2018/06/14

2018年6月14日(木曜)昨日13日、海外市場の動き(午前5時15分ごろ)

2018年6月14日(木曜)昨日13日、海外市場の動き(午前5時15分ごろ)

FOMCの利上げ+年内利上げ拡大予想を受け、米株は軟調、米債利回りは上昇、そして、為替相場は直後のドル全面高から主要通貨では利食いのドル売りに全戻しで、資源関連通貨ではドル高傾向を維持。

米株は終盤にかけて下げ幅を拡大、ダウ-119.53(-0.47%)、NasdaqとS&P500 も低下。米10年債利回りは一時3.006%と3.0%の大台を達成し2.977%(+0.014)と上昇。

FOMC=政策金利(FFレート)を0.25%引き上げ1.50~1.75%→1.75~2.0%をメンバー8名全員賛成で決定。政策声明で、「FF金利の目標レンジのさらなる段階的引き上げが持続的な経済活動拡大、力強い雇用市場環境、中期的に委員会が目指す2%のインフレ率と整合する」

為替相場は、FOMCを前にして主要通貨でドル売りの流れが続いていたが、予想通りの利上げ+注目のドットチャートで年内計4度の利上げと、米景気拡大を示していたこともあり、直後の反応は米株が売りへと変化し、米金利が上昇し、ドル全面高。

ただし、事前の強気意見が多くFOMC声明もサプライズでもなく、目の前のイベントも終了したこともありドルロングの巻き戻しに、主要通貨を中心にドル買い→ドル売りへと変化。ただし、ドル買いの優位性は変わらず。EURUSD1.1792→1.1725→1.1800へと変化し結局は1.1720~1.1800のレンジ。USDJPY110.37→110.85→110.30割れへと変化し110.30~85のレンジ。GBPUSD1.3389→1.3319→1.3380台と変化し1.3300~1.3390のレンジ。逆に、AUDUSD0.7606→0.7529→0.7570台へと変化し前日終値とほぼ変わらず。USDCAD1.2964→1.3052→1.2980近くへと変化し1.3000の大台を割り込む。

米朝首脳会談でシンガポールから帰国したトランプ大統領は「誰もが、私が就任した日よりもはるかに安心できるだろう」、「もはや核の脅威はない」と自画自賛のツイート。北朝鮮の核放棄に関してはポンペオ国務長官が「大統領の任期終了の2021年1月までに実現したい」とあり、気の長い話で希望的意見にやや失望。核放棄を巡り中国に主導権を握られるリスクも気になる。

その中国を巡っては、WSJ紙でトランプ政権は早ければ金曜日(15日)か来週に数千億ドルの中国製品への課税する準備をしているとあり、米中貿易戦争のリスクも残る。

英CPIは前年比2.4%と上昇期待は裏切られるも前回と変わらず、英PPIは予想外に拡大、仕入れ前月比は2.8%と予想1.8%を大幅に上回り216年10月来の伸び率となるも、GBP相場への影響は見られず。

ユーロ圏鉱工業生産指数は前月比-0.9%と前回0.6%、前年比も1.7%と前回3.2%から大幅低下するもEUR相場への影響は見られず。

米PPIは前年比3.1%と前回2.6%から上昇するもUSD相場への影響は見られず。


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【北米】
FOMC=政策金利(FFレート)を0.25%引き上げ1.50~1.75%→1.75~2.0%をメンバー8名全員賛成で決定。政策声明で、「FF金利の目標レンジのさらなる段階的引き上げが持続的な経済活動拡大、力強い雇用市場環境、中期的に委員会が目指す2%のインフレ率と整合する」

金融政策見通=物価上昇率が目標の2%に到達したため、年内利上げ予想は3月時点の合計3回→4回へとペースを拡大、2019年は3月時点と変わらず3回の利上げを見込む。

声明文から「FF金利は当面中立水準を下回る見通し」の文言が削除され、「金融政策は引き続き緩和的だ」とする文言は維持したが、政策スタンスは金融緩和の縮小から本格的な引き締めへと移行しつつある。

