2020/10/18

今週の為替相場を考える(10/19~23日)

 今週の為替相場を考える(10/19~23日)


為替相場を含め金融市場は11月3日の米大統領選の結果を見るまでは一方向にポジションを積み上げらえない状態となっている。また、ひょっとしたら勝者が判明しても訴訟合戦などの泥沼に陥るリスクも否定できない。


さて、今週の為替相場を考えると、メインは米大統領選の動き次第であることは間違いなく、22日にテネシー州ナッシュビルで開催される大統領候補者討論会の評価の結果などで相場が動くことは間違いなさそうで、いずれの方向に動くは予想できない状況であり今週は様子見を決め込むことも一案では?


コロナワクチンや治療薬の使用が目の前に迫っているとの朗報を別にすれば、欧州・英国の主要都市ではコロナ感染の再拡大に規制の動きが広まり経済的なダメージが心配されている。また、米国の一部州でも感染の拡大が続いており、日本国内でも決して「対岸の火事」で収まり切れないリスクも気になるが、現状はリスク回避に円が選好される流れは変わりそうにない。


リスクと言えば、英・EUは自由貿易協定(FTA)で合意ができずハードブレグジットの可能性のリスクは強まり、その影響に加えECBやBOEの追加緩和の期待度は強待っている。一方、米国は大規模な追加景気対策の早期合意が切望されているが、金融緩和で一歩先んじているFRBは2023年まで現行のゼロ金利政策の維持を示唆しており、この点だけを考えれば、EURUSD、GBPUSDは引き続き上値の重い展開となりそうである。


米大統領選の選挙戦で忙しい米国を前にして、中国は米国の友好国に対してプレッシャーを強めている。中国は豪州に対して石炭、ワイン、綿花、大麦など次々に輸入規制を拡大し、AUD売りの材料の一つで、15日のロウ豪中銀総裁から追加利下げの可能性を示唆する発言もあり、AUD売りへと動いているこの流れは今週も尾を引きそうである。


また、ホークスビーNZ中銀総裁補も「マイナス金利は現実的にあり得ることで脅しではない」と発言しNZD売りにつながっていたことも忘れられない。そのNZ総選挙では、アーダーン首相の与党が圧勝し単独過半数を確保し首相の続投は確実となっている。


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USDJPY

それなりに取引量は増えてはいるが、結果として105.00~106.20のレンジ相場が続いている。基本は106.50を上抜けするまでは円高傾向を維持と考えている。IMMシカゴの円ポジションは増えず逆に小幅低下しており市場参加者の円高期待度は予想外に低い。この円ロングの低水準を円安トレンドとみるのか? それともポジションが少なく円高に動きやすいチャンスとみるのか? 


EURUSD

後で思うと1.20の壁は鉄壁であった。目先はネガティブ材料が満載で、①IMMポジションでロングは減少気味だが引き続き高水準で変わらず。②ECBのPEPPの延期・増額がささやかれ、③大都市でのコロナ感染再拡大、④英EUのFTAの話し合い難航(決裂?)。それでも短期では1.1700~1.1850の下限を割り込みながらも何とか終値ベースでは1.17の大台を維持。これをEURは強いのか? それとも弱いのか? どちらか判断するのか判断は難しいが、レンジのコアは1.16~1.19と想定して長めのポジションをとるか、1.17前後で買い、狭い利食いと損切に徹することも考えたい。


GBPUSD

GBPUSDやGBPJPYなどGBP絡みのトレードをやっている人は、英EU通商協議に関するコメントや報道で上下大きく変化する日々が続き、短期取引でもスリル満点であると思われる。それも、英国が設定した15日の期限を過ぎEU首脳会議15~16日も過ぎ合意なきEU離脱のリスクを意識しながらも、まだ交渉は継続するとある。いくら相場は織り込んでいるとは言え、IMMのポンドポジションからみると以外にもポンドのショートは拡大せず、6日と13日の比較では逆にロングが微増しているこの現状をどう判断すればいいのだろうか? 1.2850~1.3000ワイドレンジが継続していると考えたい。


AUDUSD

ロウ豪中銀総裁のハト派発言、中国の豪州からの輸入規制など、ネガティブ材料が多数あるが、引き続き0.70をボトムに何とか下げ止まっており、今までの0.70~0.7250のレンジを継続中。


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