24に位置し、36日MAは109.79でこの水準を上回り上昇傾向を維持しています。

IMM通貨先物では、【円】-72,945→-57,297(15,648)と、円は北朝鮮リスクを反映したのか円のショートが減少していましたが、集計日後に円売りが加速していたことで、傾向としての円売りの流れは変わらず、次回の集計でどこまで円ショートが拡大していのか興味深く注目しています。

USDJPYオプションのリスクリバーサルでは、1週間は前週-1.08→-0.70へ、1か月も-1.50→-1.00へ縮小、12か月まで円コールが低下気味で、先週とは大違いで、逆に強い円先安感が示されています。



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◎EURUSD【予想レンジ 続落←1.1830~1.2000→続伸】


EURUSDは、EURGBPが8月29日の高値0.9307から先週には0.8788までお幅に値を下げ、先週一週間を見ても0.89→0.8770台まで続落し、EURUSDが1.20台を維持することを妨げ、1.1850~1.2000のレンジに入る要因の一つとなっています。

20日のFOMCが最も重要で結果で相場が変化することは間違いありませんが、それ以外でも22日のメイ首相のEU離脱方針演説の内容や市場の反応を注視しながら、24日の仏上院選挙と独連邦議会選挙を控えた世論調査に、EUR相場が左右されることも考えておく必要があります。また、19日のカーニーBOE総裁、19日と22日のドラギECB総裁の発言も波乱要因となることでしょう。

StockRSIのDailyでは、K=17.13、D=35.65で売りサインを継続中ですが、売られすぎの水準にあり変化の可能性も気になります。BBは1.1907をベースに1.1764~1.2050のレンジを示唆しています。200日MA=1.1054で引き続き遥か下の水準に位置し、最近の動きでは36日MAで下げ止まる動きが多かった水準は1.1852とほぼ先週の安値水準に位置して下げ止まっています。注目していたWeeklyベースのMA=終値1.1736(高値のMA=1.1853~安値のMA=1.1638)は上限を超えてから、高値のMA1.1853を下限に上昇を継続中で、一つの判断の目安と考えてもいいでしょう。

IMM通貨先物では、【ユーロ】96,309→86,058(-10,251)で、ユーロロングは減少するも、引き続きネットロングNO.1通貨の地位を維持。先週は1.20台から一時1.1850を割り込むユーロ安となりさらにロングが減少している可能性もあります。

EURUSDオプションのリスクリバーサルでは、1週間が前週は0.55→-0.05%へとユーロ売りに変化し、1か月もユーロコールが0.40→0.20%へと前週の水準近くへと逆戻りし目先はユーロ安への動きとなっています。ただ、9~12か月はEURプットかコールに変化しユーロ高を期待する動きとなっています。

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