2019/07/11

2019年7月11日(木)アジア・欧州市場の動き

2019年7月11日(木)アジア・欧州市場の動き

昨日、パウエルFRB議長のハト派発言にドル売りへと急変した流れは緩やかに継続。

日経平均株価は続伸、中国株は軟調に推移、米10年債利回りは2.05%と引き続き前日からは低下傾向が続く。

気になるニュースとしては、クドロー国家経済会議(NEC)委員長とムニューシン米財務長官は否定しているが、トランプ大統領は「側近にドル押し下げの方策を考えるよう側近に求める」との報道で、現実的にはあり得なさそうではあるが、今後の進展が気になる。

海外市場では米CPIの発表が引き続き台風の目となる可能性があり、仮に弱い数字ともなれば、投機筋は31日のFOMCで0.25%の利下げが織り込まれている現状から、0.50%の思惑にドル売りが強まることになりそうである。

逆に強い数字ともなれば、0.25%の利下げ観測は変わらないと思われるが、次回の利下げ期待が大幅に低下するリスクは避けられそうにない。

USDJPYは、200時間MAの108.28近辺を割り込んでからドル売りが加速し一時107.90割れまで下落するも、今日の米CPIを意識して108円割れからは積極的な売りも続かず。108.28、108.40が上値のポイントとなっている。

EURUSDは、200時間MAの1.1260台を上回り買いの流れが続いている。中期線も上昇し1.1260台に収束しており、この水準をボトムとして維持できるか注目したい。

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10:00    AUD 7月 消費者インフレ期待=3.2%(予想 前回3.3%)

13:30    JPY 5月 第三次産業活動指数=前月比-0.2%(予想-0.1% 前回0.8%)→ 予想を下回る

15:00    GER 6月 消費者物価指数・改定値=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.3%)、前年比1.6%(予想1.6% 前回1.6%)、HICP前月比=0.3%(予想0.1% 前回0.1%)、HICP前年比=1.5%(予想1.3% 前回1.3%)

15:45    FRN 6月 消費者物価指数・改定値=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.1%、前年比1.2%(予想1.2% 前回1.2%)、HICP前月比=0.3%(予想 前回0.1%)、HICP前年比=1.4%(予想 前回1.4%)

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トランプ大統領
◎ドル高が自らの経済アジェンダの脅威になると懸念を募らせ、ドル押し下げの方策を考えるよう側近に求める。
◎トランプ大統領は、FRB理事に指名予定の、シェルトン氏、ウォラー氏との面接を先週行った際もドルについて尋ね、自らの再選に寄与すると期待する経済ブームをドル高が鈍らせる恐れがあると嘆いたという。

クドロー国家経済会議(NEC)委員長とムニューシン米財務長官(関係者)
◎ドル押し下げを意図するいかなる介入にも反対


欧州委員会の次期委員長に指名されたドイツのフォンデアライエン国防相
◎英国がEUに残留することをやはり望む。必要なら10月31日の離脱期限の再延期も認めるべき

バイエル氏(ドイツ政府で欧米関係のコーディネーター)
◎EU加盟国は今後数カ月間に米国が自動車など複数の分野でEUに関税を発動する可能性に備える必要がある
◎トランプ政権はEUとの対話に引き続き関心を示しているが、航空機補助金やガスパイプライン計画「ノルドストリーム2」、欧州産自動車の輸入を巡り関税や制裁を発動する構えのようだ。
◎自動車関税については、11月半ばに発動される可能性が高い。EUが農産品を通商協議の対象にするのを拒んでいることなどに米国がしびれを切らせているとした上で、EUとして強い姿勢で結束を保つ必要がある。
◎ロシアから欧州に天然ガスを送るプロジェクト「ノルドストリーム2」を巡り米国が早ければ8月か9月にも欧州企業に制裁を課す可能性がある。

10日のFOMC議事要旨(ロイター)
◎銀行が米国債などの証券を担保にFRBから借り入れを行うことを可能にする政策手段について是非を議論した。
◎そうした常設の固定金利レポ取引プログラムは、月末や四半期末に起こる頻度が増している短期金融市場での急激な金利上昇による影響を回避するためのバックストップとして機能する。