2018/03/09

2018年3月9日(金曜)昨日8日、海外市場の動き(午前5時40分ごろ)

2018年3月9日(金曜)昨日8日、海外市場の動き(午前5時40分ごろ)

米株は小幅高、米債利回りは低下、為替市場はドル全面高+他通貨での円高で、ECB後のEUR下落+ブレグジット交渉の不安もありGBPも下落。CADは米輸入関税の除外の有無を意識+原油安に上下変動しAUDも連動気味。

ECB理事会は金融政策の据え置きを予想通り決定。理事会は「必要であればQEの規模を拡大との文言削除」と、緩和バイアスの撤回にEUR上昇。ドラギECB総裁の記者会見は「ハト派」+ECBスタッフ経済予測は「インフレ見通しを引き下げ」=EUR下落。

米国発では、カナダとメキシコや他の関税適用除外国の有無が注目される中で、輸入関税措置を18日中に発表との報道に相場変動の可能性が意識される。英国発では、ブレグジット交渉の年内合意は難しく来年1月が現実的との報道もありGBP売りの流れは止まらず。

米株は小幅上昇、ダウは100ドル近くの上昇から始まり、逆に一時100ドル近く下落するも、終盤にかけて値を戻しプラス圏で推移。NasdaqとS&P500も小幅高。欧州株は後半にかけ上昇、EUROStoxx600は+3.91(+1.05%)、独DAXと英FTSE100も上昇へ。

米債利回りはECB理事会+ドラギECB総裁の記者会見+ECBスタッフ経済予測をうけ低下、10年債は2.853(-0.0302)、、独・英10年債利回りも低下へ。原油価格(WTI)は60.26(-1.42%)と大幅下落。

USDJPYは、欧州市場序盤の105.89から欧州株の動きに伴い上昇し、ECB理事会+ドラギ総裁会見+ECBスタッフ予測値の動きにEURJPYが変動し、106.01~106.26のレンジで上下。米国市場に入っても大きな変化は見られなかったが、終盤にかけて 106.29の高値を示現。主要通貨でドル高の動きが強まり、円は他通貨での上昇が目立ちEURJPYとCHFJPYの+0.6%近くの上昇を筆頭に主要通貨で上昇へ。

EURUSDは、ECB理事会の「必要であればQEの規模を拡大」との文言削除」受け1.2380→1.2446まで上昇するも、ECBスタッフインフレ見通し一部引き下げやドラギECB総裁ハト派発言に逆に下落。EURロングの巻き戻しや、利上げ時期の先送り懸念も強まり米国市場の終盤には1.2300を割り込む動きへ。結果的には高値の1.2446→1.2298と大きな動きへ。

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【北米】
ホワイトハウス=鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税を課す方針だが、カナダ、メキシコ、他の一部の国について、国家安全保障の観点から30日間にわたり関税の適用を除外する可能性がある

米政府=カナダとメキシコを一時的に適用対象から除外することを検討。

ナバロ米米国家通商会議(NTC)委員長=トランプ米政権は鉄鋼・アルミニウム輸入への高率関税導入で、カナダとメキシコを当初の対象か除外。NAFTA再交渉で合意しなければ免除の措置は終了。

サンダース大統領報道官=国家安全保障上の観点からカナダとメキシコに例外措置を設ける可能性があり、他の国に対しても同様の措置を取ることがあり得ると

トランプ大統領(WSJ)=中国の経済当局者トップに対し、米国の対中貿易赤字を1000億ドル削減するよう要請した
トランプ大統領=鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税を課す方針を堅持すると表明、日本時間9日午前5時半に発表

WSJ=コーン氏が辞任し、トランプ氏は鉄鋼とアルミニウムに大幅な関税を課すナバロ氏の働きかけを採用、トランプ関税の仕掛け人ナバロ氏、政権の表舞台に

ティラーソン米国務長官=北朝鮮との対話開始からはまだ「程遠い」状況で期待し過ぎるべきではない

 米シカゴ地区連銀の全米金融環境指数(NFCI)=-0.78→-0.77とマイナス幅が縮小、金融状況が昨年5月以来約10カ月ぶりの水準に引き締まったことを示した。

FRBの2017年第4四半期の家計純資産=株式や不動産価格の値上がりが押し上げ要因に、96.7兆ドル→98.7兆ドルへ拡大

トルドーカナダ首相=トランプ米大統領がNAFTAの新たな合意に向けて前進すれば、カナダに鉄鋼やアルミニウムの関税を課す必要がないとの意向を表明

ECB理事会=政策金利(リファイナンス金利) 0.0%、上限金利(限界貸出金利)0.25%、下限金利(中銀預金金利)-0.40%、月額300億ユーロの債券買い入れ9月まで据え置きを決定、予想通り。

【ユーロ圏・英国】
ECB理事会=「経済見通しや金融システムが悪化した場合は、資産購入の規模または期間、もしくはその両方を拡大の用意」との、必要であればQEの規模を拡大との文言削除し、緩和バイアスを撤回EUR買いが強まるが、必要なら債券買い入れ規模を拡大するに、上昇力は弱まる。  → 削除したのは、経済・物価の見通しが思わしくなければ量的緩和政策を再び拡大する用意があると書かれた「緩和バイアス」と呼ばれる部分。

ECB理事会=QE買い入れに関する表現を変更。金利は現在の水準で長期にわたり維持される見通し。。金利はQEの終了後も相当な期間現在の水準に留まる。保有債券の償還元本を必要な限り再投資

ドラギECB総裁の記者会見=QEに関する文言の変更は全会一致。インフレ押し上げのため潤沢な水準の緩和が必要。説得力のあるインフレの上向きトレンドは見られていな。インフレ見通しに及ぼす影響の観点から、理事会は為替レートと金融情勢を今後も注視。ユーロ圏の成長見通しを巡るリスクはおおむね均衡。域内の堅調かつ広範な成長の勢いを裏付けるもので、これは今後短期的に、従来予想をわずかながら上回るペースで拡大していく見込み。基調的なインフレを示す指標はなお抑制、持続的な上昇トレンドを示す納得できる兆候はまだ見られない→ 慎重な見方にEUR売りが強まる。

ECBスタッフ経済予測=インフレ見通し:2018年1.4%変わらず、2019年1.5→1.4%、2020年1.7%変わらず。成長見通し:2018年2.3→2.4%、2019年1.9%で変わらず、2020年1.7%で変わらず。→ インフレ見通しの引き下げにEUR売りが強まる

メイ英首相=8日に欧州企業幹部らとブレグジットについて協議するもよう

英当局者(ブルームバーグ)=年内のEU離脱交渉の合意は難しく、来年1月が現実的

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