2018/06/28

2018年6月28日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年6月28日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

アジア市場は、前日NY市場の流れを継続し、総じてドル高の流れを維持しており特に主要通貨でその流れが目立っている。一方、リスク敏感な通貨は意外にも大きな変化は見られず、新興国通貨でもドルは小幅な上昇に留まっている。

株価は軟調で推移。日経平均株価は下落幅を縮小し-1.385(-0.01%)とほぼ前日と変わらず。逆に新興株は弱含みで推移。中国株も弱含みで推移しアジア株全体でも下落が目立っている。米10年債利回りは2.836%とやや値を戻してはいるも強さは見られず。原油価格は72.47と小幅低下するも高水準を維持。

最終的来な結果を見なければわからないが、いつもながらトランプ大統領の対中通商交渉の行方に市場参加者の関心は高い。今後の相場を考えるに、どうしても米国の通商政策がどうなるのか? 円相場はこれに大きく左右されることは間違いない。

ムニューシン氏の成果ともいわれている、知的財産権の保護などに対処することが可能な『対米外国投資委員会(CFIUS)』を使った通商戦略の行方はどうなるのだろうか? クドロー氏のようなタカ派は発言もあり、7月6日のタイムリミットを前にして確定はできにくい。ディールが得意なトランプ氏のことを考えれば、ある程度妥協して何らかの成果を取ることになりそうである。

米株も強さは見られず、新興国株の下げは止まらず、安全資産の買いなのか米債利回りは2.9%を割り込み下落基調へとなぜか変化。

EURUSDは1.1500の大台のボトムを何と維持しているが、三度トライしブレークするリスクは否定できない状況にある。一方、GBPUSDに関しては1.3100の壁の安値を割り込み安値を更新中でどこまで下げ続けるのか? ドル高の流れに変わりない。

USDJPYは、109.30~110.80のレンジ内での推移が相変わらず続き、目先では109.50~110.50のレンジに収まっている。円がこの水準で安定しているのは、不透明な米中・米EUやその他の主要国との貿易戦争に発展するリスクが残っていることで、円クロスでの円買いが大きな要因で、きわどい安定と思っている。

早朝のNZ中銀の金融政策は予想通り1.75%で変化なしで『必要に応じて上下の変化で対応する立場も表明』に動きは見られず。

今日の海外市場では、ユーロ圏各種信頼感指数、独CPI、そして、米GDPが相場の波乱要因となっている。


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6:00    NZD 6月 NZ中銀金融政策発表=政策金利1.75%の据え置き決定、予想通り

15:00    GER 7月 GfK消費者信頼感指数=10.7(予想10.6 前回10.7)→ 予想を若干下回るも前回と変わらず

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【欧州】
カンリフBOE副総裁=英国の家計債務は歴史的に極めて高い水準にあり、各世帯は債務の抑制に努めているが、まだなお懸念すべき点がある。多額の債務を抱える家計が、リセッションの打撃を受ける可能性を懸念。

チプラス・ギリシャ首相=ドイツが難民を他のEU加盟国へ送り返すことを容易にする措置で、メルケル独首相と合意する用意がある。

カーニーBOE総裁=世界経済のリスクは増大している。通商関係での緊迫感は高まっている。

【アジア・その他】
NZ中銀声明=政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を1.75%に据え置くことを決定、予想通り。

NZ中銀声明=必要に応じて上下の変化を管理する立場も表明。CPIインフレ率は、燃料価格の高騰により、近い将来に増加する可能性が高く、年率2%の目標に徐々に上昇すると予想。雇用は持続可能な水準にあり、消費者物価のインフレ率は目標の2%以下に留まり、しばらく緩和的な金利水準の維持が最善。⇒ 発表直後のNZDUSDの動きは緩慢。

NZ中銀声明=持続可能な雇用を最大限にし、安定したインフレを維持するためにできる最大の貢献は、OCRがかなりの期間拡張レベルにあることを保証することです。予想以上に若干余剰生産能力があると見られる。

雨宮日銀副総裁=物価目標2%は簡単に機械的に達成することは難しくなっている。

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