2018/06/07

2018年6月7日(木曜)昨日6日、海外市場の動き

2018年6月7日(木曜)昨日6日、海外市場の動き

米株上昇、米金利上昇、原油価格下落。為替相場はドル売りと円売りの流れで、EURとAUDの上昇が目立っている。

6月13日のFOMCでは利上げが既成事実の中、米株は先に中国側が米国の農産品やエネルギーを年700億ドル購入すると提案との報道や、ZTEは米国製部品購入の禁止解除で原則合意に署名するなど、米中通商問題が近く解決に向かうとの観測も強く米株高の要因ともいわれている。ただし、8~9日のシャルルボワG7サミットでEU、カナダとどこまで妥協できるのかを注目!

EURUSDは、0.5%近くの上昇で1.1760台を維持。アジア市場の1.1714をボトムに、欧州市場に入りプラート氏は「14日のECB理事会でのQE縮小を評価する可能性」を発言し1.1770台へ上昇。イタリア債下落に上値は抑えられるも、クノット+バイトマン各氏のタカ派発言もあり、クロスでもEUR買いが強まり米国市場に入り1.1796まで上昇後は、1.1760~85の狭いレンジに収まる。

USDJPYは、+0.3%台と上昇しJPY売りの流れを維持。13日のFOMCでは利上げは既成事実化し米債利回りも上昇傾向が続く。南欧の政治的リスクもひとまず落着、米中通商協議も中国の妥協策が報道される等、リスクを危惧する動きは見られず。12日の米中首脳会談もしかり。早朝の109.80近辺をボトムに110.00の壁を上抜け欧州市場では110.23まで、米国市場では一時109.90まで値を戻すも終盤にかけては110.27まで上昇し、クロスでもJPYは全面安で110.00の大台を維持して推移。

USDCADは、売りから買いへと変化し-0.15%近くと小幅上昇にとどまる。米カナダ通商問題で上下変動は止まらず、5日にクドローNEC委員長がNAFTA全体の協議を二国間協議に迅速に変更させる可能性を示唆し1.3060台へ上昇から、6日はムニューシン米財務長官がカナダを鉄鋼・アルミの関税適応から除外するようにトランプ大統領に求めたとの報道に下落し、強いカナダ貿易収支に1.2900を割り込み1.2857まで続落。オプションカットでは1.2900を割り込み売り圧力が続くも、弱いIveyPMIと、ワシントンポスト紙が「ホワイトハウスはカナダへの追加関税措置を検討」との報道に1.2960台まで一時値を戻す。

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21:30    USD 4月 貿易収支=-462億ドル(予想-490億ドル 前回-490→-472億ドル)→ 前回上方修正され、赤字額は予想を下回る

21:30    CAD 4月 国際商品貿易=-19億カナダドル(予想-34 前回-41.4→-39.3億ドルカナダドル)→ 前回が上方修正され、赤字額は予想を下回り、CAD買いが強まる

21:30    CAD 4月 住宅建設許可=前月比-4.6%(予想-1.0% 前回3.1→1.3%) 

21:30    USD 第1四半期 非農業部門労働生産性・確報値=前期0.4%(予想0.6% 前回0.7%)、単位労働コスト・確報値=2.9%(予想2.8% 前回2.7%)→ 非農業部門生産性は予想を下回る

23:00    CAD 5月 Ivey購買部担当景況感指数・確報値=62.5(予想69.7 前回71.5)→ 予想と前回を下回る
23:30    USD 週間原油在庫=207.2万バレル(予想-52.5万バレル 前回-362万バレル)

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【北米】
米11月の中間選挙に向け米8州で予備選がスタート→ カリフォルニア州の上院予備選で民主党現職が1位。

ムニューシン米財務長官(匿名当局関係者)=カナダを鉄鋼・アルミの関税適応から除外するようにトランプ大統領に求めた。⇒ CAD買いが強まる。

カドロー国家経済会議(NEC)委員長=通商問題で見解の一致が存在する。トランプ大統領は自からの立場を守っていると強硬姿勢を崩さず。米中通商交渉が機能すれば、貿易赤字は縮小するが、現時点で合意に至らず、中国が貿易を妨げている関税を引き下げれば、対中貿易赤字が縮小する。WTOは完全に無力化した、合意から逸脱した各国を責めるべき。米国は貿易戦争でなく、解決が必要な貿易摩擦に関わっている

ホワイトハウスはカナダへの追加関税措置を検討(ワシントンポスト)→ USDCAD上昇。

【欧州】
バイトマン独連銀総裁=ECBが年末までに債券買い入れプログラムを終了させるとの観測は妥当で、ECBにとっては、この過程について市場が混乱しないよう適切に対話することが課題。

プラートECB専務委理事=インフレがECB目標に収束するとの兆しが強まっている。これまでの動向が債券買い入れ規模の段階的な縮小を妥当と判断するに十分かどうか、来週のECB理事会で評価する必要がある。→ 債券利回りは上昇

クノット・オランダ中銀総裁=債券買い入れプログラムを可能な限り早期に終了すべき。ユーロ圏のインフレ率が2%に近づきつつあり、量的緩和プログラムを続ける理由は無い

欧州委員会=米国の鉄鋼・アルミの輸入関税引き上げの対抗手段として、米国からの一部輸入への追加関税について、7月から適用を開始すべきで米国から28億ユーロ相当の輸入に関税をかける計画
イタリア・コンテ新内閣は上下両院で信任され正式に発足。

マカファーティー金融政策委員=量的緩和策の縮小を急がない。QEの反転は急がない方針をこれまでも示してきたし、金利が現在の水準よりもやや上昇することを望んでいる。成長の減速は英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性に起因する。インフレ圧力は上向きの兆しをみせているが、低金利状態は当面は続く。

【アジア・その他】
WSJ紙(5日)=米中両政府が2~3日開いた貿易協議で、中国側が米国の農産品やエネルギーを年700億ドル購入すると提案。→ 米国が知的財産権侵害を理由に制裁関税を課さないことを条件としている。トランプ米大統領が中国の提案を吟味して今後の対応を検討するとしている。→ 3回目の貿易協議後の声明で中国は「米国が追加関税を含む貿易制裁を出せば、合意は効力を失う」と指摘した。米政権は年約3800億ドルの対中貿易赤字のうち2千億ドルを減らすよう中国に求めている

インド中銀政策金利を4年ぶりに0.25%引き上げへ6.0→6.25%へ、政策スタンスは中立を維持。

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