2019/07/02

2019年7月2日(火)昨日1日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年7月2日(火)昨日1日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

米中首脳会談後の市場は激動

米中首脳会談の、「米中通商協議の再開、新たな追加関税の停止、ファーウェイへの禁輸措置の緩和、中国は米農産物の輸入拡大」を受けた市場の反応は、合意の達成に対中強硬派から疑問の声もあるが、結果はドル全面高! 

日銀短観は弱く、中国PMI、独・ユーロ圏PMI、英PMIは弱く、米ISM(製造業)は予想を上回るも前月から低下し2年半ぶりの低水準で、米建設支出は予想を大幅に下回る。

クノット・オランダ、レーン・フィンランド、デコス・スペインの各中銀総裁はECBの利下げの可能性を示唆しEUR売りの材料となり、バーキン・リッチモンド連銀総裁もFRBの利下げの可能性を示唆。

結果、世界的な株高(米株は伸び悩むが、S&P一時最高値更新)、欧州債券利回りは過去最低を更新し低下、逆に米債利回りは上下変動して上昇し、金利差は拡大しドルに対してプラス要因に。

USDJPYは、弱い日銀短観にも消費税の引き上げの実施予想は変わらず、日本対韓輸出規制に一抹の不安を感じる。米中首脳会談を受けたリスク回避の流れに、週明けはギャップをあけて円売りからスタート。一日を通じて大枠108.10~55のレンジで両サイド抜け出せず。ただし、他の主要通貨はドル高傾向が強まり、結果として円はクロスでは円高で推移(除くCADJPY)。参議院選後の日米通商協議で円高方向のリスクは残るも、テクニカルで円売り圧力が強く、108.50、108.80の壁を上抜けできるか? 

AUDUSDは、米中通商協議の再開、新たな追加関税の停止にAUD高へと動くと考えたが、結果は、週明けはギャップを開けAUD高からスタートするも、変わらぬ豪中銀の利下げ期待の影響なのか? 弱い中国経済指標への不信感なのか? テクニカルでは200時間MA近辺の0.6950台まで下落、DailyでもAUD売りへと変化。0.6950をボトムに維持することができるか?


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22:45    USD 6月 製造業PMI・改定値=50.6(予想50.1 前回50.1→50.5)

23:00    USD 6月 ISM製造業景況指数=51.7 (予想51.0 前回52.1)→ 予想を上回るも前回から低下し、2年半ぶりの低水準

23:00    USD 5月 建設支出=前月比-0.8%(予想0.0% 前回0.0→0.4%)→ 予想を下回り民間部門は2年4か月ぶりの低水準

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クドローNEC委員長
◎事実上の禁輸リストとされる商務省の「エンティティー・リスト(EL)」にファーウェイを残し続ける。
◎幅広く入手できる汎用品の取引に限り、米商務省が個別に判断して輸出許可を出す→ ファーウェイ制裁緩和を受け米国で対中強硬論根強い。

バーキン・リッチモンド連銀総裁
◎経済成長の鈍化は、利下げの可能性を高める
◎足元の最大の懸念は貿易のほか、財政政策や英国のEU離脱といった政治情勢
◎次回FOMCで利下げに踏み切らせるかを語るのは時期尚早。
◎経済情勢の判断では、感情がデータのはるか前面に出てしまったと思う
◎FRB当局者の大半は、今年の米経済成長率が2%前後に下がると予想している
◎成長率がさらに鈍化した場合は「政策金利をどうするかという議論をしなければならないと思う
◎個人消費が力強さを保ち、企業の設備投資が横ばいで推移するようであれば「神経質になる必要はない。そうなる可能性も十分ある

クラリダFRB副議長
◎成長維持のため、適切に行動する

JPモルガンのAIモデル予測
◎今後1カ月で見れば、米S&Pと米10年債利回りはいずれも低下する見通しだと、AIを活用したJPモルガン・チェースのモデルがはじき出した。
◎6カ月の期間では、シグナルは強気だ。短期的な株式の調整は年末までに反転することを示唆している。
◎1カ月先、3カ月先、6カ月先のそれぞれの予測で過去の実際の値動きと照らし合わせた結果、的中率は75-89%だった。