中間予想値(3月と比較)2018年、2019年
GDP 2.7→2.8%、2.4→2.4%
失業率 3.8→3.6%、3.6→3.5%
PCE 1.9→2.1%、2.0→2.1%
コアPCE 1.9→2.0%、2.1→2.1%。
FFレート予測値          
2018      前回3月 2.125→2.375             
2019      前回3月 2.875→3.125    
2020      前回3月 3.375→3.375     
長期      前回3月 2.875→2.875     
 
ポンペオ米国務長官=北朝鮮の核放棄はトランプ大統領の任期が終了する2021年1月までに実現したい。「すべての作業が最終文書に記されたわけではない。ただ、双方が理解した他の多くの項目で、文書にできなかったことがあり、そういう意味でいくつかの作業はまだある。しかし、最終文書に見られる以上の多くの作業は終了しており、両国が対話に戻った時にそこから始めることになる」

トランプ大統領=ツイッターへの投稿で「原油価格は高過ぎる。OPECがまた関与している。良いことではない!」→ 4月にも、人為的に高い水準にある原油価格は容認できないとしてOPECを批判

トランプ大統領=米朝首脳会談から帰国後、「誰もが、私が就任した日よりもはるかに安心できるだろう」、「もはや核の脅威はない」とツイートした。さらに、自分が「就任するまでは、人々は米国が北朝鮮と戦争すると考えていた」とし、「オバマ前大統領は北朝鮮が米国にとって最大かつ最も危険な問題だと話していたが、もはやそうではない。今夜は安心して眠ってくれ!」

トランプ政権(WSJ)=来週、おそらく金曜日の早い時期に、数千億ドルの中国製品に対する関税を課す準備をしており、これは北京からの重い報復を引き起こす可能性が高い。

【欧州】
ユーロ懐疑派のサボーナ欧州問題担当相=ユーロ擁護の姿勢を鮮明にイタリアのEU離脱のリスクが和らぎイタリア国債上昇(利回り低下)

投資家の欧州離れ、資金流出は英EU離脱投票以来で最大(ブルームバーグ)=イタリアの政局を巡る不透明感とタカ派に傾いているECBを背景に、投資家は欧州株投資で最大の上場投資信託(ETF)から資金を引き揚げている。FTSE欧州ETFは11日に2億3100万ドルの資金が流出した。これは2年前に英国で欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票が行われた後の混乱期以来で最大。それ以前の2日間では3億1700万ドルが引き出されている。

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17:30    GBP 5月 消費者物価指数: 前月比0.4%(予想 前回0.4%)、前年比=2.4%(予想2.5% 前回2.4%)、コア前年比=2.1%(予想2.1% 前回2.1%)、小売物価指数(RPI)前月比=0.4%(予想0.4% 前回0.5%)、小売物価指数(RPI)前年比=3.3%(予想3.3% 前回3.4%)、除く住宅ローン利払(RPIX)前年比=3.3%(予想3.3% 前回3.4%)→ 前回・予想と大きな変化は見られず

17:30    GBP 5月 生産者物価指数: 仕入前月比=2.8%(予想1.8% 前回0.4→0.6%)、仕入前年比=9.2%(予想7.6% 前回5.3→5.6%)、出荷前月比=04%(予想0.3% 前回0.3→0.4%)、出荷前年比=2.9%(予想2.9% 前回2.7→2.5%)、出荷コア前月比=0.2%(予想0.2% 前回0.1→0.2%)、出荷ア前年比=2.1%(予想2.5% 前回2.4→2.0%)→ 全体的に前回を上回るも予想と大きな変化は見られず、特に仕入れ前月比は2016年10月来の大幅な伸びとなった。

18:00    EUR 4月 鉱工業生産指数=前月比-0.9%(予想-0.7% 前回0.5→0.6%)、前年比1.7%(予想2.5% 前回3.0→3.2%)→ 前回より弱い数字が目立つ

21:30    USD 5月 生産者物価指数=前月比0.5%(予想0.3% 前回0.1%)、前年比3.1%(予想2.8% 前回2.6%、)コア前月比予想0.2%(予想レンジ0.1~0.3%) 前回0.2%、前年比予想 前回2.3%

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