2018/06/20

2018年6月20日(水曜)昨日19日、海外市場の動き

2018年6月20日(水曜)昨日19日、海外市場の動き

米中は相手の出方をけん制するような、制裁・報復の連鎖に貿易戦争のリスクを警戒した動きが相場変動の引き金。米国株と債券利回りは下落傾向が続くもボトムからやや反発、為替市場もNY市場に入りドルと円高傾向は弱まりボトムから小幅反発へ。

米国の対中制裁関税→中国の対米報復関税→米国の報復への報復関税に、中朝最接近で通商問題をけん制と、今後どうなることやら。7月6日期限の制裁発動の流れは不透明で、金融市場はリスク回避へと動き、USDは円以外の通貨で上昇傾向を維持するも米国市場に入りやや弱まる。

シントラECBフォーラムでドラギ総裁は「利上げはインフレ上昇に合わせ忍耐強く段階的に行う」と慎重で、他の関係者の発言も相場を動かすまでに至らず。英国はEU離脱で重要で、先に上院で可決した「議会により大きな権限を与える議案」が今日下院で採決されるが、その結果を注目。引き続きリスクは「ハードブレグジット・ソフトブレグジット・再投票」と三択へ。

ダウは一時の400ドル台下げ幅を縮め-287.26(-1.15%)で終了し、NasdaqとS&P500も値を下げるも下げ幅は限定的。米10年債利回りは2.854%のボトムからは回復するも、2.896%(-0.023)と小幅低下。原油価格(WTI)は65.10(-1.14%)とOPECを前にして減産の緩和合意を意識した動きへ。

USJPYは、前日比-0.41%と円高。アジア市場の110.50台を高値に、突然の「米国の中国への報復・追加制裁の可能性報道」に米中貿易戦争突入のリスク回避にドルと円の上昇は続くも欧州市場の序盤に付けた109.55をボトムに米株の動きを見ながら下げ幅を縮める中、110.10台まで値を戻す。クロスでもAUDJPY-1.04%を筆頭に円高傾向は変わらず。

EURUSDは、-0.29%とユーロ安。アジア市場の1.1640台をトップに、米国の中国への報復・追加制裁の可能性に、ドル高+円高の流れが加速する中で、1.1600前後の大口の買いを消化し、欧州市場の1.1530台まで続落。これをボトムに米国市場に入り米債と米株の動きを見ながら1.1580台まで徐々に回復し、終盤には1.1590台まで上昇するも、1.1600の重要なポイントを回復できず。

GBPUSDは、-0.55%とポンド安。AUDUSDは、-0.56%と豪ドル安。USDCADは、+0.6%とカナダドル安へ。

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【北米】
トランプ米大統領=500億ドル相当の米国製品に対する中国の報復関税への対抗措置で、2000億ドル規模の中国製品に対し、10%の追加関税を課すと警告。新たな関税の対象になる中国製品の特定を米通商代表部(USTR)に指示。

米韓両政府(18日)=8月に予定していた定例の合同軍事演習の中止で合意。軍事演習の中止は米軍のプレゼンスの低下につながり、東アジアの安全保障情勢に影響を与えるのは確実だ。

トランプ大統領=NAFTA再交渉で進展がみられるが、合意できなければ2国間協定の可能性。

トランプ大統領=米国とカナダの関係は良好で、通商協議で合意することを望む

トランプ大統領=米国は変わらなくてはならない。これ以上、愚かな国としてとどまることはできない

フリーランド・カナダ外相=NAFTA再交渉妥結はなお可能。カナダ政府は、日本、メキシコと米自動車への課税の可能性を話し合っている。

カプラン・ダラス連銀総裁=原油市場は今後数年間、脆弱なバランスにある。

ナバロ米通商製造政策局長=中国当局と複数回にわたり通商問題を巡り協議を行ってきたものの、進展は見られていない。トランプ大統領は米国民を代表して措置を取った。米国が誇る技術、および知的財産権を中国の侵害から守る必要がある

