2019/07/30

2019年7月30日(火)アジア・欧州市場序盤の動き

2019年7月30日(火)アジア・欧州市場序盤の動き


FOMCと月末を明日に控えた30日のアジア市場、基本は待ちの姿勢。

日経平均株価と上海総合は共に上昇するも上げ幅を縮め、豪州株(S&P/ASX200指数)は続伸し、終値は6845.1で約12年ぶりに終値ベースで最高値。米債利回りも強さは見られず小幅低下、原油価格は底堅く推移。

為替相場は、昨日に続きGBPUSDの下げ幅は比較的強く、他の主要国はペアでドル高の流れを維持している。USDJPYは早朝に108.95まで上昇するも、109.00の大台を抜けられず、日銀金融政策決定会合では、一部で期待されたフォワードガイダンスの変更や緩和策もなく円高へと舵を取り一時108.56まで下落。個人的にはレンジの上限を上抜けどのような結果になるかを試してみたいが、相変わらず107~109のレンジの上限がサポートされている。

消極的派にとっては、月末要因は不明ながら、上海で明日から本格的に開始となる米中通商協議、1日からワシントンで始まる日米貿易交渉、それと、明日のFOMCを見守る動きとなっており、一部では円先高を期待する動きも消えず。

GBPUSDは、ポジション的に大きく売り越しになっていることは間違いないが、聞こえてくる報道は10月31日のハードブレグジットを示唆していることもあり、そのリスクを考えればGBPロングは取れない。2016年末から2017年序盤まで続いた1.1900~1.200をボトムとした流れを再開なのか、それとも、より大幅な下落につながるのか? 期待は下落なのだか!

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7:45    NZD 6月 住宅建設許可件数=前月比-3.9%(予想 前回13.2→13.5%)→ 前月比でマイナスに落ち込む

8:30    JPY 6月 雇用統計:失業率=2.3%(予想2.4% 前回2.4%)、有効求人倍率=1.61(予想1.62 前回1.62)→ 失業率は予想・前回より改善へ、有効求人倍率は低下

8:50    JPY 6月 鉱工業生産・速報値=前月比-3.6%(予想-1.8% 前回2.0%)、前年比-4.1%(予想-2.0% 前回-2.1%)→ 前回からマイナス幅が拡大し予想をも下回る

10:30    AUD 6月 住宅建設許可件数=前月比-1.2%(予想0.2% 前回0.7→0.3%)、前年比-25.6%(予想-24.3% 前回-19.6→-19.2%)→ 予想を大幅に下回る

14:30    FRN 第2四半期GDP・速報値=前期比0.2%(予想0.3% 前回0.3%)、前年比1.3%(予想1.3% 前回1.2%)→ 前期比は予想と前回を下回り、前年比は前回を上回るも予想通り

15:00    GER 8月 GfK消費者信頼感調査=9.7(予想9.7 前回9.8)→ 予想通りながら2017年4月以来の低水準。
15:30    JPY 黒田日銀総裁記者会見

16:00    CHF 7月 KOF景気先行指数=97.1(予想93.3 前回93.6→93.8)

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日銀金融政策決定会合
◎長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決めた。政策金利のフォワードガイダンスも据え置いたが、発表文で、物価目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合は「ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」との文言を新たに追加した。
◎長期金利がゼロ%程度で推移するよう国債買い入れを行い、ある程度の金利変動を許容する方針と、マイナス0.1%の短期政策金利を維持。指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)の買い入れ方針にも変更はなかった。

四半期に一度の経済・物価情勢の展望(展望リポート)
◎消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年度比見通しを19年度が1.1%→1.0%、20年度は1.4%→1.3%に下方修正。
◎GDP成長率の見通しも、19年度が0.8%→0.7%、21年度は1.2%→1.1%に引き下げた。
◎経済・物価とも「下振れリスクの方が大きい」と評価

黒田日銀総裁会見
◎追加的な手段はいくつもあり得る
◎現時点でマイナス金利を協議しているわけではない
◎足もとでモメンタムが失われる恐れが高まっているわけではない
◎欧米の利下げが適切に行われれば日本経済にはプラス
◎海外経済の下振れリスクは大きい

豪州株は続伸し過去最高を更新
◎S&P/ASX200指数は、終値は6845.1で約12年ぶりに終値ベースで最高値。