2018/03/22

2018年3月22日(木曜)昨日21日、海外市場の動き(午前5時40分ごろ)

2018年3月22日(木曜)昨日21日、海外市場の動き(午前5時40分ごろ)

FOMCの利上げ、経済予測値、パウエル議長の会見を受け、米債利回りは低下し米株も弱くドルは全面安。

FOMCは予想通りFFレートの0.25%引き上げを決定し、年内計3度の利上げの可能性を示唆、経済予測では成長率は上方修正し、FFレート見通しでは今後の利上げ期待は強まるも、インフレ見通しは据え置かれドル買いの勢いは削がれる。パウエルFRB議長も「労働市場は引き締まったが、賃金上昇は確認されず」、「指標からはインフレ加速の兆候みられず」と発言。米債利回りは低下し、米株は売りへと変化しドル売りの流れが強まる。

GBPUSDは欧州時間に発表となった強い雇用統計の賃金上昇もあり、アジア市場の1.4000近辺をボトムに、FOMC後の上下変動を経て終盤にかけて1.0%超の上昇。2月16日の高値に並ぶ水準となる1.4150 まで続伸し終値ベースでは2月1日の水準まで上昇。

USDCADもNAFTA再交渉が妥協との思惑に早朝の1.3070台を高値に1.3000の大台を割り込み、FOMC直後は上下変動するも売りの流れを加速し1.2890台へと1.3%近く下落。過去6日の安値を更新して続落しカナダドル高へ。

米金利の低下にリスク回避の流れも弱まり、AUDUSDは1.1%近く上昇し0.7780へと上昇へ、円はクロスで強さは見られずUSDJPYはFOMC直後に106.03~106.64のレンジで上下変動し、終盤にかけては106円を割り込み一時105.80台まで下落し106円近辺で推移し-0.52%下落へ。

米株は一時300ドル近く上昇するも、FOMC後から下落し24682.31と-44.96(-0.18%)と小幅安で、NasdaqとS&P500も小幅安で終了。欧州株も弱くEUROStoxx600は374.96-0.61(-0.16%)、独DAXは+1.82(+0.01%)、英FTSEは-12.69(-0.24%)。

米10年債利回りはFOMCの発表直後は下落と上昇と混在するも、パウエル議長の発言後から下落へと変化し、2.883%(-0.014%)と低下して終了。2年債も2.287%(-0.062%)と続落。

23日に米政権は中国からの輸入品最大600億ドル相当への関税導入を、22日に中国関連の知的財産関税について公表する予定する見通しとの報道もあり、リスク回避の流れとドル売りの流れが強まる。

カナダとメキシコで製造された自動車の米国への輸出について、米国製の部材を50%とする要求を撤回する可能性があるとの報道もあり、NAFTA再交渉協議が妥結に近づく可能性があるとの見方に直後からカナダドル買いが加速。

英雇用統計はILO失業率が低下、平均時給も予想外に上昇しGBP買いが強まる。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

18:30    GBP 2月 雇用統計:失業率=2.4%(予想2.3% 前回2.3%)、失業保険申請件数=前月比9,200(予想 前回-7,200→-1,600件)、 雇用者変化(11-1月)=168,000人(予想84,000人 前回88,000人)、ILO失業率(11-1月)=4.3%(予想4.4% 前回4.4%)、英ボーナスを含む平均賃金(11-1月) =2.8%(予想2.6% 前回2.5→2.7%)、英除くボーナス平均賃金(11-1月)=2.6%(予想2.6% 前回2.5%)→ ILO失業率は低下、平均時給も予想外に伸び、直後はGBP買いが強まる

18:30    GBP 2月 公共部門純借入額(PSNB)=-2.7億ポンド(予想-3億ポンド 前回-116億ポンド)、除く銀行(PSNB-ex Banking)=13.4億ポンド(予想13億ポンド 前回-100億ポンド)、PSNCR=186.29億ポンド(予想 前回-264→-262億ポンド)、NCR=-19億ポンド(予想 前回-273億ポンド)

21:30    USD 第4四半期 経常収支=-1282億ドル(予想-1250億ドル 前回-1006億ドル→-1015億ドル)

23:00    USD 2月 中古住宅販売件数=554万戸(予想543万戸 前回538万戸)、前月比3.0%(予想0.5% 前回-3.2%)→ 予想と前回を上回り3か月ぶりにプラスへ。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【北米】
米関係者=トランプ米大統領が中国からの輸入品最大600億ドル相当への関税導入を23日にも公表する見通し
関係筋(CNBC)=ホワイトハウスが中国関連の知的財産関税について22日に公表する予定

トランプ米政権(グローブ・アンド・メール紙)=カナダとメキシコで製造された自動車の米国への輸出について、米国製の部材を50%とする要求を撤回する可能性がある→ この報道でNAFTA再交渉協議が妥結に近づく可能性があるとの見方にカナダドル買いが加速。

パウエルFRB議長の記者会見=労働市場は引き締まったが、賃金上昇は確認されず。米中通商関係悪化の見通しは議題に上らず。賃金の伸びみられないことに驚き。労働市場は引き続き堅調に推移すると予想。経済見通しはここ数カ月で強まった。インフレ低迷は昨年からの通常でない物価下落を反映。インフレ率は2%を上回る可能性もあれば下回る可能性もある。利上げ決定は段階的プロセスにおける新たなステップ。

パウエルFRB議長の記者会見=バランスシート縮小は円滑に進行中、プロセスを変更する計画ない。失業率低下にかかわらずインフレの上向き圧力は緩やかにとどまる。指標からはインフレ加速の兆候みられず。中立金利はなお極めて低い水準にあると判断。通商政策の変更が見通しに影響するとは考えず。私見では政策枠組みへの早急な対応迫られているとは感じず。一部資産価格は歴史的水準と比較して高い。

FOMC=目標レンジ(FFレート)1.25~1.5%を、0.25%引き上げ1.5~1.75%を決定、予想通り。 年内あと2回と計3回の利上げを予想。

FOMC声明=景気見通しは最近数カ月間に底堅さを増した。インフレは「向こう数カ月間に上向き、FRBの目標近辺で安定化する見通し。今年の利上げ回数が計3回か計4回になるかを巡り、メンバーの意見は分かれたもようだ。利上げ回数見通しは、来年が3回、2020年は2回とした。FFレート見通しの中央値、2018年末2.125→2.125%、2019年末2.688→2.875%、2020年3.063→3.375%で、年4回以上を見込む参加者は7人に増加。19年の利上げ回数も年3回を見込み、17年12月時点に公表した「2~3回」からやや上方修正した。

FOMC経済成長率見通し=2018年12月時点予想値2.5→2.7%へ上方修正、2019年2.1→2.4%、コア個人消費支出(PCE)価格指数見通し=1.9%→1.9%と変わらず、2019年2.0→2.0%と変わらず。失業率見通し=2018年3.9→3.8%、2019年末3.9→3.6%へ改善を予想。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※