2018/06/17

最新のIMMポジションから、2018年6月17日(土曜)


最新のIMMポジションから、2018年6月17日(土曜)

集計日が6月12日(火)の主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の投機的ネット・ポジションの合計は、前週のロング+22,064→+43,784コントラクトへと前週比で+21,720の増加となった。

小幅ながら先週に続いての上昇にドル売りの流れとなっていたが、今回の集計日前後に重要なイベントがてんこ盛りで、週末には逆にドル買いへと動きドルは全面高となっていたことを考えれば、この増加した数字はあてにならない。

集計日直前の11日にはトリア・イタリア経済相の「ユーロ圏にとどまる意向」の発言があったり、集計日の12日には歴史的な米朝首脳会談が表面上は成功裏に終わり、英下院がEU離脱法の修正案を可決しポンドが買われたり、翌13日にはFOMCで利上げを実施、更なるタカ派発言にドル買いへと動いていたことは忘れることはできない。

また、14日にはECBが年内のQEの実施を示すも、利上げ期待度は来年3月→9月へと延期される可能性のEURUSDが急落しドル全面高へと動いていたことを考えれば、今回の集計結果と週末の動きの変化を総合的に考える必要がある。

【円】前週-3,437→5,052(8,489)
過去70週続いた円安(ネットショート)から歴史的な変化の後は11週間経た今も引き続き方向感は定まらず。ネット・ポジションは何とか4週間ぶりにロングへと変化しながらも、集計日火曜の終値ベースでは109.778→110.364と、個人投資家の円高期待に反する値動きとなっている。

【ユーロ】前週89,236→88,225(-1,011)
過去57週間と長期に渡りユーロのロングを維持しながらも、4月17日をピークに以降8週連続して前週比で減少中。イタリア・スペインの政治的リスクがひとまず収まり強気相場入りと思われたが、ECB理事会はQEの年内終了を示唆するも、事前の通貨関係者のタカ派発言に期待された早期利上げ期待は裏切られ、さらに対米金利差の拡大にEUR売りが加速していることを考えれば、減少幅がさらに拡大していることが予想できる。

【ポンド】前週7,345→10,969(3,624)
28週間ポンドのロングを維持し6週間ぶりに1万コントラクトの大台に上昇へ。12日の集計日には懸案のEU離脱法案の修正案を巡り政権内の対立が続く中で、何とか離脱法案が維持され翌13日も同じく失敗に終わり目先の難局は何とか乗り越えるも、EUサミット等を考えれば楽観視はできず。

【カナダドル】前週--16,039→-14,988(1,051)
前週比では小幅上昇するも、12週間カナダドルのショートが続いている。原油価格の下落に加えトランプ政権との通商問題もあり強さは見られず。集計日のUSDCADは前週1.2966→1.3013と1.3の大台に乗り、今回の数字には反映されていないが先週末は1.3202と2017年6月来のカナダ安水準となっている。

【豪ドル】前週-20,208→-15,235(4,973)
前週比で2週続けて上昇するも、引き続き11週間で豪ドルのショートが続いている。5月8日の週からはマイナス幅は1.5~2万コントラクト台と安定しトレンドのあるような大きな変化は見られず。豪中銀も将来の利上げ期待は示すも、当面は利上げせずと示唆しており、米中貿易戦争のリスクが払拭できない中でも、集計日の終値は0.7568で、4月24日の週以降を比較すると0.7450~0.7616と大きな変化は見られず。

別表もご覧ください。

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