2020/10/04

今週の為替相場を考える(10/5~9日)

 今週の為替相場を考える(10/5~9日)


先週で9月も終わり10月がスタートしている。目先の取引に全く関係はないが、月次ごとに年間チャートを作成しているのでみてほしい。これは1987年~2020年9月末時のデータで作成している。(別表を参照)


USDJPYは、アベノミクスで3年間急騰した後、2015年に125.849のピークを付けた後は、今年の今現在まで5年間続落するも下げ幅は緩やかで結局のところ、100~120円の大枠から抜け出せずにいる。


一方、EURUSDは、2015年以降は1.05をボトムに下げ止まり、大枠1.05~1.25(または、1.20)のレンジを抜け出せず、長い長いレンジ相場が続いている。GBPUSDも下髭は長いが、今年につけた1.1400をボトムに2017年以降は大枠1.14~1.43レンジとワイドレンジながら、コアでは1.23~1.35と1000ポイントに収まっている。AUDUSDもしかりで、2016年以降では今年の安値0.55をボトムに0.55~0.81のワイドレンジながら、コアでは0.70~0.78で800ポイントのレンジに収まっている。


つまり、長い動きに限定れば円高傾向が続き、他の主要国でここ4年から5年程度は下げ止まりながらも、底値圏でレンジ相場が続き、長期間のドル高傾向が続いているいることになる。


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9月11~10月2日までの4週間で週間チャートから相関関係を出してみると、相変わらずUSDJPYでは相関関係が高い相手は見つからないが、他では過去数か月と比べると相関関係が非常に高くなっているものが増えている。(別表を参照)


EURUSD、USDCHFは、19項目の内11項目で連動性が高く、USDCADとは−1.0の逆相関で、EURとCADの動きは一致しており、CHFとCADの1.0で強く一致している。


NYダウも、円クロスを含め通貨との連動性が高く、米株が上がればドル安になり円安になっている。また、GOLD、AUDJPYも同じく連動性も高く、これらは19項目の内で、10項目で相関・逆相関関係が高くなっていることも特徴である。拾いあげればきりがないのでこの辺で止めることにして各自で見てほしい。


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さて今週の為替相場だが、今週の主な材料でも書いているが、トランプ氏のコロナ感染の度合いが最重要で、短期間で復帰し目の前に迫った大統領選の支持獲得でフルに活動できるのだろうか?


これにより、米株が反応し、為替相場に影響を与えることは上記の相関関係でもわかる通り影響は大きいと言わざるを得ない。つまり、米株が下がればドル買・通貨売りとなり、動きの乏しいUSDJPYではクロスの影響を受け弱いながらJPY高へと動き、逆ではドル売りとなりJPYはいずれにしてもクロスの影響を受ける。もっとも、可能性は少ないが米国全面売りとなれば、株売り+債券+ドル(通貨)とトリプル安になる可能性は否定できず、その場合は円高方向に加速することになる。


コロナの結果は不確定要因として除いても、あと1か月に迫った米大統領選の不透明感を考えれば、その後の米中通商協議の行方も全く分からない状況は変わらず。したがって、国策である米株高のトレンドは変わらないとし、仮に下落したとしても限度があると思われる反面、外資が米国に更に追加投資することは難しく、ドル安の傾向が続くと考えたい。



USDJPYは、90日MA=106.47を抜けるまでは円高方向の流れは変わらず、目先は105.40~60の上値が重くなっている。


EURUSDは、今週のラガルドECB総裁の発言が気になるが、資産買い入れ枠の増加を織り込みながらも、マイナス金利の深堀はないと考えたい。引き続き、長期的にはドルに対して最大のヘッジ通貨であることは変わらないが、現状はIMMのポジショではEURロングが多いことは気になる。1.1600を割り込んだらさらなる調整のEUR売りが入ると思いながらも、1.1600~1.1800のレンジを考えたい。


GBPUSD、英国のEU離脱の期限が迫りつつあり、英・EUとの「離脱協議案」を英国は交渉を有利に進めるための交渉案なのか? 「国内市場法案」も気になる一方で、必至なEUと英国はギリギリのところで妥協策を模索しているのも事実で、それをめぐる報道で相場が上限変動した先週を思い出す。個人的には最終的に何らかの合意の上でブレグジットを迎えると思っているが、報道による一喜一憂で上下変動(それも大きい)が激しくなっており、オプションのGBPコールの買いでお茶を濁すしかなさそう。


AUDUSDは、6日に豪中銀理事会があり、政策金利は据え置きが固いと思うが、声明や総裁発言でどのような内容となるのか? 発言内容にもよるが、今週の相場の動きを決める可能性もあり注意している。このリスクを除いて考えれば、0.7100をボトムにAUD高を考えたい。


年間チャートの別表と、相関関係の別表は、別途ご覧ください。

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