2020/10/30

2020年10月30日(金)昨日29日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

 2020年10月30日(金)昨日29日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)


米株高+金利上昇+資源価格下落+ドル全面高。特に次回ECB理事会の追加緩和期待にEURの弱さが目立つ。


欧州ではコロナ感染の再拡大に、ECBは異例となる「12月追加緩和を事前にコミット」、BOEも11月5日に資産買い入れ拡大はほぼ間違いなし。一方、米GDPは33.1%と過去最大の上昇率で、個人消費も40.7%と強く出た。 ただし、米国では来週の米大統領選の混戦状況を抜け出せず、追加景気対策も二の次状態で、米国でもコロナ感染急増中。これらの材料に相場は変動するも、サプライズではなく大枠は予想通りの結果ながら市場は反応。


欧州株は上下変動から前日とほぼ同水準で終了。米株は強いが終盤で伸び悩み、ダウは一時370ドル近く上昇から、139.16(+0.52%)で終了。Nasdaq+1.19%、S&P+1.64%。米債利回りは上昇し、10年債は0.831%(+0.06)へ上昇。原油価格は36.30ドル(-2.92%)と下落し、ブルームバーグ・コモディティインデックスは-0.72%と下落へ。


米GDPとECB理事会の影に隠れてテーマとならなかったが、独失業率は低下し失業者数は減少していた。また、ユーロ圏経済信頼感は強く、独CPIの前月比はプラス圏へ改善していた。一方、米NAR住宅販売保留件数は、前月比-2.2%と5か月ぶりの低水準。欧州発の経済指標はそこそこだったが、直近のコロナ感染拡大のリスクが市場は強く意識している。


本題の為替相場は、英国、フランス、ドイツを含め欧州ではコロナ感染が再拡大し各種規制が強まり、米国でも然り。結果としてショートカバーのJPY売りも見られたが、リスク回避の選択肢としてJPYの強さは変わらず。


USDJPYは、アジア・欧州市場では104.50を高値にリスク回避のJPY買いも続いていたが104.03をボトムに104割れを失敗。その反動と、米金利の上昇+米株高に104.73まで値を戻すも、欧米の取り巻くリスクを考えれば積極的なJPY売りも期待できず。105.00、105.50の上値の重い流れは変わらず。


EURUSDは、欧州市場に入り理事会前から1.1800の壁を割り込み9月終盤の安値まで下落したことで、EUR売りが続いていた。ECB理事会声明とラガルド総裁発言から、12月ECB理事会でPEPPの買い入れ枠拡大とTLTROの延期、預金金利の引き下げとサプライズの可能性の否定できず1.1650まで下落と弱さが目立つ。次の壁は1.1600~20。


GBPUSDは90日MA=1.2911を割り込み一時1.2881まで下落するも、減じてでは1.2920台となんとか終値ベースではこの水準を上回っている。 英EU通商協議の結果次第であることは変わりなく、これが判明できなければ、11月5日のBOEのMPCで資産買い入れ枠の拡大を意識した売り圧力も残る。


AUDUSDは、0.7076をトップに米国市場では一時0.7002まで下落と、何とか0.70の大台を維持。


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17:55 GER 10月 失業率=6.2%(予想6.3% 前回6.3%)、失業者数=-3.5万人(予想-0.5万人 前回-0.8→-1.0万人)→ 失業率は低下し、失業者数は予想外に大幅減少へ。


19:00 EUR 9月 消費者信頼感・確報値=-15.5(予想-15.5 前回-15.5)


21:30 USD 週間新規失業保険申請件数=75.1万人(予想77.5万件 前回78.7→79.1万件)→ 予想外に減少し改善へ


21:30 USD 第3四半期・速報値 前期比年率33.1%(予想31.0% 前回−31.4%)、個人消費=前期比年率40.7%(予想38.5% 前回−33.2%)、デフレーター=前期比年率3.7%(予想2.8% 前回−2.1%)、コアPCEデフレーター前期比年率3.5%(予想4.0% 前回−0.8%)→ 個人消費の上昇も強く、増加幅は予想を上回り統計開始後で最大の増加率で、減少分の大半を取り戻す。今回の統計で米経済の堅調な足取りが明らかになったが、専門家らは今後数カ月、経済の伸びはずっと緩やかで不安定なものになると予想する。新型コロナの感染拡大が再び加速しているほか、追加景気対策を巡る協議は膠着状態が続いている。


21:45 EUR ECB理事会=政策金利 Fixed rate0.0%、上限金利0.25%、下限金利-0.5%の据え置きを予想。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を1.35兆ユーロで維持を予想。資産買い取りプログラム(APP)月額200億ユーロ規模での債券買い取りに加え、追加で1200億ユーロの資産買い取りを年末まで継続を予想。


22:00 GER 10月 消費者物価指数・速報値=前月比0.1%(予想0.0% 前回-0.2%)、前年比-0.2%(予想-0.3% 前回-0.2%)、HICP前月比0.0%(予想0.0% 前回-0.4%)、HICP前年比-0.2%(予想-0.3% 前回-0.2%)


23:00 USD 9月 NAR住宅販売保留件数=前月比-2.2%(予想4.5% 前回8.8%)、前年比21.9%(予想 前回20.5%)→ 予想と前回を下回り5か月ぶりの低下へ


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ECB理事会→ 金融政策を据え置くも追加緩和策を事前にコミット

◎パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い取り枠は1.35兆ユーロ、中銀預金金利は-0.5%に据え置いた。

◎これまでの超緩和的な金融政策を維持するも、12月の次回会合で追加対策を講じることを強く示唆

→ 各国の新たなロックダウン措置によりユーロ圏経済が二番底を打つ可能性が高まっていることから、追加対策を講じる考えを示した。


声明

◎変化する状況に対応しながら、景気回復を支援し、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)がインフレ見通しに与える負の影響を相殺するような良好な金融条件を確保するため、必要に応じて政策手段を再調整する」


ラガルドECB総裁→ ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつあり、次回会合で新たな金融緩和パッケージで合意することは「ほぼ疑いない」と、異例な緩和姿勢を表明。

◎理事会は、リスクは明らかに下向きに傾いているとの認識で完全に一致した。

◎パンデミックと感染拡大、および感染拡大抑制策が経済に及ぼす影響の重大性を認識している。

◎こうした認識を踏まえ、次回理事会で政策措置を調整する必要があるとの見解で一致した。

◎各チーム、各委員会はすでに作業に取り掛かっている」とし、全ての政策措置の範囲、期間、規模が検証される。

◎12月までの間に手をこまねいていることはしない」と述べ、購入を加速させることもあり得ると示唆

◎ECBにできることには明らかに限りがあり、金融政策は大規模な財政政策で補完される必要があり、積極的で協調的な財政スタンスが引き続き重要。

◎債券購入プログラムの柔軟性を十分に利用する方針


→ パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大に加えて、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)の期間延長や預金金利の引き下げが含まれる可能性がある


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