2018/03/24

2018年3月24日(土曜)昨日23日 海外市場の動き

2018年3月24日(土曜)昨日23日 海外市場の動き

世界的に株価は下落、波乱の一週間も終わった。市場はリスク回避の動きが止まらず。結果は、米株続落、米債利回り低下、対イラク強硬発言に原油価格は上昇し、為替市場ではドル売りと円高が共存。

要因のほとんどは米国発の材料で、FOMC後のドル下落に始まり、フェイスブックなどハイテク企業問題、ホワイトハウス人事、強気な貿易不均衡の是正の動きによる米中間を含め貿易戦争への不安。23日トランプ大統領は包括的歳出法案に拒否権発動との報道に揺れながらも、結局は1.3兆ドルの包括的歳出法案に署名し政府機関の閉鎖は回避。

国内でも安倍内閣の支持率の急落と、日米間の貿易問題への不安『トランプ大統領は先に、貿易問題で日本に対し米国を利用した時期は終わった発言』、23日からスタートした米国の輸入制限措置で日本は除外されず、FTAで貿易不均衡の是正を求める動きへ。

為替相場は、強い米耐久財受注にやや影響をうけながらも、USDJPYを筆頭に、EURUSD、GBPUSDでドル売りの流れが続き、米株の下落と共にリスク回避の動きなのか、リスクに敏感なAUDUSDとNZDUSDの上値は重くなり、GBPUSDも上昇幅を削減。USDCADは強いCPIに独自の動きへ。

USDJPYは、アジア市場序盤の104.64をボトムに104.60~105.10台の動きが続いたが、米国市場に入り強い耐久財受注に週末の円ロングの調整色も強くなり、米株も堅調で一時105.28まで上昇するもこれがピーク。米株が下落へと変化し、米債利回りも低下、日米間の貿易問題もクローズアップされ、米株の下げ幅が拡大するに従い104.60台を再トライして104.71で終了。円はクロスでも強含みで推移。

USDCADは、アジア市場序盤の1.2940を高値に1.2895~35のレンジで推移。変化が始まったのは強いカナダCPIで前年比が2.2%(予想2.0 前回1.7%)と強く、1.2910近辺→1.2820台へ下落。主要通貨でドル売りの流れ中で下値トライが続くも、米株の下げ幅が拡大し、リスク資産の売り圧力が強まる中で、原油価格の上昇にもかかわらず1.28980台まで上昇しカナダドルロングの調整が強まる。ただし、急落スタート地点の1.2910までは戻らず。

米株は底堅い動きから後半にかけ急落、ダウは23,533.20-424.69(-1.77%)、NasdaqとS&P500も2%超の下落へ。欧州株も弱く、EUROStoxx600は-3.33(-0.90%)、独DAXと英FTSE100も下落へ。

米債利回りは軟化し、10年債は2.815%(-0.01)、独0.53(-0.0009)とほぼ変わらず、英1.448%(+0.0078)と逆に上昇へ。原油価格は65.74+1.44(2.24%)とイラクへの強硬姿勢が強まる可能性も意識。

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21:30    USD 2月 耐久財受注・速報値=3.1%(予想1.6% 前回-3.6→-3.5%)、除く輸送機器=1.2%(予想0.5% 前回-0.3→-0.2%)→ 予想を大幅に上回る

21:30    CAD 2月 消費者物価指数=前月比0.6%(予想0.5% 前回0.7%)、前年比2.2%(予想2.0% 前回1.7%)、コア前年比=1.9%(予想1.9% 前回1.8%)、コアMedian・前年比2.1%(予想 前回1.9%)、コア・トリム前年比=2.1%(予想 前回1.8%)→ 予想を上回りカナダドル買いが強まる

21:30    CAD 1月 小売売上高=前月比0.3%(予想1.3% 前回-0.8→-0.7%)、除く自動車前月比=0.9%(予想0.9% 前回-1.8→-1.7%)→予想を下回る

23:00    USD 2月 新築住宅販売件数=61.8万件(予想62.0万件 前回59.3→62.2万件)、前月比-0.6%(予想4.6% 前回-7.8→-4.7%)→予想を下回る

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【北米】
米ホワイトハウス(22日)=マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任し、後任にボルトン元国連大使をあてる人事を発表した。

トランプ米大統領=連邦政府の9月末までの支出を賄う1.3兆ドルの包括的歳出法案に署名し(当初は拒否権検討との報道)、同法は成立 政府機関の閉鎖回避

カプラン・ダラス連銀総裁=年内計3回の利上げが適切との考えを再表明。関税措置を巡る動向を懸念し注視するに値するが、FRBの金融政策の観点から、どのような動向となるか見極ることが必要だ

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁=「ドット・チャート」について、自身の見通しを若干上方修正した。追加利上げについては賃金が上昇した場合のみに支持。年内にあと2回の利上げを実施するとの見通し。FRBは貿易戦争による下向きリスクを軽視することはできない

ボスティック・アトランタ連銀総裁=年内はあと2回の利上げを実施する必要がある可能性。中立金利に達した後は一歩引いて、経済がどのような展開になっているか見極める必要がある。 パウエルFRB議長が示した、直ちにインフレが加速する兆候はみられていないとの見方に「完全に」賛同

米国政府=中国を知的財産権侵害で世界貿易機関(WTO)に提訴。

トランプ大統領(22日)=安倍首相について、首相を含む各国首脳らは自身との面会時に「ほほえみを浮かべている。そのほほえみの裏には、こんなに長い間米国を利用できたことは信じられないという思いがある」と発言。「そうした日々は終わる」と貿易不均衡の是正に意欲を示した。
 
ボルトン氏(国家安全保障担当の米大統領補佐官に指名)=イランは爆撃せよ、北朝鮮先制攻撃は完全に正当。

トランプ大統領の貿易問題で、日本に対し米国を利用した時期は終わったと

米国の鉄鋼・アルミニウムへの関税措置が開始。カナダやメキシコを含め、豪州、EU、韓国などが対象から除外→ 日本は対象外でFTAでの交渉を求める動きで日米間の貿易問題は強く残る。

【欧州】
メイ英首相=米国の一時的な関税延期は喜ばしいが、恒久的になるように働きたい、ブレグジット交渉は大きな進展を見せた

ドイツの2017年実質賃金は前年比0.8%増と、伸び率が16年の1.8%から鈍化し4年ぶりの低水準を記録。17年のCPI上昇率は1.8%。16年の0.5%から加速。17年の賃金は名目ベースでは前年比2.5%増加した。16年は2.3%増だった

【アジア・その他】
麻生太郎財務相=足元の市場動向について「米中貿易戦争のようなものに市場が過剰に反応している。為替介入のために日銀が外債を購入するのは為替介入とみなされ難しい

中国=米国の輸入制限を受け最大30億ドルの米国製品に関税を課す報復措置を発表

米国の輸入制限措置で日本は除外されず。

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