2019/07/02

2019年7月2日(火)アジア・欧州市場序盤の動き

2019年7月2日(火)アジア・欧州市場序盤の動き

日経平均株価と上海総合は何とか小幅高で終了。米債利回りは低下し予想外に利回りの上昇は見られず。

債券利回りの上昇幅鈍くその結果としてドル高一辺倒も続かず、米中通商協議と米利下げ期待の有無で相場が動くことになりそうでもある。

為替相場は、豪中銀が予想通り政策金利を2か月連続となる0.25%引下げを実施。発表前から上昇気味で推移したこともあり0.6980台をピークに、「必要であれば金融政策を調整する」との声明もあり、直後は0.6957まで下落。ロウ中銀総裁から「必要ならば、成長支援に向け政策を調整する」との発言に追加利下げの期待感を残しながらも、目先は利下げ効果を見守る動きに0.6980台を回復し、予想外に底堅くAUD売りも限定的となっている。

USDJPYは、108.25~108.50のレンジで推移し、株価の上昇にも円売りは鈍く、米債利回りの軟化に上値は重くなっている。EURUSDは、1.1275~1.1300のレンジで特に材料は見られない。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※

7:45    NZD 5月 住宅建設許可=前月比13.2%(予想-0.5% 前回-8.0→-7.9%)

10:00    AUD 5月 HIA 新築住宅販件数=前月比28.8%(予想 前回-11.8%)
15:00    GER 5月 小売売上高=前月比-0.6%(予想0.5% 前回-2.0→-1.0%)、前年比4.0%(予想2.7% 前回4.0→4.6%)→ 前月比は予想外のマイナスで、前年比は予想を上回る

15:00    GBP 6月 ネーションワイド住宅価格指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回-0.2%)、前年比0.5%(予想0.5% 前回0.6%)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

米通商代表部(USTR)
◎4月の210億ドルの品目を公表したのに続き、EUによるエアバスへの補助金を巡り報復関税を課す可能性のある40億ドル相当の追加品目リストを公表した。


ギリシャ中銀年次報告
◎2019年経済成長率、1.9%と予想。
◎今年の基礎的財政収支の黒字は、GDP比2.9%になるとし、金融支援の条件として求められている3.5%には届かないとの見通しを示した。

日銀短観調査全容
◎2019年度想定為替レート)は3月調査より多数は円高方向へシフトするも自動車は円安へシフト。
業種        6月調査  3月調査       
繊維                 109.84   110.50        
木材・木製品         107.12    108.22           
紙・パルプ         110.30     110.17         
化学                 109.75    109.35           
石油・石炭製品      110.06    109.83     
窯業・土石製品      108.47    109.39         
鉄鋼                 109.97    111.08         
非鉄金属             110.10    108.33           
食料品               111.00    110.78           
金属製品            109.24    110.12           
はん用機械          109.68    109.53           
生産用機械          108.38    107.89         
業務用機械          108.23    108.59           
電気機械            109.29    109.18           
造船・重機           108.57   109.09        
自動車              109.61    108.46        
卸売                109.64    109.78        
情報サービス        110.20    110.17

豪中銀金融政策
◎政策金利を0.25%引下げ、1.25→1.0%に決定。

豪中銀声明(予想通り利下げを実施、2か月連続の利下げへ)
◎インフレ圧力は依然として経済の大部分で抑制されている。もっともインフレは依然として回復すると予想。
◎今回の金融緩和は雇用の成長を支援し、インフレが中期目標と一致するという確信を高めるだろう。
◎労働市場の動向を注意深く監視し、経済の持続的成長と長期にわたるインフレ目標の達成を支援するために必要であれば金融政策を調整する。

ロウ豪中銀総裁の声明
◎今回の金融緩和は雇用の伸びを支援し、インフレが中期目標に沿った水準になるとの信頼感を高めることになる。
◎労働市場の状況を注視し、「必要ならば」成長支援に向け政策を調整する
 → 中銀がすぐに一段の利下げに踏み切るのではなく、失業率と不完全就業率の低下が進まない場合にのみ追加利下げすることを示唆。

李克強首相
◎外資による金融セクターへの出資比率上限を2020年に撤廃する。
◎預金準備率引き下げへ 中小企業向け融資を促進。

李克強首相
◎米中首脳会談で通商協議の継続を決めたが、摩擦解消には時間がかかる。中国の景況感は悪化、改革姿勢アピールで国際社会の支持を得たい。

サウジ米債購入額が急増(Bloomberg)
◎2016年の大半の期間に米国債保有を減らしたサウジだが、同年11月の米大統領選でトランプ氏が当選して以降、減少分をはるかに上回る規模の米国債購入に動いた。最新の統計によると、サウジの米国債保有は1770億ドル(約19兆2000億円)と、ほぼ倍増。これよりも急ピッチで米国債を積み上げた主要債権国はない。