【欧州】
英上院(18日)=欧州連合(EU)離脱法案に関し、議会が交渉の行方を左右することを認めないとしたメイ政権の案を否決し、議会により大きな権限を与える対案を可決。メイ政権とEUの合意を議会が否決した場合や、合意がまとまらなかった場合に政府がとるべき対応を決める権限を議会に与える案を354対235の賛成多数で可決した。20日に下院での採決があり、穏健な離脱につながるとみられる「意味のある採決」を議会に認めることを回避したいメイ首相にとって、20日の採決は非常に重要となる。

メイ英首相報道官=英上院が議会により大きな権限を与える議案を可決したことについて、受け入れられない。EU離脱を巡って、議会が政府に指示することを可能にする」内容で、首相の手足を縛り、自国にとって良い合意の実現が困難になる

バニエルEU主席交渉官=両社には深い隔たりが残っている。アイルランドの国境問題には多くの作業が必要。

ドラギECB総裁=利上げの判断はインフレ率の上昇に合わせて「忍耐強く」かつ「段階的に」行う。賃金が上昇しているものの、これがそのままインフレ率の上昇につながるわけではないと。物価の伸びの先行きは不透明感がある。鍵となるのはインフレ期待が十分にアンカーされ続けることだ。経済の状況から生じる不透明感がこの過程におけるさまざまな段階に存在する

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=ECBは拡張的政策からの出口を開始している。利上げ開始は2019年夏以降と予想。

リッカネン・フィンランド中銀総裁=必要があれば来年夏以降も金利を据え置くことは可能

レーン・アイルランド中銀総裁=かなり大きなインフレのショックがなければQE終了の決定は変わらず。ECBが買い入れた2.6兆ユーロの資産を保有し続け、償還債の再投資を実施すること自体に長期金利を約1.0%引き下げる効果がある

独仏首相=2021年までにユーロ圏共通予算の創設で合意

独IFO経済研究所=年初の経済成長が低迷したことや世界経済のリスクの高まりが背景に、独経済成長率予想を大幅に下方修正、2018年2.6→1.8%、2019年2.1→1.8% → ドイツ経済の下振れリスクは大幅に増している」とし「ドイツ経済の利点を大幅に上回る2つのリスクがある。イタリアと貿易戦争を通じたユーロ危機2.0だ

【アジア・その他】
豪中銀議事録公表(6月5日分)=経済についてより強気な見方が示された一方、高水準の家計債務と賃金の伸び悩みは低金利が当面続くことを意味するとの見解で一致。今年の成長率3.0%を上回ると予想するも、米中貿易摩擦や他国の関税をめぐる対立で下振れリスクもある。第1四半期GDPは前年比3.1%と第4四半期2.4%から伸びが加速し2年ぶりの高水準ながら、賃金の伸びが過去最低に近いペースで、インフレ率は中銀目標2~3$を下回り、2017年以降の雇用増加にも関わらず、労働市場はなお余剰能力にある。

中国人民銀行=預金準備率、適切な引き下げが必要

ロシア経済発展相=米国の鉄鋼とアルミの輸入制限措置に対応して、一部の米国製品に輸入関税を賦課する。

OPEC総会を前に関係者=イラン、アルジェリア、ベネズエラが増産に反対、OPEC総会で減産の可能性が残る。サウジアラビアとロシアはOPEC加盟・非加盟国が7月から産油量を大幅に引き上げることで合意するよう呼び掛けている。

イラン石油省=OPECは米国のエネルギー部門ではない。今回のOPEC総会で合意が得らえると思わない。原油高はトランプ大統領が導いた。

エルドアン・トルコ大統領=投資を促進するには利下げが必要で、金利は引き下げる。

3度目の中朝首脳会談(何がもくてきなのか?)=国営の中国中央テレビ局(CCTV)は金委員長との会談を終えた習主席の発言として、北朝鮮と米国の双方が首脳会談での合意を実行に移し、関係各国が協力して朝鮮半島の和平プロセスを前進させることが可能になるよう期待すると報じた。中国は引き続き建設的役割を担う意向だという→ 習近平主席には北朝鮮という交渉の切り札がある。貿易から台湾関係に至るまであらゆる米国の政策が変化し、中国を世界のリーダーにしたい習主席の計画を阻止することがトランプ大統領の本当の狙いだとの見方が広がるなか、習主席はこの切り札を使う方向に傾く可能性がある。

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