2019/07/21

今週の為替相場を考える (7月22~26日)

今週の為替相場を考える (7月22~26日)

今週の主な材料でも説明していますが、今週も為替相場の変動要因は多々あります。 ①参議院選挙の結果、②来週のFOMC、③イラン情勢の悪化、④米中通商協議の行方、⑤イタリア政局不安。⑥ブレグジットを巡る動き。それと、⑦25日のECB理事会・ドラギECB総裁発言、⑧26日の米第2四半期GDPの速報値

①「参議院選挙の結果」、週末の参議院選挙の結果による相場変動ですが、予想通りの自公民勝利であれば強弱の差があっても円相場への影響は限定的と考えます。

②「来週のFOMC」、来週の相場変動要因ですが、これが今週のメインイベントといってもいいでしょう。すでに20日から「ブラックアウト期間」に入りFRB関係者からお騒がせ発言はなくなりますが、⑧の米GDPの結果も重要な材料で、これにサプライズがなければ0.25%の利下げ期待は織り込み済み。

③「イラン情勢の悪化」、イランが英国の石油タンカー拿捕(複数)したこともあり欧州各国の動きの変化と、トランプ大統領の態度硬化も、原油価格の上昇のリスク=CADドルにとっては好材料で、リスク回避ではJPYとCHFにとってもプラス材料です。

④「米中通商協議の行方」、はっきり言ってよくわからず。何らかの発表があるまでは動けず。

⑤「イタリア政局不安」、いつもながらのイタリア。財政赤字をめぐる動きも収まり政局混迷だけではEUR売り材料も限定的で弱いのでは?

⑥「ブレグジットを巡る動き」、保守党党首選は23日決着! ただし10月31日のブレグジット期日を前に合意ある離脱ができるのか? 具体的な解決策が出されるまではGBP売りはやみそうにない。

⑦「ECB理事会・ドラギECB総裁発言」、基本緩和期待! ECBも欧州委員会も経済とインフレを不安視。経済指標も弱く利下げを織り込む動きで、EURUSDはレンジ相場入りながら将来の底値感はつかめず。トランプ大統領のEUR安けん制発言の影響力は不明。

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予想レンジは、26日(金)の米GDPで変化する可能性も!

USDJPY (予想レンジ107.00~108.30)

「107円割れは買い、108.50超えは売り」のレンジ相場から抜け出せていない。FRB、ECB、を含め他の多くの中銀が利下げ圧力・傾向に動く中で、基本は円高傾向で変わらずと考えたい。円のポジションはニュートラルかやや円ロングに傾いているが、ポジション的には大きくはなく、材料次第でどちらにでも動けることもあり米GDPの新たな材料待ち。なお、参議院選挙の結果は想定外の結果にならない限り期待せず。


EURUSD (予想レンジ1.1150~1.1270)

ECBの緩和期待、イタリア政局不安、ドイツを中心とした経済の鈍化とインフレ圧力の低下、それと、ブレグジットリスクと、取り巻く材料はEUR売りに傾いているが、現実は「1.1200近辺は買い、1.1350超は売り(一時1.1400台の大台はあるが)」の大きなレンジ内での推移と予想外に底堅い。ただ、先週は1.1300台を維持できなかったこともあり緩やかなEUR安の継続を期待したい。


USDCAD (予想レンジ←1.3000~1.3100→)

イランとの緊張拡大=原油価格の上昇はカナダドルにとってはプラス材料ながらWTIは60ドル台を維持できず。USDCADは1.3000の大台が鉄壁で昨年10月からなかなかブレークできずにいる。大枠で1.3000~1.3150のレンジを6月27日以降、1.3000~1.3100のレンジを7月11日以降続けていることもあり、そろそろ上下いずれかの方向に動くことを期待したいが? だめなら元のレンジ相場の継続へ。


AUDUSD (予想レンジ 0.6980~0.7090)

6月18日の0.68317、7月10日の0.69105をボトムに上昇傾向を維持し、先週は200日MA=0.7090を試す0.7082まで一時上昇し失速。今週も引き続き0.7090~0.7100の壁は重そうでこの水準を今週突破できるのか? 失敗すれば0.69800~0.7090と元のレンジに逆戻りすることになるが。なお、EURAUDはユーロ圏から豪州に資金がシフトしているのか6月18日の1.6448をトップに先週末は一時1.5890台まで続落中。

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