2019/07/07

今週の為替相場を考える(7月8~12日)

今週の為替相場を考える(7月8~12日)

パウエルFRB議長の「半期に一度の議会証言」+「米消費者物価指数」と他力本願ながら、米利下げ期待は変わらず。それと、再開すると思われる米中通商協議の動きも気になる。

今週の為替相場は、パウエルFRB議長の議会証言を受けて米国は年内にどこまで利下げをするのか? するとすれば、いつでどこまでするのか? それともしないのか? この動き次第。

先週末に公表された、FRBの半期ごとに議会に提出する金融政策報告書(これで7月10日と11日に半期に一度の議会証言を行う)では、「物価上昇率の低迷は一時的な影響」とタカ派で、「利下げを含め適切に行動する」とハト派でもあり強弱混在。きっと、一言一句で相場が上下する予感も。

先週は米ISM製造業と米非製造業は前回から低下したが、製造業は「雇用が上昇し価格は低下」、逆に非製造業の「雇用は低下し価格は上昇」。米非農業部門雇用者数は予想外に大幅増加するも過去2か月は下方修正され、賃金上昇も見られず。ただし、米雇用統計後の米債利回りは上昇し、ドルは全面高となっている。

振り返ってみると、6月19日ハト派(17人中8名が年内の利下げが適切と予想。他8名は据え置き、1名は利下げを予想)のFOMCを受け米債2年債は6月25日に一時1.70%台まで下落していたが、先週末の米雇用統計を受け急反転1.859%へ上昇し、19日の下落前の1.864%の水準に逆戻り。この動きだけ見ても円売りが強まっていたことが理解できる。

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USDJPY 予想レンジ(107.80~108.80)議会証言+米CPIに不確実性は高い

参議院選挙7月21日、消費増税10月1日、日韓関係の悪化など、米経済と関係ないテーマで円相場がどう変化するのか?未知の部分が多い。いつもながら米金利と連動性の高いUSDJPY相場は、今週のパウエル議長の半期に一度の議会証言と米消費者物価の結果を受けて、債券利回りがいずれの方向に動くかによって、短期的な流れが変化するリスクも強いが、米金利の低下は変わらずと思われてならない。

テクニカルでは中期的なダウントレンドを維持しながらも、短期的には200時間MAの118.45近辺をかろうじて上抜けし、この水準をボトムに維持できるのか? オシレーター系は買われすぎを示しており、売りに変化する可能性を示唆してもいる。

6月初めから続いている108.50~80を高値とするUSDJPY相場は、この水準を引き続き維持して円高方向を意識したくなる。

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EURUSD 予想レンジ(1.1180~1.1300)議会証言+米CPIに不確実性は高い

トランプ大統領のEUR安けん制発言も何のその! ラガルド次期ECB総裁(現IMF総裁、元仏財務相)のハト派と思われている方向性は別にしても、ユーロ圏経済の低迷にECBの利下げ観測はじわじわ強まり、EURUSDが200日Mを上抜けながら、1.1400の大台維持を失敗した悪いイメージは変わらず。

もちろん、パウエル議長の半期に一度の議会証言と米消費者物価の結果により変化するリスクを残しながらも、200時間MAを割り込み、中期線が長期線を割り込みどうしても弱さが目立つが、6月18日の1.1180が下値の重要なポイントに。

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USDCAD 予想レンジ(1.3000~1.3150)議会証言+米CPIに不確実性は高い

原油価格が高止まりする中で、10日のカナダ中銀の金融政策(1.75%の据え置き予想)と今後の見通し動くことは間違いなさそう。豪州とNZが利下げを実施し、追加利下げが見込まれる中で、政策金利1.75%を維持し強さが目立つ。

6月20日に200日MAを割り込んでからは続落傾向が続き、1.3000の大台が重要な下限となっている流れは変わらず。

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