2019/07/11

2019年7月11日(木)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年7月11日(木)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

パウエル議長は、インフレ圧力落ち着き、取り巻くリスクは多々あり景気見通しは改善せずと、7月31日の利下げを示唆。強い米雇用統計を受けくすぶっていた緩和の延長期待も払しょくされ、7月の0.25%の利下げの可能性を織り込む。

【今日の米CPIを注目】
◎今日の米消費者物価指数→ 重要でドル売りの流れを継続できるか、31日のFOMCで0.25%の利下げ期待を裏付けるのか、それとも、より大幅な0.5%の利下げ期待へと再び変化するのか? ブラード・セントルイス連銀総裁も言っているが「現時点での50bpの利下げは行き過ぎ、緩やかな利下げが必要」、これが市場のコンセンサスでは?


議会証言前に発表された原稿を受けて相場は急変し為替相場はドル全面安。終盤にかけやや落ち着くも、米株は上昇し一時S&P500 は3000ドルと最高値を更新、ダウは+76.71ドル上昇。米10年債利回りは2.1→2.03%台まで一時急落しドルは全面安。原油価格は続伸し原油在庫の予想外の減少と暴風接近にメキシコ湾施設の生産中止に60ドル台を達成。

パウエルFRB議長の議会証言を受け、5日の非農業部門雇用者数の予想外の増加を受けて米利下げ期待度が急速に萎み、米債利回りは上昇しドル高に動いた流れが再び変化し、ドルは全面安。米10年債利回りは雇用統計5日の終値2.0338%で、現行の2.065%はそれを上回っている。

USDJPYは、パウエル議長の議会証言前までの動きは、大幅な緩和期待が弱まり、一部で利下げ延期との観測もあり、109円の大台は超えられなかったが、108.85~00の円安水準で推移。議会証言前に原稿が発表されると108.95→108.50台まで下落。米債利回りが低下する中、パウエル議長の議会証言が始まり、ハト派発言が相次ぎ、質疑応答でも雇用統計の非農業部門雇用者数の増加は緩和傾向に影響せずとの発言もあり、一時108.35の安値まで下落し、108.47近辺で推移。米雇用統計7月5日の終値108.46とほぼ同水準まで逆戻りしたことになる。

USDCADは、パウエル議長の議会証言の原稿とカナダ中銀の金融政策で乱高下。ハト派の議会証言の原稿に1.3120→1.3070まで急落、カナダ中銀は予想通り政策金利を1.75%で据え置くも、成長予想を上方修正する反面、インフレ見通しと輸出減を予想し、経済の下振れリスクを示唆したことで1.3075→1.3144まで急伸。議長の証言と質疑応答に1.3062まで急落し、1.3080台で推移。6月27日から続く1.3150近辺の高値をまたしても超えられらず。

EURUSDは、アジア市場の1.1200をボトムにしながらも、欧州委員会(四半期経済予測)は成長とインフレ見通しを下方修正し1.1230を高値に上げ止まる。パウエル議長の議会証言の原稿を受け1.1215→1.1255まで急伸、議会証言と質疑応答を受け1.1260台まで上昇するも、200時間MA1.1268が重要なポイントを抜けきれず。引き続きECBの利下げ期待度は変わらず、大幅な上昇も期待できず。

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23:00    USD 5月 卸売在庫=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.4→0.8%)、卸売売上高=前月比0.1%(予想0.0% 前回-0.4%)

