2019/07/18

2019年7月18日(木)昨日17日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年7月18日(木)昨日17日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

米株は軟調に推移、米債利回りも軟化、為替相場はドルが小幅下落。前日比率ではNZDUSDの上昇率が目立ち、GBPUSDも何とか下げ止まり小幅反発。

余談ながら、気になるブルームバーグ記事があった。レバレッジドローンの価格急落しクレジット市場の重大リスクが鮮明。ローバー・テクノロジーズのローンは約48時間で3分の1の価値を失ったとある。サブプライムローンに二の舞にならないことを願いたい。

為替相場に関する発言や動きとしては、IMFは年次報告でドルは短期のファンダメンタルズから6~12%過大評価。ユーロ、円、人民元はファンダメンタルズに沿った水準とあった。また、モルガン・スタンレーは無秩序なブレグジットでGBPUSD=1.0~1.1まで下落するリスクを指摘。

先日の強い米コアCPI後から大幅な米利下げ期待度は低下するも、今日の米住宅着工は予想外に弱く-0.9%と2か月連続の低下、着工件数も-6.1%と約2年ぶりの弱さ。CME FedWatch Toolでは、7月の0.25%利下げ確立67.2%(前日72.9%)、0.5%利下げ確立32.8%(前日27.1%)と強弱は微妙に変化。

米中通商協議はG20サミットで再開期待が強まっていたが、トランプ大統領は追加制裁も辞さずと強気姿勢変わらず、先行き不透明感が強まる。環球時報編集長は「中国側は米中貿易合意に関して3つの原則を強く主張」とあった。

USDJPYは、前日の強い米小売売上高を受けて上昇した米債利回りと円売りの流れは、108.30台を高値に伸びなやみ、弱い米住宅着工・許可件数に米債利回りは2.05%台まで反落、USDJPYも108.01と108.00の大台まで低下。引き続き米金利と連動性は高く月末のFOMCが急変の引き金になりそう。

GBPUSDは、保守党党首の候補者2名はともにブレグジットの再延長を否定、合意なきEU離脱も辞さない姿勢を崩さず。一方、英国のバークレイEU離脱担当相は「変更のない離脱協定案が英議会で承認されるとは思えず」とあり、このことが最近のGBP売りの主材料で続落となっていた。ただし、昨日は1.2383をボトムに米国市場に入り1.2420を超え上昇、前日の戻り高値1.2438~40を超えるとポジションの巻き戻しと思われる買いに1.2456まで上昇しようやく上げ止まり、1.2430近辺で推移。

EURUSDは、トランプ大統領がEUR安をけん制する中、ユーロ、円、人民元はファンダメンタルズに沿った水準とあり、直近のEUR安を考えればやや不自然。一方、ドイツは実質有効為替レートが8~18%過小評価とありそうも理解できにくい。欧州市場序盤の1.1198と約1.1200を引き続きボトムに下げ止まり、米国市場は1.1234まで上昇と、1.1200はの壁を意識した動きが続きそう。

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21:30    USD 6月 輸入物価指数=前月比-0.9%(予想-0.6% 前回-0.3%)、前年比-2.0%(予想-2.3% 前回-1.5→1.1%)→ 前月比は予想外に弱い、前年比は予想よりマイナス幅は縮小するも前月からは大幅なマイナスへ。

21:30    USD 6月 小売売上高=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.5→0.4%)、除く自動車・前月比0.4%(予想0.1% 前回0.5→0.4%)→ 予想を上回り直後はドル買いが強まる

22:15    USD 6月 鉱工業生産=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.4%)、設備稼働率=78.1%(予想78.1% 前回78.1%)
23:00    USD 7月 NAHB住宅市場指数=65(予想64 前回64)

23:00    USD 5月 企業在庫=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.5%)

5:00    USD 5月 対米証券投資: NET TIC Flow=329億ドル(予想131 前回-78→-90億ドル)、Net Long-term flows=35億ドル(予想32.3 前回469億ドル)

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レバレッジドローンの価格急落しクレジット市場の重大リスクが鮮明に(ブルームバーグ)
◎クローバー・テクノロジーズのローン、約48時間で3分の1の価値失う
◎利回り追求が借り入れ増大と緩い引き受け基準をもたらす。
⇒ クローバーのローンの規模はウォール街の基準では特に大きくはないが、その急激で大幅な値下がりはあらためて市場に警鐘を鳴らした

モルガン・スタンレー予測(GBPUSD=1.0のリスク)
◎保守党党首選候補者はEU離脱で強硬姿勢を示し、無秩序な離脱となれば英国の合意なきEU離脱で、GBPUSDは1.0~1.1まで下落する可能性。

ジョージ・カンザスチティー連銀総裁
◎直近のFOMCで金利据え置きを支持した
◎最近の指標は経済力の強さ継続と、リスクの高まりを示唆。
◎通商・関税の不確実性と世界的な成長鈍化と、下振れリスクを認識すれば見解を修正する準備も。

IMF、対外部門の安定性に関する年次報告書
◎ドルは短期のファンダメンタルズから6~12%過大評価。
◎ユーロ、円、人民元はファンダメンタルズに沿った水準。
◎ユーロは、ユーロ圏全体としては適切に評価されているとする一方、ドイツは実質有効為替レートが8~18%過小評価。
◎経常黒字がユーロ圏、シンガポール、他の先進国に引き続き集中、米国や英国、新興国では経常赤字が継続。
◎貿易摩擦の激化や無秩序な英EU離脱、それに伴うさらなる世界経済への余波やリスク回避が、外需と海外からの資金に大きく依存する他国経済に影響を与える恐れ。

ベージュブック(米景気が緩慢なペースで拡大)
◎米経済が過去数週間、引き続き「緩やか」に拡大し、貿易摩擦による影響にかかわらず全般的な見通しは「おおむね明るい」
◎雇用の伸びは幾分か減速しつつあり、インフレは引き続き安定もしくはわずかに鈍化。

人民日報系の環球時報編集長
◎私の認識に基づくと、中国側は米中貿易合意に関して3つの原則を強く主張。
◎米国が追加関税を全て取りやめるべき。
◎中国による米国製品の購入規模は現実的でなくてはならず、合意の文言はバランスが取れたものであるべき。

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クーレECB専務理事
◎インフレ率が目標に向かうのを支援するために、必要なら行動する用意がある

英国のバークレイEU離脱担当相
◎EUのバルニエ首席交渉官に対し、変更のない離脱協定案が英議会で承認されるとは予想していない。
◎合意なき離脱に至るリスクが「過小評価されている」

ジョンソン陣営(英タイムズ)
◎2020年夏の総選挙実施を計画

BOE高官
◎QEによって買い入れた英国債の売却を開始すれば、BOEのバランスシートは6000億ポンドから2750~3750億ポンドへ減少。

黒田日銀総裁
◎仮に物価安定目標に向けてのモメンタムが損なわれるなら、迅速に追加緩和を検討する