2018/03/14

2018年3月14日(水曜)昨日13日、海外市場の動き

2018年3月14日(水曜)昨日13日、海外市場の動き

トランプ大統領はティラーソン米国務長官を解任、ほぼ予想通りの米CPIもネガティブに映り、市場の動きはリスク回避へ。米株は下落、債券価格は上昇し利回りは低下、そして、為替市場ではドル売りへと動きリスク回避に円も強い。ただし、CADはポロズ・カナダ中銀のハト派発言に売りに。

米CPIを前にして、7日のコーン米NEC委員長は辞任に続き、ティラーソン米国務長官の解任劇。トランプ大統領とイラン核合意で意見が対立し、アフリカ訪問から戻った直後の突然の解任に本人も当惑。リスク回避の動きが強まり、米CPIはほぼ予想通りながら意外感もなく市場のセンチメントを変えることはできず。また、トランプ大統領は「中国に対して300億ドル相当の輸入関税を検討」と保護主義的な動きも米中貿易戦争へとの発展によるリスク回避の動きを強める。

USDCADは、欧州市場では1.2870台の高値から、ティラーソン氏解任劇と米CPIに1.2830台まで下落するも、ポロズ・カナダ中銀総裁から「カナダ経済は特に労働市場において多くの未利用の潜在力があり、インフレ高進なくして成長を押し上げられる可能性がある」との ハト派発言でカナダドル売りが強まり、1.3990と1.4000の大台手前まで上昇、CADJPYも83.44→82.00台まで下落。

USDJPYは、アジア市場の106.25をボトムに、株高+日本の政局混迷で、前日は円高へと動きも市場は冷静になり、逆に円売りへと動き、前日の高値106.97、前々日の高値107.05を上回るとショートカバーが加速し107.29まで上昇。ティラーソン氏解任劇に上値が重くなりリスク回避の円買いが始まり、米CPIを契機に106.71まで下落。一時107.12まで再度上昇するも、米債利回りの低下や米株安の動きが強まり、トランプ大統領の「中国に対して300億ドル相当の輸入関税を検討」との動きも意識され106.40台まで下落。ただし、前日の安値106.25までのドル売りも見られず。

米株は上昇から始まるも、終盤にかけては小幅安。ダウ25007.03-71.58(-0.68%)、S&P500-17.71(-0.64%)、Nasdaq-77.31(-1.02%)と下げ幅は大きい。欧州株も弱く、EUROStoxx600は-3.71(-0.98%)、独DAXと英FTSE100も1%近く下落へ。

リスク回避に選好、米10年債利回りは低下し、2.846%(-0.022)、独・英10年債も小幅低下へ。原油価格(WTI)は60.91-0.43(-0.70%)と低下。


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21:30    USD 2月 消費物価指数=前月比0.2%(予想 0.2% 前回0.5%)、前年比2.2%(予想2.2%  前回2.1%)、コア前月比=0.2%(予想0.2% 前回0.3%)、コア前年比1.8%(予想1.8% 前回1.8%)→ ほぼ予想通りながら前月比は総合・コア共に前回より弱く、市場の反応はドル売りへ。

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【北米】
ポロズ・カナダ中銀総裁=カナダ経済は特に労働市場において多くの未利用の潜在力があり、インフレ高進なくして成長を押し上げられる可能性がある。→ このハト派発言でカナダドル売りが強まり、USDCADは1.3990と1.400の大台手前まで上昇するなど、CAD全面安。

ポロズ・カナダ中銀総裁=金利は将来的に上向いていく公算が大きいものの、潜在力の向上がどこまで進展するのか予見できないため、中銀は機械的に対処することはできない。労働市場は過去1年でかなり健全化するも、なおスラック(需給の緩み)は存在し、企業投資の活性化のほか、労働市場の反転で生産性が向上し、経済に対する供給が増大する可能性があるとし、こうしたプロセスにはインフレに対する上向きと下向きのリスクの双方が伴うため、中銀は引き続きデータに注目

トランプ大統領=シンガポールに本社を置く半導体大手ブロードコムによる米クアルコムの買収に米トランプ政権が「ノー」を突きつけた。

トランプ大統領=ティラーソン米国務長官を更迭し、後任にポンペオ米中央情報局(CIA)長官をあてると表明→ ティラーソン氏は1週間近くに及ぶアフリカ訪問から戻ったばかりで、不意打ちを食らった格好

トランプ大統領=ホワイトハウスで記者団に対し、ティラーソン長官とはイランとの核合意を含む重要な問題について意見の不一致があったと説明。ティラーソン氏は考え方が異なっていた。

ゴールドスティーン国務次官=ティラーソン米国務長官の解任について、長官は「何が起きているのか理解に苦しんでいた」と述べ、「知らされていなかった」と続けた。

ティラーソン国務長官の記者会見=突然の解任に当惑、米国が著しい政策課題および国家安全保障を巡る問題に直面する中、秩序ある円滑な移行を確実にすることが最も重要

トランプ大統領=次期NEC委員長にカドロー氏起用を積極的に検討

トランプ大統領(政治専門メディアのポリティコ)=中国に対して、300億ドル相当の輸入関税を検討


【ユーロ圏・英国】
イタリアのユーロ懐疑派政党「同盟」のサルビーニ書記長=首相指名で他党議員の協力を仰ぐものの、閣僚ポストを提案する考えはない。他党との連立も否定した

イタリアの与党・民主党の暫定党首を務めるマウリツィオ・マルティーナ氏=4日の総選挙で陣営として最大の票を得た中道右派とも、第一党となった五つ星運動とも連携しない

ハモンド英財務相=IT大手の売上高に対する課税を検討。IT多国籍企業に対する国際的な課税方法が変更されるまでの措置として、G20で討議。

英債務管理庁(DMO)=公的財政の健全化が進む中で、国債発行額を11年ぶりの低水準に抑える計画。2018年4月-19年3月の新年度国債発行額を1029億ポンド相当とする計画を明らかにした

【その他】
麻生財務相=19日開幕のアルゼンチンG20に出席しない可能性が高まる。

日本政府=北朝鮮との間で首脳会談を模索する考え

OECD世界経済見通し=世界経済見通し3.6%→3.9%へ上方修正、減税による米経済の引き上げが一因。2018年の成長率は貿易や投資の回復により7年ぶりの高成長になるとみられている。一方で貿易戦争は改善見通しを下押す可能性がある

OECD世界経済見通し=2017年、2018年、2019年%、(前回)、Japan  1.7   1.5(1.2)   1.1(1.0)、UK   1.7   1.3(1.2)   1.1(1.1)、US  2.3   2.9(2.5)   2.8(2.1)、 Euro area  2.5   2.3(2.1)   2.1(1.9)Germany  2.5   2.4(2.3)   2.2(1.9)、 Australia 2.3   3.0(2.8)   3.0(2.7)、 Canada  3.0   2.2(2.1)   2.0(1.9)

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