2019/07/06

2019年7月6日(土)昨日5日、海外市場の動き

2019年7月6日(土)昨日5日、海外市場の動き

米雇用統計の非農業部門雇用者数は予想外に上昇(ただし、過去2か月は下方修正され3か月平均値は4月の水準より低い)、逆に平均時給は伸びず。結果は大幅な利下げ観測はひとまず後退。

米債利回りは急伸、米株は下落、米独立記念日の休日と週末の狭間の取引だけに過敏に反応したリスクも消えないが、米債利回りの上昇がリードしてドルは全面高。

来週のパウエル議長が「半期に一度の議会証言」に提出する重要な報告書では、「関税引き上げに過去数か月間で経済が弱まった」、「景気拡大維持に利下げを含め適切に行動する」とあるが、「物価上昇率の低迷は一時的」ともある。トランプ大統領がまたしてもパウエル氏に利下げを強く求める中で、来週の議会証言では波紋も!

原油価格は米雇用統計直後の56.29ドルをボトムに、ホルムズ海峡の緊張拡大もあり57.82ドルまで一時上昇。ダウは一時26,741.44ドルまで下落後に下げ幅を縮め26,922.12前日比-43.88(-0.16%)と小幅安で終了。一方、米債利回りは急伸し、10年債は1.939%台から2.066%台まで急上昇し2.03%台で推移し、2年債も1.859%近くと大幅上昇。

為替相場は、米雇用統計前から強い数字を意識していたのか? ドル買いへと動き始め更に強い結果を受けドルは全面高。通貨ペア別にみても大きな相違は見られず。USDJPY+0.60、EURUSD-0.53%、GBPUSD-0.41%、AUDUSD-0.62%、USDCAD-0.25%。

USDCADは、アジア市場の1.3044をボトムに大枠1.3050~70の狭いレンジで推移し1.3050台で米雇用統計を迎えた。発表後は1.3137まで上昇するも、1.3070台まで下落。米雇用統計と同時刻に発表となったカナダの雇用統計は、失業率は上昇、新規雇用者数は予想を下回るも、フルタイム雇用者は増加。IveyPMIも予想外に弱いが、逆に、原油価格が急伸する中で、USDCADは前日比-0.25%とドルに対しての下落率は低い。

USDJPYは、一日を通じて安値→高値まで0.90ポイントの上昇と久々の円安方向での変動となった。アジア市場の107.70台をボトムに、強い米雇用統計を意識していたかのように、過去2日間の高値107.80台を上抜け欧州・米国市場の序盤では株安の中で108円台まで上昇。強い米雇用統計を受け5月31日にから上限となっていた108.60~80の水準を試す動きに108.60台まで上昇。結局のところこの直近の高値更新はできなかったが、108.40~50をボトムに底堅い動きとなっている。米10年債利回りが2.0%割れでボトムアウトしたと考えれば円売りへとの転換とも考えられるが、どうもそのように思えず!

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21:30    CAD 6月 失業率=5.5%(予想5.5% 前回5.4%)、新規雇用者数=-0.22万人(予想1万人 前回2.77万人)、フルタイム雇用者=2.41万人(予想1万人 前回2.77万人)、パートタイム雇用者数=-2.62万人(予想 前回0.00→3.36万人)、労働参加率=65.7%(予想 前回65.7%)→ 失業率は上昇、新規雇用者数は予想を下回るも、フルタイム雇用者は増加

21:30    USD 6月 失業率=3.7%(予想3.6% 前回3.6%)、非農業部門雇用者数=22.4万人(予想16.0万人 5月7.5→7.2万人、4月22.4→21.6万人)、週平均労働時間=34.4(予想34.4 前回34.4)、平均時給=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.2→0.3%)、平均時給=前年比3.1%(予想3.2% 前回3.1%)、時間当賃金=予想 前回27.83ドル、労働参加率=62.9%(予想 前回62.8%)、製造業雇用者数=+1.7万人(予想0、前回0.3万人)、民間部門雇用者数=19.1万人(予想15.3万人 前回9.0 →8.3万人)→ 失業率は上昇、非農業部門雇用者数は予想を上回るも、5月と4月は下方修正、平均時給の前月比は上方修正された前月より弱いが修正前と変わらず、前年比は予想を下回るも前回と変わらず。

23:00    CAD 6月 Ivey購買部協会指数=52.4(予想55.0 前回55.9)→ 予想と前回を下回る


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FRBの半期ごとに議会に提出する金融政策報告書(これを7月10日と11日に半期に一度の議会証言を行う)
◎脆弱な企業投資に加え、関税による貿易リスクも高まる一方で、家計消費はしっかりしており、全体として「経済活動は2019年初めの段階で底堅く拡大した」と判断。
◎前半の米経済は引き続き「底堅いペース」で推移する一方、関税引き上げが世界貿易や企業投資を圧迫し、最近の数カ月間で経済が弱まったもよう。
◎景気拡大の維持に向け利下げを含め「適切に行動する。
◎労働市場は年初以降引き続き強まった
◎最近の物価上昇率の低迷は一時的な影響による。
◎米国およびその相手国の関税や通商政策を巡る不確実性が主に昨年の製造業失速を招いたもよう。

トランプ大統領
◎金融当局は自分たちが何をやっているのか分かっていないと批判
◎利下げすれば成長は「ロケットのような」速さになるだろう
◎一段の景気押上げにFRBに利下げをまたしても要求。


次期FRB理事に指名されたシェルトン氏
◎景気を鈍化させる状況を招かぬよう注意を払う必要がある
◎米世帯の半分以上が金融市場で投資信託や年金基金に投資しており、金融市場への支援を打ち切ることは望ましくない。

カーニーBOE総裁
◎合意なきEU離脱は英経済に大きなリスク
◎移行期間を設けることが望ましい


GPIF
◎2018年度の運用利益は+2兆3795億円、3月末の資産額は159兆2154億円に増えた。

中国外務省報道官
◎中国は責任ある大国として通貨切り下げ競争には加わらない

ムーディーズ(4日)
中国の格付け「A1」を据え置いた。見通しは「安定的」。経済全体のレバレッジの高まりを抑制し、公的セクター支援や金融の安定維持のためのリソースを動員する財政・政策手段があると指摘。

国際原子力機関(IAEA)
◎イラン核合意違反を受け、米国が要請し10日(日本時間午後9時半)に緊急会合

イラン革命防衛隊の幹部
◎英国がイランの石油タンカーを解放しなければ、英国のタンカーを拿捕するのが当局の義務だ

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