2019/07/03

2019年7月3日(水)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年7月3日(水)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

米中通商協議再開にも、ナバロ米通商製造政策局長いわく「妥当な合意に達するには時間を要する」、ファーウェイとの取引で一部解禁の容認規模は「10億ドル」に過ぎず。一方、ファーウェイCEOは「米企業との取引を禁じられても、事業を継続できる、大きな影響はない」とある。

ダウは何とか上昇するも、Nasdaq+S&P500は低下。米債利回りは低下し10年債利回りはついに1.97%台に低下し、米金利の低下にUSDJPYは107.70台へと円買いの流れが強まり、クロスでも円は全面高。107.50~60が重要なポイント。

EURUSDは、欧州市場でECB当局者から「7月会合は追加金融緩和に踏み切る用意はなく、景気に関するさらなるデータを待つ考え」との報道に、1.1300の大台を超え一時1.1310台まで急伸するも続かず、終盤にかけて1.1280台へ低下し、結局は前日終値とほぼ変わらず。

GBPUSDは、前日の製造業PMIの低迷に続き、英建設業PMIは10年ぶりの低水準と経済の弱さが目立つ。欧米市場に入いり、カーニーBOE総裁から「近いうちに政策対応が必要となる可能性がある」とハト派発言に1.2630台→1.2580台へ急落。戻りも1.2610台が限度で再下落へ。ジョンソン・ハント両次期首相候補は、合意した上で離脱する目標を追求するも、合意がないままEUを離脱することも辞さずと、ブレグジットリスクの影から抜け出せず弱さは変わらず。

AUDUSDは、アジア市場でHIA新築住宅件数が予想外に強く出ていた。豪中銀は予想通り利下げを実施、2か月連続の利下げへを実施。声明やロウ中銀総裁から追加利下げの可能性が示され、一時0.6960台まで下落するも「中銀がすぐに一段の利下げに踏み切るのではなく、失業率と不完全就業率の低下が進まない場合にのみ追加利下げすることを示唆」との思惑が広まり、AUD売りは続かず。米国市場の序盤では0.7000と大台まで達成するも、徐々に上値は重くなり0.6980台まで値を下げたが強さを維持。0.7000の大台を維持できるかを注目。

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ナバロ通商製造政策局長
◎米中通商協議は正しい方向に向かっているが、妥当な合意に達するには時間を要する
◎大統領が述べた通り、協議は複雑で、時間がかかる。われわれは適切な合意を求めている
◎ファーウェイを巡る措置について、5G移動通信網構築から排除する方針に変更はない。容認するファーウェイへのチップ販売の規模は年間10億ドル弱の規模に過ぎないとし、国家安全保障への影響はないと擁護。

米通商代表部(USTR)
◎4月の210億ドルの品目を公表したのに続き、EUによるエアバスへの補助金を巡り報復関税を課す可能性のある40億ドル相当の追加品目リストを公表した。

カーニーBOE総裁(BOEの年末までの利下げ確率が41→57%まで強まり、ポンド売りが強まる、)
◎世界的な貿易摩擦や英国の合意なきEU離脱のリスクに、近いうちに政策対応が必要となる可能性がある。
◎一部では、景気拡大の維持に向けた保険のための短期的な政策対応が正当化される可能性がある
◎均衡利子率が中央銀行の想定よりも低い水準にある可能性を示している。
◎景気支援に向け政府支出の拡大や減税などが必要になる場合もある

カーニーBOE総裁
◎英国では労働市場が引き締まっていること、インフレ率が目標を達成していることに加え、EUとの将来的な関係の明確性が増す兆候が出るなど、比較的力強い初期条件がそろっており、中銀が中期インフレ見通しに注目することの論拠となっている。
◎世界的な貿易戦争のほか、英国の合意なきEU離脱はリスクとして存在しているものの、確実に起こると決まったものではないとの認識を示し、英中銀は金融政策運営に当たり中期インフレ見通しに注目している
◎EU離脱プロセスが円滑に進めば、限定的、かつ段階的な利上げが必要になる

ジョンソン前外相・ハント外相(両次期首相候補)
◎合意した上で離脱する目標を追求すると予想していると表明するも、必要に応じて合意がないままEUを離脱することも辞さない方針

ECB当局者
◎今月の会合で追加金融緩和に踏み切る用意はなく、景気に関するさらなるデータを待つ考え。
◎政策委員会メンバーらは見通しが悪化した場合には25日に行動することが可能だと同意しているものの、現状ではその次の9月会合へと傾いている。
◎7月は追加緩和が近いことを示唆するため、ガイダンスの言い回しを微調整する可能性はある

EU首脳
◎次期ECB総裁にラガルドIMF専務理事を指名、次期欧州委員会委員長に、ドイツのフォンデアライエン国防相を指名。

コンテ・イタリア首相
◎2019年財政赤字は想定より少なく、EUの財政規律を順守できるだろう。
◎新たな財政赤字目標は対GDP比率で示されなかったが、従来予想を76憶ユーロ下回るとしたことで、計算上は対GDP比2.4→2.04%へ低下に相当する。

ギリシャ中銀年次報告
◎2019年経済成長率、1.9%と予想。
◎今年の基礎的財政収支の黒字は、GDP比2.9%になるとし、金融支援の条件として求められている3.5%には届かないとの見通しを示した。

日銀短観調査全容
◎2019年度想定為替レート)は3月調査より多数は円高方向へシフトするも自動車は円安へシフト。
業種        6月調査  3月調査                
電気機械            109.29    109.18           
自動車              109.61    108.46        

豪中銀金融政策
◎政策金利を0.25%引下げ、1.25→1.0%に決定。

豪中銀声明(予想通り利下げを実施、2か月連続の利下げへ)
◎インフレ圧力は依然として経済の大部分で抑制されている。もっともインフレは依然として回復すると予想。
◎今回の金融緩和は雇用の成長を支援し、インフレが中期目標と一致するという確信を高めるだろう。
◎労働市場の動向を注意深く監視し、経済の持続的成長と長期にわたるインフレ目標の達成を支援するために必要であれば金融政策を調整する。

ロウ豪中銀総裁の声明
◎今回の金融緩和は雇用の伸びを支援し、インフレが中期目標に沿った水準になるとの信頼感を高めることになる。
◎労働市場の状況を注視し、「必要ならば」成長支援に向け政策を調整する
 → 中銀がすぐに一段の利下げに踏み切るのではなく、失業率と不完全就業率の低下が進まない場合にのみ追加利下げすることを示唆。

李克強首相
◎外資による金融セクターへの出資比率上限を2020年に撤廃する。
◎預金準備率引き下げへ 中小企業向け融資を促進。

李克強首相
◎米中首脳会談で通商協議の継続を決めたが、摩擦解消には時間がかかる。中国の景況感は悪化、改革姿勢アピールで国際社会の支持を得たい。

ファーウェイの任正非・最高経営責任者(CEO)
◎トランプ米大統領が同社に対する事実上の輸出禁止措置を緩和する方針を打ち出したことについて「大きな影響はない」
◎米企業との取引を禁じられても、事業を継続できる

サウジ米債購入額が急増(Bloomberg)
◎2016年の大半の期間に米国債保有を減らしたサウジだが、同年11月の米大統領選でトランプ氏が当選して以降、減少分をはるかに上回る規模の米国債購入に動いた。最新の統計によると、サウジの米国債保有は1770億ドル(約19兆2000億円)と、ほぼ倍増。これよりも急ピッチで米国債を積み上げた主要債権国はない。

イランが低濃縮ウランの貯蔵量が核合意規定を超える
◎欧州各国は制裁再開の手続きを求めず。