2018/06/10

今週の主な材料(6月11日~15日)

今週の主な材料(6月11日~15日)

今週は今月最大の山場!

今週は数え上げると切りがないほど重要なイベントが控えており、その結果を受け為替相場をもちろんのこと、株・債券相場が変動することは間違いなく、現在のテクニカルベースだけで相場を維持することも難しくなりそう。

今日10日早朝にシャルルボワG7サミットは閉幕した。報道では、首脳宣言は通商問題では、米国による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置に対し、欧州各国やカナダが反発したが、「ルールに基づく貿易体制の推進」を確認する表現で妥協、トランプ流米国の通商交渉は相変わらず火種。

今週は、重要なイベントが多いので1.「政治的」な動き、2.「経済指標」、3.「金融政策」とそれぞれを区割りして考えてみたい。

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1.「政治的」な動き
◎6/12(火)米朝首脳会談は日本時間午前10時からスタートする。トランプ氏はG7サミットを途中退出しシンガポールへ向かっている。この時間を決め理由は「米国時間のゴールデンタイム」に当たり視聴者が多いためも言われている。まさにトランプ大統領にとっては「ショータイム」。そして、「朝鮮戦争終結合意へ最終調整」を目指し、報道では交渉は複数回とあったが、直近ではチャンスは一度と非核化の決断を催促している。相変わらず本心は不明で仕上げをとくとご覧あれ!

◎6/12(火)「EU離脱(Brexit)法案に対する下院の改正案について議会で投票」GBP相場にとっては重要!アイルランドと北アイルランドの国境問題は簡単に解決できることではなく、「バックストップ」オプションに合意したメイ内閣への批判を強めているのが実情。→ 6月28日~29日のEUサミットに英国はブレグジットの詳細を説明する必要があり、その工程を巡りGBPは上下変動のリスクが高い。

◎6/15(金)「米中通商協議」
米政府25%の関税措置の対象となる約500億ドル相当の中国からの輸入品リストを公表の期限、先の米中貿易協議で、中国側が米国の農産品やエネルギーを年700億ドル購入すると提案しており、実質的な数字は別として制裁発動はないと思われるが、仮に実施すれば米中貿易戦争の可能性が強まるリスクは引き続き存在。

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2.「経済指標」
6/12(火)
◎英雇用統計は、失業者数増減、平均賃金が今後のBOEの金融政策を考える上で特に重要。
◎米CPIは、翌13日のFOMCを前にして重要で、前年比予想が2.8%(前回2.5%)から上昇が、コア前年比も予想2.2%(前回2.1%)と強い数字が予想されている。

6/13(水)
◎英CPIは、前年比2.5%(前回2.4%)、コア前年比2.1%(予想2.1%)と前回より若干の上昇が予想されており、英雇用統計と合わせ注目したい。
◎米PPIは、FOMC直前の数字で市場にどのような結果でも動きようがないが、前月比・前年比はコアを含め上昇が予想されている。

6/14(木)
◎豪雇用統計は、失業率が予想5.5%(前回5.6%)と低下が、雇用者数予想は1.8万人(前回2.26万人)と強弱が混在するが、ブレがあるので、直後の相場変動に注意したい。
◎強い米経済指標も多い。小売売上高は小幅上昇が、新規失業保険申請件数は前回を小幅に上回り、輸入物価指数は前回より上昇が予想されており、結果を注目。

6/15(金)
◎ユーロ圏CPIは、前月比・前年比、コア共に前回より上昇が見込まれている。
◎米経済指標も多い。NY連銀製造業景気指数、鉱工業生産・設備稼働率、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表があり、予想は強弱混在。

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3.「金融政策」
6/13(水)
◎FOMC、FOMC金融政策発表+パウエルFRB議長発言=政策金利1.5~1.75%を0.25%引き上げ、1.75~2.0%を予想、経済見通しを発表、FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)発表があり、年内計3度なのか4度なのか利上げの頻度の見通しにより相場変動が高まる可能性は非常に高い!

6/14(木)
◎ECB理事会+ドラギECB総裁発言は、南欧諸国の政治的問題も収束しつつあり、直近で政策担当者のタカ派発言が続き、早期緩和縮小のヒントを期待する動きが多くなる。政策金利(リファイナンス金利)0.0%、上限金利(限界貸出金利)0.25%、下限金利(中銀預金金利)-0.4%の据え置きと、債券買い入れを300億ユーロ9月期日についてフォワードガイダンスの見直しを討議することが予想される。

6/15(金)
◎日銀金融政策決定会合+黒田日銀総裁発言は、いつもながら「ほぼ、注目されず」。政策金利0.0-0.1%の据え置きを予想。総裁発言の多くは期待できず。

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