2018/03/02

2018年3月2日(金曜)昨日1日、海外市場の動き(午前5時40分ごろ)

2018年3月2日(金曜)昨日1日、海外市場の動き(午前5時40分ごろ)

激動の3月がスタート。米株下落+米金利低下、為替相場はドル買いからドル売りへと変化、

トランプ大統領「輸入制限を発動する方針」と保護主義へ傾斜、ダドリーNY連銀総裁「年4回の利上げでも穏やかな引き締めの範囲」とタカ派発言。パウエルFRB議長の議会証言「財政政策は今年インフレに上振れ圧力が高まる可能性が高い」と追加利上げの可能性を再認識。

米経済指標も強さが目立ち、米PCEデフレーターの前月比とコアPCEデフレーターは前回を上回る、新規失業保険申請件数は48年ぶりの低水準に改善、ISM製造業景況指数は13年ぶりの高水準。

結果、ダウは米追加関税の導入に一時400ドルを割り込み、米10年債利回りは一時2.8%を割り込み、為替相場はドル買いからドル売りへと変化し小幅ながらドル全面安へ。

米株は大幅安、ダウ-420.22(-1.68%)、S&P500とNasdaq共に1.3%近く下落、米10年債利回りは2.808 %(-0.055)、独・英債利回りも低下。米国とドイツの2年債利回り格差は一時2.81%20年ぶりの水準に拡大。

USDJPYは、アジア市場は106.55を安値にアジア、欧州市場では106.65~90の狭いレンジで推移。強い米経済指標は続き米株が上昇からスタート、ISM製造業景気指数の発表後にはドル買いが強まり、USDJPYは一時107.20まで上昇。前日売買が攻防し下がスタートした水準では売り圧力が強く、米株の売り圧力が強まり米債利回りの上昇も止まり、107円を割り込み下落。パウエルFRB議長の上院銀行委員会での議会証言はサプライズも無いがハト派で変わらず、ダドリーNY連銀総裁のハト派発言。そして、トランプ米大統領の輸入制限発動の方針が広まると、米株の下げ幅が拡大し、リスク回避に米10年債利回りは低下し、円買いが強まり106.10台まで下落。テクニカルポインではさすがに下げ止まり、EUが対抗策を発表するとの報道にEURUSDの買い戻しが強まると、EURJPYが上昇しようやく下げ止まるも、戻りは106.50台が限度で、日経平均株の下落を意識され売り圧力は続く。

EURUSDは、欧州市場序盤に1.2210台と高値を付け、ユーロ圏の製造業PMI・確報値は予想と前回を若干上回る58.6、ユーロ圏失業率は改善するも動きは見られず。逆に1.2160台まで下落し、強い米経済指標のなかで上値の重い展開が続き、強い米ISM製造業景況指数に1.2150台までと1月15日以来の安値水準まで下落してようやく下げ止まり、米株の下げ幅が拡大し1.2220台まで値を戻し、トランプ米大統領の輸入制限発動の方針が広まり売り圧力が強まるも、EUは対抗措置を発表するとの報道に急速に買いが加速1.2270台へ上昇。4日にイタリアで行われる総選挙などの政治リスクも懸念材料として残る。

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22:30    USD 1月 個人所得=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.4%)、個人支出=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.4%)、個人消費支出・価格指数(PCEデフレーター)=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.1%)、前年比1.7%(予想1.7% 前回1.7%)、コアPCE価格指数=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比1.5%(予想1.5% 前回1.5%)→ PCEデフレーターの前月比と、コアPCEデフレーターは前回を上回るが、個人消費は減速

22:30    USD  新規失業保険申請件数=21.0万件(予想22.6万件 前回22.2→22.0万件)→ 予想と前回を大幅に下回り、1969年12月6日以来となる48年ぶりの低水準に改善へ

22:30    CAD 第4四半期 経常収支=-163.5億カナダドル(予想-178億カナダドル 前回-193.5→-185.9億カナダドル)

23:45    USD 2月 製造業PMI・確報値=55.3(予想55.8 前回55.9)→ 予想と前回を下回る

0:00    USD 2月 ISM製造業景況指数=60.8(予想58.6 前回59.1)→ 予想を上回り2004年来の高水準

0:00    USD 1月 建設支出=前月比0.0%(予想0.2% 前回0.7→0.8%)→ 予想と前回を下回る

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【米国】
FRB    ダドリーNY連銀総裁(サンパウロ訪問中)=年4回の利上げでも穏やかな引き締めの範囲、トランプ政権の減税措置と政府支出により財政政策はかなり刺激的で2019年のGDP5%を予想。経済がトレンドを超えて成長し長期的にリスクとなり利上げは引き続き必要と確信。過去8回の利上げしたペースは穏やかなペースの利上げで、FRBが年4回利上げしてもその半分にしか意味せず。

FRB    パウエルFRB議長の半期に一度の議会証言(上院銀行員会)=先の下院での議会証言とほぼ同じ。景気過熱の兆候は無い。FRBは、状況の対処で後手に回り、急速な利上げを余儀なくされることでリセッションを招くことは望んでいない。財政政策は今年インフレに上振れ圧力を加える公算が大きい。長期金利は、成長加速期待によって上昇している。インフレ上昇や海外で成長に弾みがつくとの期待も存在。賃金の明確な上昇を示す確固たる兆候は確認していない。現在経済が過熱している兆候は存在しない。

USD    米国とドイツの2年債利回り格差は一時2.81%20年ぶりの水準に拡大→ EURUSDの売り要因の一つとなっている。
USD    トランプ米大統領=鉄鋼輸入品に対し25%、アルミニウム製品には10%の関税を課す方針を来週発表→ 米中間の緊張が高まる公算が大きく米株安の一因となる

【ユーロ圏・英国】
ECB    3月8日のECB理事会(複数の関係者)=資産買い入れ策を巡る市場への伝達スタンスの微調整について討議する公算が大きいが、主要な政策の変更は決定しない見通し。ECBは買い入れプログラムを年末までに終了させる可能性が高い。ECBは早過ぎる時期に行動を起こし、その後に政策を反転せざるを得なくなれば信用に傷が付くため、インフレが上向くとの十分な確証を得たいと考えている。一部の当局者はガイダンスの変更は4月、もしくは6月まで待てるとの立場を示しており、今回3月の理事会ではガイダンスの変更は決定されないと指摘。4日にイタリアで行われる総選挙などの政治リスクも懸念されると指摘。
EUR    トランプ大統領の関税を課す方針にEUは対抗措置を発表するとの報道=EURの買い戻しが強まる。


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