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パウエルFRB議長、下院金融サービス委員会で半期に一度の議会証言【証言原稿では、見通しに対するリスクの説明により多くの時間を割いている】
◎貿易摩擦を巡る不透明感や世界経済の力強さへの懸念が引き続き米国経済の見通しを圧迫
◎インフレ圧力は依然として落ち着いている
◎米国経済の先行きを巡る視界は不良で、「見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている」
◎企業の設備投資の伸びは、恐らく貿易を巡る懸念から「著しく鈍化」「海外の一部主要国では経済の勢いが鈍化したようだ。その弱さが米国経済に影響を及ぼす可能性がある」
◎「貿易を巡る動向、連邦債務上限、英国のEU離脱など、多数の政策問題が未解決だ」
◎「インフレ低迷が足元の予想より長引くリスクがある」、企業投資の伸び鈍化や世界的な景気減速、住宅投資や工業生産が鈍っている→インフレの弱さは一時的である可能性が高いとの2か月前から大きな変化
◎6月の非農業部門雇用者数の伸びでも見解は変えず。→ 質疑応答で

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FOMC議事要旨(6月19日)
◎米経済の見通しを巡る不確実性や下振れリスクが顕著に高まり、利下げの論拠が強まったと金融当局者らが判断
◎「こうした最近の展開が持続し、景気見通しへの重しとなり続けると分かった場合、追加の金融政策緩和が近い将来に正当化されると多くが判断した」
◎「幾人か」はリスク管理の点から見て、近い将来の利下げが正当化されると指摘。利下げにより「将来起こり得る景気へのショックを和らげるのを助ける可能性がある」ためだと説明
◎「多くの当局者はインフレ期待が2%の目標と矛盾していると判断」

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カナダ中銀金融政策
◎政策金利1.75%の据え置きを決定、予想通り

カナダ中銀声明
◎貿易問題の緊張で国内経済の見通しは不透明
◎米中貿易問題が製造業と設備投資を圧迫
◎貿易問題の緊迫化は世界経済と国内経済への下振れリスク
◎第2四半期のGDP見通しは前回1.3→2.3%へ、2019年は1.2→1.3%へと上方修正、
◎インフレは2%目標付近での推移、今年の全体インフレはガソリン価格の低下や他の一時的要因で低下の可能性
◎「中国のキャノーラ油と肉製品の輸出制限が、第2と第3四半期のカナダの輸出を0.2%押し下げる」
◎「インフレは第3四半期に1.6%まで下がる」

ウィルキンスBOC副総裁
◎輸出が引き続き最大の不確定要素だ
◎貿易戦争が2021年までにカナダのGDPを2%程度削減させる

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トランプ大統領
◎イランがウラン濃縮度を引き上げたことを非難し、同国に対する制裁措置を間もなく大幅に強化する

国際原子力機関(IAEA)
◎10日の非公開会合で、イランがウラン濃縮度を4.5%に高めていると加盟国に伝えた。

ブラード・セントルイス連銀総裁
◎利下げは経済の急降下と低インフレになったときの保険
◎現時点での50bpの利下げは行き過ぎ、緩やかな利下げが必要

EIA石油在庫統計
◎-949.9万バレル(予想-308.1万バレル 前回-108.5万バレル)

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欧州委員会(四半期経済予測)
◎米国の通商政策を巡る不確実性がユーロ圏経済の主要なリスク
◎ユーロ圏の成長率予想、2018年1.9→2019年1.2%、2020年1.5→1.4%へ下方修正。インフレ率予想、2019年、20年共に1.4(5月時点)→1.3%へ下方修正。
◎ドイツ成長率予想、2019年0.5(5月時点)→0.5%、2020年1.5→1.4%
◎イタリア成長率予想、、2019年0.1(5月時点)→0.1%、2020年0.7%
◎ユーロ圏の景気減速の主な要因は域内最大の国であるドイツと3位のイタリアの低迷。

ジョージ・カンザスシティ連銀総裁
◎インフレ期待が目先に急上昇する気配ないが、しないとは言えず。
◎最近低下しているインフレ期待は、投資家や一般市民が、政府の高齢化に対する財政支出の増加を警戒すれば急変の可能性も。目先、それが起こる気配はないが、絶対ないとは断言できず、こうした期待がどのようにシフトするか、分からない

中国自動車販売
◎6月は前年比-9.6%と12か月連続の減少へ。
◎べ中貿易戦争により昨年の販売台数は1990年以降で初めて前年割れとなった。

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