2019/07/17

2019年7月17日(水)昨日16日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019717日(水)昨日16日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

強い米小売売上高に米債利回りは上昇し、ドルは全面高でポンドの下落が目立つ。ただし、トランプ大統領の対中貿易で強気発言と米通貨当局者のハト派発言に、米債利回の上昇とドル買いのアクセルも弱まる。

米輸入物価は低下が目立ち、鉱工業生産と設備稼働率は予想通りとなったが、小売売上高は前月比0.4%(予想0.2% 前回0.4%)と予想より強かったことを材料視し米債利回りの上昇+ドル買いが強まる。

トランプ大統領は「必要なら新たに3250億ドル相当の中国製品に関税を課す可能性」をあらためて指摘、カプラン・ダラス連銀総裁は「限定的な利下げの正当性を主張」、エバンス・シカゴ連銀総裁は「年内数回の利下げを見込む」。パウエルFRB議長は「米成長の下方リスクを注視」とのハト派意見も。加え潜在的には中国経済の伸び悩みも意識。

GBPUSDは、英保守党党首選を来週に控え、ジョンソン、ハント両首相候補から合意なきEU離脱の可能性を意識する発言に加え、市場ではリセッションリスクの指摘も目立つ。ジョンソン氏は「1031日の合意なきEU離脱を議会が阻止することを回避するため、議会を最大2週間休会させる可能性がある」と発言。さらに、インフレ進行と景気低迷にGBPUSDは一時1.2396まで下落し、このままでは1.2400近辺と終値ベースでは年初来安値を更新し続落へ。

USDJPYは、欧州市場までは積極的な動きは見られず、107.9000のレンジから、米国市場に入り強い米小売売上高に米債利回りが上昇、直後は、上値のポイントを抜け108.38まで一時上昇。トランプ大統領発言、ハト派の連銀総裁らの発言に米債利回りも伸び悩み、円売りも弱まるも、確り108.10台を維持。

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21:30     USD 6月 輸入物価指数=前月比-0.9%(予想-0.% 前回-0.3%)、前年比-2.0%(予想-2.3% 前回-1.5→1.1% 前月比は予想外に弱い、前年比は予想よりマイナス幅は縮小するも前月からは大幅なマイナスへ。

21:30     USD 6月 小売売上高=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.5→0.4%)、除く自動車・前月比0.4%(予想0.1% 前回0.5→0.4% 予想を上回り直後はドル買いが強まる

22:15     USD 6月 鉱工業生産=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.4%)、設備稼働率=78.1%(予想78.1% 前回78.1%

23:00     USD 7月 NAHB住宅市場指数=65(予想64 前回64

23:00     USD 5月 企業在庫=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.5%

5:00       USD 5月 対米証券投資: NET TIC Flow329億ドル(予想131 前回-78→90億ドル)、Net Long-term flows35億ドル(予想32.3 前回469億ドル)

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トランプ大統領
◎自分が望めば中国からの輸入品に追加関税を課すことができる
◎中国との通商合意に向けた道のりはなお長い、必要なら新たに3250億ドル相当の中国製品に関税を課す可能性がある。

パウエルFRB議長(米成長の下方リスクを注視)
◎景気拡大を支えるために適切に行動する
◎貿易摩擦や2%を下回って推移するインフレなどを巡る懸念が、多少ながら一段の刺激策への根拠を強めていると多くのFRB当局者が会合で示す。
◎米経済見通しやインフレへの影響を見極め、景気拡大継続に向け、適切に行動する。
◎米経済が引き続き堅調に推移し、労働市場の力強さを持続させ、消費支出の回復を支援すると予想。
◎貿易摩擦や低水準のインフレ、世界経済成長の減速や米連邦政府債務上限を巡る協議、無秩序な英国のEU離脱などが不透明要因。

6月の公定歩合議事録
◎ブラード・セントルイス連銀総裁が利下げを主張。

カプラン・ダラス連銀総裁
◎米債利回りの急低下は、小幅かつ抑制的で、限定的な利下げを正当化している可能性がある。

エバンス・シカゴ連銀総裁
2019年は数回の利下げを見込む
◎FRBは過剰な緩和を行うべきではない
◎インフレが2%目標より上に行く可能性が重要

英政府統計局(ONS
◎賞与を除く平均基本給は前年同期比3.6%(予想+3.5%)。就業者数は2.8万人増加し、失業率は3.8%と44年ぶり低水準。
◎消費者物価の上昇率は35月で平均2%と、賃金はインフレを十分に上回るペースで増加したことが示された

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トランプ大統領(15日)
◎米政府は通商問題で中国に一段の圧力を加える可能性がある
◎景気減速に中国は米国との通商合意を望んでおり、最初の合意を頓挫させなければ良かったと思っている

耿爽中国外務省の報道官
◎トランプ大統領の発言は誤解を招くもので否定。

ナバロ通商製造政策局長(15日)
◎国産の鉄・スチール製品の原材料などの国内調達基準を引き上げる大統領令に署名する計画を発表。

次期英首相候補のジョンソン氏
◎首相に就任した場合、1031日の離脱で合意なきEU離脱を議会が阻止することを回避するため、女王演説前の1~2週間休会となり、10月に議会を最大2週間休会させる可能性がある。

ビルロワドガロー仏中銀総裁
◎市場の示唆を考慮には入れるが、市場に依存することがあってはならない
◎次回の政策委員会会合で、メンバーは実体経済のデータを評価し、必要かどうか、また必要な時期はいつかという判断に従って行動する

ジョンソン、ハント両首相候補
◎アイルランド国境問題でEUが大幅に譲歩しても不十分。
◎ジョンソン氏は離脱でバックストップは受いられなず。

英野党・労働党で「影の財務相」のマクドネル議員(サンデー・タイムズ紙)
◎総選挙で労働党が勝利すれば、GBPが上昇すると予想、資本流出の引き金になることはない。

豪中銀議事録(追加利下げの可能性を示唆するも、AUD売りは見られず)
◎政策金利0.25%引き上げ1.0%に決定した。
◎引き続き労働市場の状況を注視し、経済の持続可能な成長とインフレ目標の達成を支援するため、「必要であれば再び利下げを行う用意がある」

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