2019/07/28

今週の為替相場を考える (7月29~8月2日)

今週の為替相場を考える (7月29~8月2日)

ようやく30日~31日に再開される米中ハイレベル通商協議は、中国側から米農産物の輸入拡大など改善策は見られるも、トランプ氏の要求を満たすことができるのでしょうか? クドローNEC委員長は「重要な合意が得られるとは予想していない」との発言がありましたが、いずれにしても米中通商協議の再開はドルにとってポジティブ材料。また、最近のドル高傾向に対してトランプ政権は「ドル安誘導せず」とあり、為替介入の排除を明言していることもあり、ドル高傾向に対しての安心感が強まっていることも確かです。

一方、何が飛び出すか予測不可能なトランプ節のリスクと、FOMCと米雇用統計を受け米債利回りが変化し、為替と株が変化することになりそうです。

ただし、どちらも結果を事前に知ることはできず予想するだけなのですが、米10年債利回りが大枠2.0~2.1%のレンジで方向性がなく上下しているのに反して、米株は上昇を続けS&P500とNasdaqは最高値を更新し他国との違いが感じられます。

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【今週の為替相場は、FOMCと米雇用統計の結果で上下いずれの方向にでも変動することを前提として考えて下さい。】

USDJPYは107~109のレンジの上限で上げ止まるのか、それとも、直接的な影響は別として日米通商交渉の再開もあり円高支持者は根強い中で、上限をブレークし109~111円のレンジにかさ上げされるのでしょうか? 

EURUSDは1.12000の下限を割り込みながらも、1.1100~1.1400のレンジをキープしています。ユーロ圏主要国の成長鈍化、特にドイツの経済指標の低迷が目立っており、25日のECB理事会の声明で「利下げとQEを示唆」したことや、とドラギ総裁発言で「大規模な追加金融緩和の舞台を整えたとあり、ユーロ圏の景気減速は深刻との認識に、9月の利下げは必至と思われ、トランプ政権の「ドル安誘導せず」にどこまで信じていいかは別として、ユーロ安阻止に向けたドル売り介入はなさそうです。

GBPUSDは、BOE金融政策委員会は現在の緩和策を継続することは間違いなく、年初の薄商いで急落した1.2370台を7か月費やして再トライ中となっています。10月31日に合意なきEU離脱のリスクを考えればGBPを買う材料は見当たりませんが、IMMシカゴのポジションの積み上がりを見てもわかるように、ポジション的にはGBPショートが積みあがっていることは間違いなさそうで、調整局面を経ながらも売り方向に大きな変化はなさそうです。もちろん、EUと英国がなんらかの合意の下で離脱することにでもなればGBPは急騰することも間違いないことです。

AUDUSDは予想外に弱い経済指標が続き、ロウ豪中銀総裁の「必要ならば追加緩和策を講じる用意がある」との発言など、さらなる利下げを市場は織り込みながら、200日MA近くの0.7075を高値に7月10日の安値に並ぶ0.69000まで下落しています。この0.6900~0.6980、0.6900~0.7080のレンジ内で推移するのか、0.6900を割り込み6月18日の安値0.6830台まで続落するのか、米国のFOMCと雇用統計の影響を強く受けることは間違いありませんが、中国発のPMIや豪第2四半期CPIも大きなきっかけとなりそうです。

USDCADはIMMシカゴのポジションからもわかる通り、CADは主要通貨の円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドルの中で唯一買い越しとなっており、根強い支持者がいます。ただ、7月に入ってからのUSDCADは1.3000をボトムにし7月19日から6日間連続で上昇し、先週末には一時1.3200直前まで上昇するなど底堅く推移していることを考えれば、今週は新たなレンジにスライドするのか、上限となり再下落するのかいずれかを期待したくなります。

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