2020/10/11

今週の為替相場を考える(10/12~16日)

 今週の為替相場を考える(10/12~16日)


過去2週間を振り返るは、我が道を行くGBPUSDを含め通貨により例外もなくドルは全面安で、円もクロスで全面安。結果、USDJPYは上下ロックされ大枠105~106のレンジから抜けきれずにいる。


相関関係を見ると米株高はドル安でGBPUSD(0.94)、USDCHF(-0.82)、USDCAD(-0.90)をベストにEURUSD(0.74)でも変わらず。また、米株高は円安でもあり、EURJPY(0.98)、GBPJPY(0.95)、AUDJPY(0.82)と強く、USDJPYで円安圧力を加えているが、この流れに変化が生じ、「株安=リスク回避の円高」も加われば、察しの通り円高圧力が強まることになる。


「今週の主な材料」でも記載している通り、今週はバイデン氏の支持率拡大=次期大統領への可能性が拡大し既に相場に影響を与えている。15日に予定されていた米大統領選討論会は中止となったらしいが、今後コロナ感染から回復した(?)トランプ氏がどのような強烈はパフォーマンスを示してくれるのだろうか? 


目玉のコロナ追加経済対策はトランプ氏が承認した1.8兆ドルなのか、ペロシ氏の2.2兆ドルなのかは別として、合意の可能性が高いように思われてならない。また、当初は英・EUのFTAを巡る合意案は15日期限となっていたが継続するともあり、GBPUSD相場に影響を与える可能性がある首脳会議(15~16日)はとても気になる。


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USDJPY

目先は105~106.50のレンジを世襲しておりこのレンジで対応したいが、中長期で見ればダウントレンドで変わらず、106.50を上抜けするまでドルショートの戦略も変わらず。一方、興味深いのはUSDJPYとは今まで全く関連性が見られなかったが、過去3週のデータでは、豪10年債利回り(-0.91)、独10年債利回り(-0.89)と高い逆相関にあり、これらの国への資金移動が起きていた可能性もちょっと気になる。


EURUSD

米大統領選の不透明感による逃避の買いや、最近の景況感の改善から買いが選好される流れは変わらず、中長期的な上昇トレンドを継続中。一方、短期的にはEUR高水準では「通貨高=低インフレ」よるEUR高けん制への可能性に加え、直近のEUR圏各国の「コロナ感染拡大=景気回復への懸念」+「EURロングポジションの積み上がり状態」を考えれば、1.18を中心とし1.7~1.9のレンジに収まりやすいのでは。


GBPUSD

英国のEU離脱の移行期間終了(12月末)が目先にせまりながらも、交渉を継続中で、経済指標を見れば景況感は徐々に持ち直し気味。双方はハードブレグジットを避けたいと思っていることは、最近の各要人や担当者からの発言やそれらの報道を見ても間違いなさそうだが、譲れない点もあり結論を出せないでいる。ただ、最近のGBPUSD相場を見ると、長期的には大枠1.25~1.35のレンジながら、中期的には大枠1.27~1.30のレンジの上値を上抜けして先週は終了している。離脱協議のゆくヘ次第ではあるが直近の動きだけを見ると1.2950をボトムとして再上昇を期待したくなる。


AUDUSD

先週10月6日の豪中銀理事会では、キャッシュレート・3年物国債利回りを0.25%で据え置いた。声明で「追加の金融緩和がどのように雇用を支えることができるかを引き続き検討」とあったことで追加緩和期待が強まり続落した。ただ、90日MA=0.7100近辺をボトムに過去3日は急反発し、日足ベースでは0.7230台と9月18日以来の高値水準で、週足ベースでは9月18日以来の高値水準を回復したことで市場のセンチメントが変化している可能性も。長期では0.70~0.75のレンジに入り、中期では0.70~0.74のレンジ、短期では0.71~0.73のレンジに入りやすい。



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