2018/03/08

2018年3月8日(木曜)昨日7日、海外市場の動き(午前5時45分ごろ)

2018年3月8日(木曜)昨日7日、海外市場の動き(午前5時45分ごろ)

北朝鮮の予想外の変化、トランプ大統領の輸入制限措置の発動意向、コーンNEC委員長の突然の辞任報道と、揺れる為替市場は株式市場と連動し上下変動を経て、一日を終わってみれば前日比で概ね元の水準へ逆戻り。

米株の下げは限定的で米債利回りも小幅低下ながら大きな変化は見られず。結局はこれらの影響を危惧したリスク選好と回避の異なる動きに翻弄されながらも、不確定要因が多すぎ一方向で相場に織り込めず「事態の推移」を見守る動きへ。

USDJPYは、早朝の105.46をボトムに、105.50の壁をクリアに割り込めずアジアと欧州市場は105.50~85のレンジ相場。米国市場に入り強い米ADP雇用統計が引き金となりドルの買い戻しが強まり、株安やリスク回避の円売りも欧州株が上昇し米株は下落幅を縮め、106円を上抜けると106.23まで上昇後は、大枠105.80~20のレンジで推移。

注目しているのは米国の輸入制限措置の影響をもろに受けることになるカナダ売りの動き。USDCADは上昇中ながら、カナダ中銀の金融政策が予想通りの結果となり大枠.2900→1.3000→1.2900の上下変化で、1.3000の大台をクリアに超えて再上昇するのか、逆にトップとなり、1.27~1.300のレンジに逆戻りするのか?

早朝の豪第4四半期GDPの前年比は2.4%(予想2.5 前回2.9%)と弱く、ユーロ圏第4四半期GDPは予想・前回と変わらずテーマとならず。カナダ中銀は予想通り1.25%の政策金利の据え置き決定し「今後の金利上昇が正当化されるというも、インフレ目標を達成するためには一定の金融緩和の継続が必要、米貿易政策の動向も不透明」とどっちつかず。

ドル買いが強まった要因となったのは、強い米ADP雇用統計(結果23.5万人、予想19.5万人)で、米貿易赤字の拡大-566億ドル(予想-541億ドル)に勢いはやや弱まるも緩やかにドル買いへと動き、ベージュブックは米経済の穏やかな拡大と物価の上昇が示され、複数回の米利上げ期待に沿った内容に。

そして、今日8日のECB理事会の動き(金融政策の変更は期待薄)と、日銀金融政策決定会合(金融政策の変更は期待せず)で、サプライズの動きがあるのか? 明日9日の米雇用統計で雇用者と時給はどうなるのか? これらを見守る動きへ。

ダウとS%P500は下げ幅を縮め小幅な下落に留まり、Nasdaqは小幅上昇へ。欧州株は終盤にかけて上昇、EUROStoxx600は+1.34(+0.36%)、独DAXは+131.49(+1.09%)、英FTSE100 +11.09(+0.16%)上昇へ。

米10年債利回りは終盤にかけて上昇し前日比とほぼ変わらずの、2.886(-0.004)、2年債は2.246%(-0.012)低下。独10年債は0.657%(-0.02)、英10年債は1.495%(-0.0272)と小幅低下。原油価格(WTI)は61.26(-2.12%)と在庫増で売り圧力が強まる。


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USD 2月 ADP全国雇用統計=23.5万人(予想19.5万人 前回23.4→24.4万人)→ 予想を上回る

USD 第4四半期 非農業部門労働生産性・確報値=前期比0.0%(予想-0.2% 前回-0.1%)、単位労働コスト・確報値=前期比2.5%(予想2.1% 前回2.0%)

USD 1月 貿易収支=-566億ドル(予想-541億ドル 前回-531→-539億ドル)→ 予想外に赤字幅が拡大し9年ぶりの高水準

CAD 1月 国際商品貿易=-19.1億カナダドル(予想-25億カナダドル  前回-31.9→-30.5億カナダドル)→ 予想より赤字額が縮小

CAD カナダ中銀金融政策発表=政策金利1.25%の据え置きを決定、予想通り

USD EIA石油在庫統計=240.8万バレル(予想137.8万バレル、前回248.3万バレル)

USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
USD 1月 消費者信用残高=1391億どる(予想200億ドル 前回184.47→1921億ドル)

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【北米】
コーン米国家経済会議(NEC)委員長は辞任へ。カナダやメキシコ、欧州連合(EU)にも打撃を与える鉄鋼やアルミニウムへの関税の適用は、逆効果と反対。

米地区連銀経済報告(ベージュブック)=労働市場が引き締まった状態が続き、多くの地域で賃金上昇が加速。国内経済活動は1━2月、「控えめから緩やかな(modest-to-moderate)」ペースで拡大し、物価はすべての地区で上昇し、伸びは緩やかだったと指摘。

トランプ大統領=中国に対米貿易黒字削減に対して直ちに行動しなければならない。中国は、巨額の対米貿易黒字の削減に向け、10億ドルの赤字削減を求められており、直ぐに行動しなければならない。どのような計画が出てくるのか楽しみだ。
サンダース・ホワイトハウス報道官=トランプ大統領は計画通りに週内に鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税措置を発表する。

ボスティック・アトランタ連銀総裁=減税措置によりFRBはより積極的な政策に向かっていたが、トランプ大統領の関税措置や対抗措置により減税の恩恵相殺なら利上げペース鈍化も。12月は2018年2回利上げ予想から3回へ引き上げ、2~4回は選択肢。

カナダ中銀=政策金利1.25%の据え置き決定、予想通りで1月声明を繰り返す。

カナダ中銀=今後の金利上昇が正当化されるとみられる一方、経済成長率を潜在水準近辺にとどめつつ、インフレ目標を達成するためには、一定の金融緩和の継続が必要。米国は政府支出や減税に伴い、今年と来年の成長率が押し上げられると予想するが、貿易政策動向が世界やカナダの見通しに不透明感を高める要因に。第4四半期のGDPは予想より弱かった。インフレは目標に接近。経済見通しはこの先の利上げを正当化へ。


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