2018/03/06

2018年3月6日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年3月6日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

為替相場は何を材料にして動いているかよりも、何を材料にして動かしたいか、そのような雰囲気満載。

いつもながら、「トランプ大統領の突然の輸入規制を示唆する発言」に、貿易戦争への流れを懸念し、市場は株安とリスク回避の円買いへ。と思ったら、USDJPYは105円のビックフィギュアを維持し、ライアン米下院議長の輸入制限を抑える反対意見が出ると、トランプ大統領の発言撤回の有無にかかわらず、株高・円売りへと動く変わり身には速い。

今日のアジア市場では日本株高の影響や、105.50以下でのボトム感の高まり、クロスでの円売りに一時16.46まで上昇し、大枠106.15~45のレンジで推移。USDJPYの動きは円クロスの流れが大きな要因で今日もEURJPYやGBPJPYの動きに連動している。

EURJPYは、独中道左派のSPD党員投票は66%が連立に賛成。独大連立の成立へ向けた動きもユーロ買い一時EUR買いが強まっていた。イタリア総選挙で過半数を確保する政党はなく、反体制派連合が結集しても過半数を維持できないことで、イタリアがEUから離脱する懸念が薄らぎ、EURUSDはアジア市場で一時1.2383まで上昇、EURJPYも上昇し、一時USDJPYの上昇要因となっていたが、EURUSDは1.2330台の朝のスターと地点へ逆戻り。反落しEURJPYも反落し朝の水準の147円を割り込み下落。USDJPYも上値が重くなっている。

AUDUSDは、豪中銀は期待通り1.5%の政策金利を据え置き、声名では「2018年に成長ペースが前年と比べて加速する見通し。ただし、前回の声明に盛り込まれていた「今後数年にわたって伸び率が平均で3%をやや上回りそうだ」との文言を完全削除。ややハト派ながら完全に織り込み済みで相場への反応は鈍い。ただし、豪小売売上高は弱く、豪第4四半期の経常収支も弱く、いつもながら頼りない。

さて、肝心のトランプ大統領の発言は豹変することが多く、どこまで強硬は発言を控えているのか気が気ではない。欧米市場の株価の動きを見守ることにしたい。

日経平均株価は+375.67(+1.79%)と前日の米株の上昇の流れをうけ上昇。上海総合は香港株も強く、アジア株は全体的に上昇し、ダウ先物も上昇気味。債券利回りも強含みで、米10年債利回りは2.887%(+0.0037)上昇へ。


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9:01    GBP 2月 英小売協会(BRC)小売売上高=前年比0.6%(予想0.5% 前回0.6%)
9:30    AUD 1月 小売売上高=前月比0.1%(予想0.4% 前回-0.5%)→ 前回のマイナスからは回復するも予想を下まわる

9:30    AUD 第4四半期 経常収支=-140億豪ドル(予想-122億豪ドル 前回-91→-110億豪ドル)→ 予想外に赤字幅が拡大し過去1年余りで最も大幅な赤字となった。

12:00    AUD 豪中銀金融政策発表=政策金利1.50%の据え置きを決定、予想通り

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【その他】
豪中銀=政策金利1.50%の据え置きを決定、予想通り。

豪中銀の声明=2018年に成長ペースが前年と比べて加速する見通し。ただし、前回の声明に盛り込まれていた「今後数年にわたって伸び率が平均で3%をやや上回りそうだ」との文言を完全削除。→ 金利先物市場は2019年初めまでの0.25%の利上げを完全には織り込めず

豪中銀の声明=世界的にインフレ率は低水準にとどまっている。とはいえ、コモディティー価格の上昇や労働市場の引き締まりにより、2018年に成長ペースが前年と比べて加速する見通しで、今後数年にインフレ率は上昇する見通し。景況感は強く、鉱業以外の設備投資は増加している

豪中銀の声明=政策正常化を進める他国・地域の中銀との相違が一段と大きくなることで豪ドル安を招き、豪州の成長率やインフレ率の押し上げを支援する可能性がある。

ロウ総裁は声明=賃金の伸び率は底を打ったようだ。労働コストの低い伸びと小売業界の激しい競争を反映してインフレは当面低水準にとどまる公算が大きいが、景気拡大に伴い緩やかな加速が見込まれる

黒田日銀総裁(参院議院運営委員会の所信聴取)=物価2%を実現するまで適切な金融緩和を続けていく。現在の強力な金融緩和を粘り強く続けることで、物価目標を実現できると述べ、物価2%目標の実現を最優先に政策運営する。出口戦略について現時点で具体的なことは言えない。手段は情勢に合わせ最適な組み合わせを用いる。

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