2018/03/06

2018年3月6日(火曜)昨日5日、海外市場の動き(午前5時45分ごろ)

2018年3月6日(火曜)昨日5日、海外市場の動き(午前5時45分ごろ)

イタリア総選挙は終わり今後も混乱が予想されるも、EU離脱はなさそう。独大連立政権はようやく樹立に向けた動きへ。米株は上昇、米債利回りも上昇、為替相場は全体的にドル売りへながら、通貨ペアで動きは複雑でカナダドル安が目立ち円も弱い。

米株は米貿易戦争の懸念にマイナスからスタートするも、ライアン米下院議長の「トランプ政権に対し鉄鋼とアルミニウムに対する輸入制限措置の発動は控えるよう呼びかけた」と、トランプ大統領の「関税措置で貿易戦争が引き起こされるとは思わない」との発言もあり、買いへと変化し上昇。

為替相場は、カナダドルの弱さが目立っている。USDCADは1.3000をついに達成、CADJPYも81円台と、共に昨年6月のカナダドル安水準へ逆戻り。NAFTA再交渉会合が、先週に米国鉄鋼とアルミニウムに対する輸入制限を発動させる姿勢を示したことなどで難航。結局はトランプ大統領がナダとメキシコが新たなNAFTAに署名し、他の措置を講じるなら、両国を鉄鋼・アルミ関税適用対象から除外するというも、共同声明を発表せずに終了。先週のカナダGDPの弱さも気になる。

GBPUSDは、ブレグジット交渉に向けた混乱がGBP売りの材料となっているが、EURGBPの売りに1.3767をボトムに予想外に底堅く推移し、欧州市場では一時1.3835まで上昇。米国市場に入りオプションカットやロンドンフィキシングも過ぎ、メイ英首相が議会で「離脱交渉は合意に近づいている。EUの法律、EU司法裁判所の決定は英国に影響し続ける」との発言もあり、1.3877まで急伸し1.3840近くで推移。

USDJPYは、アジア市場で日銀副総裁候補の若田部氏と雨宮氏の発言が注目され、ややハト派トーンにもかかわらず、日本の株安や米貿易戦争の懸念のリスク回避の円買いが強く、一時105.35まで下落。欧州市場は欧州株も弱く円の買い戻しにも上値は重く大きな変化は見られず105.40~70のレンジで推移。オプションカットでは一時105.92まで上昇し、米国市場に入り米株は下落から上昇へと変化。ライアン米下院議長の発言に米株が大幅上昇し米債利回りも上昇し106円を超え一時106.23まで上昇。前週一時もみ合い下げ止まっていた水準でようやく上げ止まる。


イタリア総選挙の結果は、反体制派政党「五つ星運動」と反移民を掲げる右派政党「同盟」が議会の2大政党となる見通しで、今後の混乱が続く可能性が強いも、EU離脱という最大の懸念は考えにくい。また、メルケル首相率いる議会最大勢力の中道右派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立合意の是非を問う党員投票は賛成多数で連立合意へ。

米株は大幅上昇、ダウは+336.70(+1.37%)の大幅上昇で、S&P500とNasda1も1.0%超の上昇へ。欧州株も強く、StoxxEurope600は+3.83(+1.04%)、独DAXは+177.16(+1.49%)、英FTSE100+46.08(+0.65%)上昇へ。

米債利回りは一時2.812%まで低下するも終盤にかけ上昇し、一時2.894%まで上昇し2.884%近くで推移。2年債利回りも2.254%と小幅上昇。独10年債利回りは0.645%(-0.008)と小幅低下し、英10年債利回りは逆に、1.499%(+0.024)と上昇へ。

原油価格は終盤にかけ上昇幅を拡大62.60+1.35(+2.19%)へ上昇。VIXは18.42-1.17(-5.97%)と低下へ。

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23:45    USD 2月 総合PMI・確報値=55.8(予想55.5 前回55.9)、サービス業PMI・確報値=55.9(予想55.9 前回55.9)→ 総合は前回より低下するも予想を上回る

