2018/03/09

2018年3月8日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年3月8日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

ECBは予想通り金融政策を据え置き「必要であればQEの規模を拡大」との緩和アイアスの文言を削除し、一時EUR買いが強まるが、ECBスタッフ経済予測ではインフレ見通しが一部引き下げられ、ドラギ総裁の記者会見では「インフレ押し上げのため潤沢な水準の緩和が必要」と、逆にEUR売りが強まりEURUSDは元の水準に逆戻りし、さらに下落へ。

米国は輸入関税措置を今日に発表する予定で、国家安全保障上の観点からカナダとメキシコに例外措置を設ける可能性もあり、カナダドルは予想外に健闘。

米株は上昇からスタートするも勢いは弱く、ダウは+88.53(+0.35%)、NasdaqとS&P500も小幅高へ。欧州株は強く、STOXXEuro600は+3.26(+0.87%)、独DAXと英FTSE100も上昇へ。

米債利回りは低下、10年債2.856%(-0.0274)、独と英債利回りも低下気味。原油価格(WTI)は60.85と低下。

USDJPYの動きは緩慢。欧州市場序盤の105.89をボトムに、ECB理事会後のEURJPYの上昇に一時106.26台まで上昇するも、EURJPYが売りへと変化し上げ止まり、106.10台で小幅な動きが続く。

EURUSDはECB理事会の「必要であればQEの規模を拡大」との文言削除」受け1.2380→1.2446まで上昇するも、ECBスタッフの成長見通しの延びも控えめ、インフレ見通しは2019年が下方修正され、ドラギECB総裁の記者会見でもタカ派にはなり切れず、1.2350を割り込み売りの流れが続いている。

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EUR ECB理事会 金融政策発表=政策金利(リファイナンス金利) 0.0%、上限金利(限界貸出金利)0.25%、下限金利(中銀預金金利)-0.40%、月額300億ユーロの債券買い入れ9月まで据え置きを決定、予想通り。

CAD 2月 住宅着工件数=22.97万件(予想21.5万件 前回21.62→21.53万件)→ 予想を上回る

CAD 1月 新築住宅価格指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比3.2%(予想3.3% 前回3.3%)、住宅建設許可=前月比5.6%(予想-1.5% 前回4.8→2.5%)→ 住宅建設許可は予想を大幅に上回る

USD 新規失業保険申請件数=23.1万件(予想22万件 前回21万件)→ 予想を上回り弱い

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【北米】
ホワイトハウス=鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税を課す方針だが、カナダ、メキシコ、他の一部の国について、国家安全保障の観点から30日間にわたり関税の適用を除外する可能性がある

米政府=カナダとメキシコを一時的に適用対象から除外することを検討。

ナバロ米米国家通商会議(NTC)委員長=トランプ米政権は鉄鋼・アルミニウム輸入への高率関税導入で、カナダとメキシコを当初の対象か除外。NAFTA再交渉で合意しなければ免除の措置は終了。

サンダース大統領報道官=国家安全保障上の観点からカナダとメキシコに例外措置を設ける可能性があり、他の国に対しても同様の措置を取ることがあり得ると

 米シカゴ地区連銀の全米金融環境指数(NFCI)=-0.78→-0.77とマイナス幅が縮小、金融状況が昨年5月以来約10カ月ぶりの水準に引き締まったことを示した。

トルドーカナダ首相=トランプ米大統領がNAFTAの新たな合意に向けて前進すれば、カナダに鉄鋼やアルミニウムの関税を課す必要がないとの意向を表明

【ユーロ圏・英国】
EU=米国の輸入規制に対抗のリスト作成=EUが25%の報復関税を課す可能性がある総額28億ユー相当に上る米国製品のリストを作成

モスコビシ欧州委員会委員(財済・財務担当)=欧州は貿易戦争を望んではいないが、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウム関税を課した場合、すぐに対抗措置を取る用意がある

ECB理事会=政策金利(リファイナンス金利) 0.0%、上限金利(限界貸出金利)0.25%、下限金利(中銀預金金利)-0.40%、月額300億ユーロの債券買い入れ9月まで据え置きを決定、予想通り。

ECB理事会=必要であればQEの規模を拡大、との文言削除→ EUR買いが強まる、QE買い入れに関する表現を変更。金利は現在の水準で長期にわたり維持される見通し。金利はQEの終了後も相当な期間現在の水準に留まる。保有債券の償還元本を必要な限り再投資→ 削除したのは、経済・物価の見通しが思わしくなければ量的緩和政策を再び拡大する用意があると書かれた「緩和バイアス」と呼ばれる部分。

ドラギECB総裁の記者会見=QEに関する文言の変更は全会一致。インフレ押し上げのため潤沢な水準の緩和が必要。

ECBスタッフ経済予測=インフレ見通し:2018年1.4%変わらず、2019年1.5→1.4%、2020年1.7%変わらず。成長見通し:2018年2.3→2.4%、2019年1.9%で変わらず、2020年1.7%で変わらず。

メイ英首相=8日に欧州企業幹部らとブレグジットについて協議する予定

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