2019/07/08

2019年7月8日(月)欧州・米国市場序盤の動き

2019年7月8日(月)欧州・米国市場序盤の動き

先週末の米雇用統計の影響に、アジア市場に続き欧州株は軟調で、独DAXも-0.38%近くで推移し、米株も弱くダウは-0.58%近く下げて推移。米債利回りは上下変動しながら2.01%台と前日比で小幅低下。

週末にはイランがウラン濃縮度の引き上げを発表し米国とイランの対立激化に加えEUとの関係悪化も懸念へ。エルドアントルコ大統領は中銀総裁を更迭しTRY売りが強まる。ギリシャ総選挙は与党敗退し4年ぶりに政権交代へ。相変わらずトランプ大統領はFRBに利下げプレッシャーを強める。先週末の米雇用統計を受けて大幅な米利下げ観測は弱まるも、引き続き利下げ期待は変わらず。

欧州市場では、ユーロ圏センティックス投資家センチメントは弱く、独鉱工業生産も前年比は予想外にマイナス幅が拡大と強さは見られず。

為替相場は、先週末の米雇用統計後のドル買いの流れを維持している。朝からの動きだけを見るとリスク選好時に買われやすいAUD+NZD+CADが上昇し、逆にEUR+GBP+JPYが弱い二分化された動きとなっている。全体的には中銀総裁が更迭しされTRY売りが加速し動きを除けば、小幅な変動で10日、11日のパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言と11日のCPIで、米金融政策の変化を見守る動きにも見える。

USDJPYは、アジア市場の108.28をボトムに欧米市場に入り、特に材料は見当たらないが、米雇用統計後の上昇傾向を維持し、前日の高値108.64を上抜けして108.70を試す動きとなっている。

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15:00    GER 5月 経常収支=165億ユーロ(予想125億ユーロ 前回226億ユーロ)、貿易収支=206億ユーロ(予想170億ユーロ 前回179億ユーロ)→ 経常収支、貿易収支共に予想を上回る

17:30    EUR 7月 センティックス投資家センチメント=-5.8(予想0.2 前回-3.3)→ 予想外にマイナス幅が拡大へ

15:00   GER 5月 鉱工業生産=前月比0.3%(予想0.3% 前回-1.9%)、前年比-3.7%(予想-3.2% 前回-1.8%)→ 前年比は予想外にマイナス幅が拡大へ

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クーレECB理事
◎もし必要であれば量的緩和を再開することは可能

モルガン・スタンレー調査リポート
◎「市場は2019年の企業業績に楽観的過ぎる、在庫や労働コスト、貿易をめぐる不確実性による圧力を過小評価。

野村インターナショナルは最新リポート
◎トランプ米政権が2019年内に第4弾の3000億米ドルの中国製品に25%に追加関税を課す。
◎中国の経済指標が3月に一時的に改善したものの、その後は続かず、「景気回復」が幻だった
◎4-6月期の国内総生産(GDP)成長率の減速が一段と鮮明になる可能性がある
◎下半期について、米中の緊張が高まる一方、中国当局の不動産市場に対する政策スタンスや景気刺激の規模などははっきりしない。
◎2019年GDP予想6.0→6.1%、2020年6.0→5.8%

バラッカー・アイルランド首相
◎もし英総選挙となれば、離脱延期への良い言い訳となるだろう

ドイツ下院議長で元財務相のショイブレ氏
◎連立政権から社会民主党(SPD)が離脱しても、キリスト教民主同盟(CDU)は単独での政権運営が可能
→ SPDはメルケル政権支持の決定を下して以降、支持率が戦後最低の水準に落ち込んでおり、2年間の残り任期も連立政権にとどまるか意見が対立している

独キリスト教民主同盟CDUのクランプカレンバウアー党首
◎ECBの低金利政策が預金者に問題を引き起こしており、低金利の期間の短縮を検討する必要がある。
◎通常の貯蓄預金をしている人々は、貯蓄の利益を得られない
◎利回りがこれほど低ければ、資本が欧州から流出する。
→ ドイツの高位の政治家がECBの政策スタンスを批判するのは異例。

日銀さくらレポート
◎全ての地域で「拡大」または「回復」としている。前回(2019年4月時点)と比較すると、全ての地域で総括判断に変更はないとしている。ただし、米中貿易摩擦などを受けて、海外経済の先行き不透明感の高まりやその影響を指摘する声が幾分増えている。

中国外貨準備=前月比3兆1190億元(予想3兆1030億元 前回3兆1010億元)と、2か月連続で増加し資本流入の可能性や保有資産の評価額拡大で2018年4月以来の高い水準を記録した、

国際原子力機関(IAEA)
◎イランがウランの濃縮度が2015年の核合意で定められた上限を超過したとしたことについて、検証中。