2019/07/13

今週の為替相場を考える(7月15~19日)

今週の為替相場を考える(7月15~19日)

米債利回りと連動性が高い為替相場。これは持論でもあり事実と思いますが、長い間では逆連動性を示すこともありますが、今は素直にこの流れを注目しましょう!

今週は残念ながら米国発で金利に大きく影響を与える指標や発表は少なく、7月31日のFOMCの思惑(0.25%の利下げの有無と追加緩和の期待度)に加え、テクニカル分析の結果により上下変動するだけに思われてなりません。そのFRBのメンバーの発言からハト派とタカ派が混在していますが、パウエル議長はハト派であることは間違いなく、0.25%の利下げをほぼ完全に織り込んだ相場となっています。

逆に、NZ、英国、ユーロ圏、カナダ、日本でCPIが発表となり、英国と豪州は雇用統計が、中国ではGDPが発表となり、それぞれのクロスで相場の変動を狙うことに分がありそうです。もちろん各国中銀もハト派であることは間違いありません。

また、今週に米高官が北京に出向き話し合いが予定されている米中通商協議は、ロングランになりそうで相場への影響はひとまず忘れることにします。

それと、国内要因では参議院選挙の予想外の結果のリスク、消費増税のリスクですが、事前評価と結果を見てから考えることにします。また、参議院選後に強まると思われる日米通商協議へのプレッシャーは賛否両論があるにしても、円高要因として横たわっていることも忘れることはできません。

IMMシカゴのポジションでは、通貨のショートが減少傾向にあり、カナダドルはショートからロングへと変化し、円もニュートラル近くへと円ショートポジションが減少、豪ドルは大きな変化は見られず、ブレグジットリスクが強くポンドのショートが拡大していることが特徴で、市場のセンチメントを表しているように思われます。

オプションのリスクリバーサルでは、USDJPY、EURUSD共に1週間が4%台に低下し、過去2年近くのデータでも4%前後まで低下すると大きく変化することが多々見られ、今週か31日のFOMCを含めそれまでに現在の水準を抜け出すことを期待したくなります。

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USDJPY (予想レンジ107.50~109.00)
米金利次第! 短期と中期は円高方向、長期は混迷ではっきりせず。今週は上値を失敗した後の下値攻めと31日のハト派FOMCを期待した円高傾向が予想されるも、過去の教訓から107~109円のレンジを抜け出せず。積極的な円ロングも維持できず、結局はレンジ相場の継続となる可能性を意識。


EURUSD (予想レンジ1.1180~1.1320)
ECBの緩和的政策は変わらず。ECBの年内利下げ期待は強く、ECBとFRB共に同じ方向で、経済指標だけを見るとUSDに分がありそう! テクニカルには短期は1.1280台の上値は重いが、1.1200を割り込み続落も期待できず。中期の買い、長期の売りと迷いの通貨。


AUDUSD (予想レンジ0.6950~0.7100)
豪中銀は6月4日、7月2日と過去2回連続し利下げを実施、8月6日は据え置きが予想されるも、今週の中国GDP、豪中銀の議事要旨、雇用統計の結果で方向性を確認したい。
短期的には上値を試す動きを期待し、長期の売りは継続。


USDCAD (予想レンジ 下値リスク←1.3000~1.3100) 
7月10日のカナダ中銀の声明では、貿易問題で国内経済の見通しは不透明とあるが、第2四半期GDP予測1.3→2.3%に上方修正。インフレは第3四半期に1.6%まで低下と、強弱混在で的を絞り切れず。ただ相場感ではCAD買いに分がありそうに思えてならない。1.3000の大台は大きな壁となりCADの上昇を妨げているが逆に1.3100~50の上値は重そう。