クノット・オランダ中銀総裁
◎域内経済がリセッション入りしているわけではないとする一方、第2、第3四半期の見通しは第1四半期よりも悪化しており、ECBとして悪化シナリオが表面化すれば断固として行動する。
◎インフレ率が低過ぎることは疑う余地がない、悪化シナリオが表面化すればECBは行動する覚悟がある。
◎利下げを行う場合、マイナス金利が銀行に及ぼす副作用を軽減するかどうかも検討する。
◎物価目標の達成については「とりわけ物価が長期間目標から外れている場合、ECBを含め中銀は物価に関する絶対的なコミットメントに疑問を抱かせないよう、明確なシグナルを送る必要がある。

→ タカ派のクノット氏の発言だけに、9月利下げ確立が高まり、EUR売り、欧州債券利回りは過去最低を更新し低下。(フランス10年債利回りはゼロ%を割り込み-0.054%。ドイツ10年債利回りは-0.36%と過去最低を更新、中銀預金金利の-0.4%に迫る。ドイツ国債の長短金利差は38bp近辺と2015年以降で最小。オランダ、ベルギー、オーストリア、ポルトガルの10年債利回りも軒並み過去最低を更新)。

レーン・フィンランド中銀総裁
◎ECBには必要に応じて追加緩和を行う余地があるほか、物価目標の達成に向け「絶対的な確約」を示すことが重要。
◎ECBの政策パッケージはこれまで効果的であり、責務達成に必要であれば追加緩和を行うことは可能。
◎さらに利下げを行う場合、マイナス金利が銀行に及ぼす副作用を軽減するかどうかも検討。
◎ECBは他の中銀と同様に、人口の高齢化や長期金利の低下、気候変動といった長期的なトレンドが主要な政策課題となっている新しい環境の中で運営している

デコス・スペイン中銀総裁
◎明らかに困難な状況に直面している
◎インフレは目標水準から遥かに遠い、2021年のインフレ予測1.6%は目標からかけ離れている。

イタリア政府
◎2019年の財政赤字の対GDP比率目標を、財政政策を巡るEUの是正措置を回避する狙いに、2.4→2.04%に下方修正。

EU報道官
◎EUサミットは2日日本時間午後6時からに延長

中国人民銀行総裁
◎中国の成長率ペースは、規模の拡大ゆえに緩やかになろう、現在の中国成長率は6%前後、インフレ圧力もデフレ圧力もみられない。
◎余剰生産設備問題は解決した

OPEC
◎加盟国は9か月間の減産延長を承認

イランのザリフ外相
◎イラン過去合意の制限を破る低濃縮ウラン貯蔵上限を超過

BIS(銀行、レバレッジドローン市場の混乱にさらされる可能性)
◎銀行は1.3兆ドル規模のレバレッジドローン(相対的に信用力の低い借り手向けの融資)市場において、主に最も安全な部分を保有しているものの、同市場の混乱にさらされる可能性はあると、BISが指摘。
◎銀行がレバレッジドローンの借り手への与信枠を拡大しているか、ローン担保証券(CLO)の手数料に依存しているか、あるいは前回の危機以降に資本準備金を再構築できなかった場合は影響を受けやすい。
◎CLOは最上位の最優先部分(シニアトランシュ)が前回危機を無傷で切り抜けて以降、人気が急増したため、当局が監視を強めている。BISによると、銀行が直接保有するCLOトランシュのうち、約30%を日本の銀行が占める。一方、ドイツ銀行などは余剰現金でのリターン拡大を目指し最も安全なトランシュを購入。
◎少数の銀行にエクスポージャーが集中していることから、一部に脆弱性が生じる可能性がある。

日本対韓輸出規制 4日発動
◎韓国への輸出規制を厳しくするため、半導体材料の審査を厳密にし、安全保障上の友好国の指定も取り消すと発表。韓国政府は対抗措置の検討を表明し、半導体大手SKハイニックスは工場の操業継続への懸念に言及した。半導体メモリー市場で5~7割のシェアを持つ韓国からの出荷が滞れば、世界に影響が広がる可能性も。

中国外務省の耿爽副報道局長
◎米中は平等と相互尊重の基礎の上に貿易協議を再開することで合意した。


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