2018/03/21

2018年3月21日(水曜)昨日20日、海外市場の動き

2018年3月21日(水曜)昨日20日、海外市場の動き

G20は「為替相場の安定と柔軟性を強調する新たな文言」を追加するも期待通り相場は動かず終了。今日21日の米FOMで0.25%の利上げを織り込み、金曜日のトランプ大統領による対中国制裁措置の発表を控えて不安材料は残るも、欧米株は上昇し、米債利回りは小幅高で、原油価格と商品価格は上昇し、為替相場ははドル高へ。

主要通貨で変動の激しかったのはEURUSDで前日比-0.94%下落。アジア・欧州市場序盤の1.2350台を高値に(前日の1.2359の高値は超えられず)GBPUSDの下落の影響を受け、弱い独PPI、独とユーロ圏のZEW期にEUR売りの動きが強まり、FOMCを前にして米金利の上昇や対米通商政策の不透明感もあり、前日・前々日の安値1.2258~60を割り込み1.2240まで下落して終了。

GBPUSDは前日比-0.26%と小幅下落。、前日のEUと英国の離脱交渉の期限延長の好材料で上昇した流れを維持し1.40台を割り込むことなく欧州市場では1.4067まで上昇(前日の高値1.4088は超えられず)。相場の流れが反転したのは英CPIとPPI。共に予想に届かず前年比は2016年9月・10月以来の水準で伸び率は弱く、ブレグジット交渉の期待感が強い中での失望感に1.4000の大台を割り込み、欧米市場では1.3980台まで下落してようやく下げ止まる。ただし、5月の利上げ期待感は残る。

USDJPYは+0.44%とドル高・円安で、クロスではGBPJPYとCADJPYを除き小幅な円高へ。アジア市場の105.93をボトムに以降106円の大台割れはなく底堅い動きへ。英CPIや独ZEW、米株の上昇、米債利回りの上昇や、日銀副総裁の記者会見の影響に上下変動しながらも、106円の大台を割り込むことはなく基本は106.30~60のレンジで推移。全体的にリスク回避の流れの継続もあり極端な円売りにならず。

米株は小幅高、ダウは24,727.27+116.36(+0.47%)、S&P500とNasdaqも小幅高。欧州株も強くEUROStoxx600は375.57+1.89(+0.51%)、独DAXと英FESE100も上昇へ。

米債利回りは上昇、米10年債は2.896%(+0.0386)、独・英10年債も上昇へ。原油価格(WTI)サウジとイラクの対立、ベネズエラの予想外の生産減少もあり上昇、63.42+1.36(+2.19%)上昇。

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16:00    GER 2月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想0.2% 前回0.5%)、前年比1.8%(予想2.0% 前回2.1%)→ 予想を下回る

18:30    GBP 2月 消費者物価指数: HICP前月比=0.4%(予想0.5% 前回-0.5%)、HICP前年比=2.7%(予想2.8% 前回3.0%)、HICPコア前年比=2.4%(予想2.5% 前回2.7%)、小売物価指数(RPI)前月比=0.8%(予想0.8% 前回-0.8%)、小売物価指数(RPI)前年比=3.6%(予想3.6% 前回4.0%)、除く住宅ローン利払(RPIX)前年比=3.6%(予想3.6% 前回4.0%)→ 前年比・コア前年比と前回より低下し、予想に届かずポンドは売りへと変化しその流れが強まる

18:30    GBP 2月 生産者物価指数: 仕入前月比=-1.1%(予想-0.9% 前回0.7→0.4%)、仕入前年比=3.4%(予想3.8% 前回4.7→4.5%)、出荷前月比=0.0%(予想0.1% 前回0.1%)、出荷前年比=2.6%(予想2.7% 前回2.8%)、出荷コア前月比=0.2%(予想0.2% 前回0.3%)、出荷コア前年比=2.4%(予想2.4% 前回2.2%)→ 予想を下回りポンド売りの要因となる

19:00    GER 3月 ZEW 景況感調査: 期待指数=5.1(予想13.0 前回17.8)、現況指数=90.7(予想90.0 前回92.3)→ 前回と予想から大幅低下し2016年9月以来の低水準でEUR売りが強まる

19:00    EUR 3月 ZEW 景況感調査: 期待指数=13.4(予想 前回29.3)→ 前回から大幅に低下し2016年10月来の低水準でEUR売りの材料となる

21:30    CAD 1月 卸売売上高=前月比0.1%(予想0.0% 前回-0.5→0.2%)

0:00    EUR 3月 消費者信頼感指数・速報値=0.1(予想0.0 前回0.1)→ 予想を上回るも前回と変わらず

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【北米】
ホワイトハウス=ランプ大統領がロシア大統領選で再選を決めたプーチン氏に祝辞を伝え、両首脳は二国間関係について協議し相互の国家安全保障の優先事項や課題に関する対話を継続していく決意を確認

ムニューシン米財務長官(G20)=米政府が発動した輸入制限措置は保護主義ではなく、不公正な貿易慣行から米国の国益を守るものである。 米国の国益に沿って行動し、自由で公正、かつ相互的な貿易を保全する用意を整えておく必要があるが、他の国が関税措置で報復するリスクは存在する

ムニューシン米財務長官(G20)=貿易問題に関して各国と協議。中国からは進展が見られなかった。米国は貿易戦争を恐れていない

ライアン米下院議長=トランプ大統領より、モラー連邦特別検察官の解任を検討せずとの確証を得た

【欧州】
格付け会社S&P=今週スペインの格付けを引き上げるとの観測が強まる

欧州連合(EU)=EUの交渉方針から、英国の離脱後に、金融サービスについて英国に「改善同等性評価」を与えることを検討。→ これは、英国が決定権を持たないEUの規則に英国側が縛られることを意味し、英政府および英国の銀行各行は拒否している。

【アジア・その他】
G20=仮想資産監視で一致 具体策触れず。G20諸国の代表者の大半が、仮想通貨には規制が必要だが、市場が小さく、現状で世界金融のリスクとなる可能性は少ないと判断。

G20声明=保護主義への対抗にコミットメントを再確認し、貿易を巡る一段の対話と行動が必要とする声明を採択して閉幕した。貿易戦争に起因する世界的な経済成長に対するリスクについて討議し、声明に草案にはなかった貿易を巡る一段の対話の必要性を強調する文言を挿入。競争力強化を目的とした為替の目標設定を控えることも改めて確認するも、為替相場の安定と柔軟性を強調する新たな文言が追加へ。 ビットコインなどの仮想通貨、およびこうした通貨がはらむリスクに対する国際的な監視も呼び掛ける。

雨宮・若田部日銀副総裁記者会見=2%の物価安定目標の実現に向けて強力な金融緩和を継続する姿勢を強調。雨宮氏は物価2%実現前の金利目標引き上げの可能性は理論的には排除せず、ただし、議論は時期尚早。若田部氏は時期尚早な政策変更は回避すべきで、必要ならば追加緩和とあらためて主張。

黒田日銀総裁(G20)=各国中央銀行、新興国市場に悪影響を及ぼさないよう十分配慮しつつ正常化を進めるべき。

原油価格上昇、サウジのイランに対する批判的な姿勢が強まり、中東地域の地政学的リスク拡大、ベネズエラが経済危機で原油生産量が日量200万バレルを下回り、2005年の水準から半減へ。

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