2018/06/30

2018年6月30日(土曜)昨日29日、海外市場の動き

2018年6月30日(土曜)昨日29日、海外市場の動き

週末・月末・半期末の金曜日。リスク回避の巻き戻しにドル安傾向が続き、円は他通を含め全面安。ドル高トレンドが続く中で、主要通貨通貨、リスク敏感通貨、新興国通貨が反発しドル売りの流れで終了。週末のメキシコ総選挙・大統領選は気になる。

為替市場は、アジア市場から続く、「EU首脳会議は移民問題で合意」との報道を受けた、ドル売+円売りの流れは変わらず。欧州市場は強い英GDPにGBP買いに反応、ユーロ圏のCPIは予想通りで反応は鈍いが、カナダGDPが強くCAD買いが強まる。

米個人所得は強いが個人支出は弱く、注目のコアPCEデフレータ前年比は2.0%と強く、シカゴPIも強く、ミシガン大消費者信頼感は弱く推移するも、大きな変化は見られず。目立ったのはオプションカットから続くドル売りが再開。とりあえず、メイ独連立政権の崩壊を避けることができ、米通商政策のリスクで相場が動き、トランプ大統領はWTOから脱退を検討との報道に貿易戦争のリスクが広まるも、否定され事なきを得る。

米株は一時280ドル近く上昇するも終盤にかけて上げ幅を縮め、前日比+55.36(+0.23%)、Nasdaq+6.62(+0.09%)、S&P500+2.06(+0.08%)と小幅な上昇にとどまる。 米債利回りは終盤にかけて上昇、2.8601%(+0.0236)、2年債も2.5282%(+0.0181)と小幅上昇へ。原油価格(WTI)は続伸し74.31ドルで終了。

USDJPYは、前日に「中国政府は対中投資に関する規制を緩和」し、「EU首脳会議は移民問題で合意」したことを受け、リスク回避の巻き戻しが強い。株価の上昇傾向は止まらず、主要通貨でドル売りが強まるなかで、大枠110.50~80の狭いレンジで推移した。動きが強まったのオプションカットで、米株の上昇や、米国がWTOから脱退か?との一部報道が否定され、110.94まで続伸。111.00の壁は超えられず、終盤にかけては米金利が上昇する中で、逆に米株安があり終盤にかけては110.60台まで値を下げるも底堅い展開は続いていた。

USDCADは、強いカナダGDPと原油価格の上昇にカナダ買いの流れを維持。カナダ4月の月次GDP前月比0.1%(予想0.0% 前回0.3%)、前年比は2.5%と予想と変わらず前回2.9%から低下と、予想外というのか? 期待外のいうのか、突然CAD買いがさく裂。市場の評価は7月の利上げ期待が高まり、利上げ確率は67→80%に上昇。結果は1.3250台→1.3130台と28日のピーク1.3386から250ポイント近く下げとなった。

EURUSDは、アジア市場の、「EU首脳会議は移民問題で合意」との報道に難民・移民問題で対立していたメルケル独連立政権の崩壊リスクは急速に減少しEURは急伸。欧州市場に入り、独小売売上高は予想外に低下するも、独失業者数は予想外に減少、ユーロ圏CPIは予想通りながら前年比は1.9→2.0%に上昇。結果は1.1610台か~1.1660台の狭いレンジで推移が続いた。午後11時のオプションカットから再上昇が始まり、フィキシング後の1.1680台で上値の重い展開が続いたが、終盤にかけて1.1690台まで上昇し高値圏で終了している。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

21:30    USD 5月 個人所得=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.3→0.2%)、個人支出=前月比0.2%(予想0.4% 前回0.6→0.5%)、個人消費支出・価格指数(PCEデフレーター)=前月比0.2%(予想0.2 前回0.2%)、 前年比2.3%(予想2.2% 前回2.0%)、コアPCE価格指数=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、前年比2.0%(予想1.9% 前回1.8%)