0:00    USD 2月 ISM非製造業景気指数=59.5(予想59.0 前回59.9)→ 前回を下回るも予想より強く、新規受注は12年ぶりの高水準

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【米国】
NAFTA再交渉会合=共同声明を発表せずに終了。→ 前週始まった第7回会合は、トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムに対する輸入制限を発動させる姿勢を示したことなどで難航していた。

クオールズFRB副議長=銀行の自己勘定取引などを禁じた「ボルカールール」について、規制当局が「大幅な変更」を加えることを積極的に検討

トランプ大統領=カナダとメキシコが新たなNAFTAに署名し、他の措置を講じるなら、両国を鉄鋼・アルミ関税適用対象から除外する可能性

ライアン米下院議長(報道官声明)=トランプ政権に対し鉄鋼とアルミニウムに対する輸入制限措置の発動は控えるよう呼び掛けた→ 米株は買い戻され米金利は上昇へ。

トランプ大統領=貿易に関しては譲歩しない、最大の問題は中国。関税措置で貿易戦争が引き起こされるとは思わない

【ユーロ圏・英国】
イタリア総選挙=イタリア総選挙(上下両院)は、いずれの勢力も過半数に届かず、ハングパーラメント(宙づり議会)となり、政局が長期にわたり不安定になるとの見方が広がる。既存勢力の中道左派に替わって、ベルルスコーニ氏が率いる中道右派連合が最大勢力となる見通し。また、ポピュリズム政党とみられる五つ星運動が単独政党ではトップとなる見込みで→ 連立のシナリオには、EU懐疑派連合の誕生が含まれ、欧州連合(EU)にとって新たな頭痛の種になる可能性も。

独大連立政権樹立=ドイツ連邦議会(下院)第2党の中道左派、SPD党員投票は66%が連立に賛成。社会民主党(SPD)は4日、メルケル首相率いる議会最大勢力の中道右派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立合意の是非を問う党員投票は賛成多数で連立合意へ。

レンツィ・イタリア前首相=5日中道左派の民主党(PD)党首を辞任。得票率は20%を下回り、2007年の発足以来の低水準。
イタリア総選挙=総選挙の結果、反体制派政党「五つ星運動」と反移民を掲げる右派政党「同盟」が議会の2大政党となる見通し

メイ英首相(議会)=離脱交渉は合意に近づいている。EUの法律、EU司法裁判所の決定は英国に影響し続ける→ この発言を受けGBPUSDは一時上昇へ。

【その他】
中国全人代開幕=2018年のGDP伸び率の目標を昨年と同じ6.5%前後に設定。2017年の目標は6.5%で実際には6.9%となった。→ エコノミストは今年の経済成長が鈍化すると予想。政府が企業債務の縮小に取り組んでいるほか、環境汚染対策や住宅市場の過熱抑制により重工業や不動産分野への投資が失速するとみられる。さらに、米国との貿易摩擦が今年の最大のリスク要因として浮上。

中国全人代開幕=2018年財政赤字のGDP比目標を前年から0.4ポイント縮小させ、2.6%にすると発表した。財政赤字目標が改善するのは6年ぶり。

豪連邦統計局=2017年第4・四半期の企業の賃金・給与(季節調整済み)は過去最高。→賃金上昇率は低迷しているものの、雇用者数の増加により、国内の個人消費や購買力の増加に必要とみられていた賃金支払いが膨らんだ

若田部・日銀副総裁候補(衆院議院運営委員会で所信表明)=出口戦略について適切なイメージ共有必要。時期尚早な政策変更で、デフレに後戻りするリスクを避けなければいけない

雨宮・日銀副総裁候補(衆院議院運営委員会で所信表明)=金融緩和の副作用として「資産価格の行き過ぎ(バブル化)、金融機関経営へのマイナス、利子所得の減少」を挙げた。現時点では「効果が副作用を上回っている」が、「効果と副作用の比較が重要」


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