21:30    CAD 4月 GDP 前月比=0.1%(予想0.0 前回0.3%)、前年比2.5%(予想2.5%  前回2.9%)→ 予想を上回り7月の利上げ期待が高まり、CAD買いが強まり、利上げ確率は67→80%に上昇。

21:30    CAD 5月 鉱工業製品価格=前月比1.0%(予想0.9% 前回0.5→0.4%)、原材料価格指数=前月比3.8%(予想2.7% 前回0.7→0.8%)

22:45    USD 6月 シカゴ購買部協会景気指数=64.1(予想60.1 前回62.7)→ 予想を上回る
23:00    USD 6月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=98.2(予想98.5 前回99.3)→ 予想を下回る


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【北米】
ブランスタド駐中大使=中国は通商問題を早急に進展させえる意思があるとは思えず。⇒ 中国政府28日に銀行、自動車、重工業、農業などの外資の出資規制の緩和を発表し外資に一段と中国市場を開放するといっている

ポンペオ米国務長官=中国の王毅外相と朝鮮半島の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)で共通目標の実現に向けた」取り組みで協議し、北朝鮮に対する制裁実施継続が重要と強調

カナダは報復関税を発動(29日)=米鉄鋼・アルミニウム関税に対抗して、166億カナダドル規模の制裁関税を課し、影響を受ける産業や労働者向けに20億ドルカナダドル規模の支援策を講じる方針を公表。フリーランド外相=予定通り7月1日に関税を発動し、「米国がカナダに対する貿易制限措置を撤廃するまで」続ける方針。欧州連合(EU)とメキシコと緊密に連携し、事態を加速させることも減速することもない。

トランプ大統領=WTO脱退は計画せず。→ WTOから脱退したいとの考えを繰り返しているとの報道が流れていた。

トランプ大統領(FOXニュース)=法人税率21か20%に下げる方向で検討

【欧州】
トゥスクEU大統領が10時間の激しい討議を経て『EU首脳会議は移民問題で合意』と発表⇒リスク回避の巻き戻しが激化、JPYを除きドル全面安。 EU首脳会議は、難民・移民問題で合意「申請を取り扱う共同の審査機関を域内に設置、域内での難民・移民の移動を制限することなどで合意(ただし、任意で)」

メルケル独首相=難民・移民を巡るEU合意は前向きだが、加盟国には依然として溝がある。クルツ・オーストリア首相=いくつかの国な移民問題で消極的

EU首脳会議(サミット)=イタリアのコンテ首相が一連の措置を取りまとめた。

2015年のように無秩序な移民流入の阻止で合意。EU外の第3国に移民センターの設置検討で合意、海上で救出された移民の状率をめぐる責任の共有で合意。EU内に任意で難民・移民の申請を取り扱うコントロールセンターの設置で合意。

バルニエ英EU離脱・欧州委員会主席交渉官=英国とEUではブレグジットに推定大きな意見の相違がある

ドラギECB総裁=対米摩擦激化は、ユーロ圏経済への悪影響想定以上

【アジア・その他】
中国人民銀行=緩和バイアスを確認。公開市場操作で3週間ぶりに吸収超過。

7月1日(日)のメキシコ大統領選に向け、現地メディアでは候補者らがすでに100人以上殺害されたとあった。複数の世論調査では受け皿の差は元メキシコ市長、ロペスオブラドール氏が優勢で、トランプ政権に強硬姿勢を示し当選すれば関係が悪化する可能性も。

グズマン・メキシコ中銀風総裁(28日)=追加利上げの可能性を排除できないと発言したことで28日の海外非常でMXNの買いが強まっていた。

7月1日(日)のメキシコの総選挙では、大統領、下院議員(500人)、上院議員(128人)、州知事(9人)が選ばれる。

中国国家外為管理局(SAFE)=第1四半期の経常収支(改定値)は341億ドルの赤字で、速報値は282億ドルの赤字。経常収支が赤字となるのは2010年初頭以来8年ぶり。第1四半期の資本・金融収支は725億ドルの黒字。速報値は282億ドルの黒字


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※