2020/10/09

2020年10月9日(金)昨日8日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

 2020年10月9日(金)昨日8日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)


米大統領選はバイデン氏が有利に展開しているが、コロナ克服(?)のトランプ氏は次にどのようなサプライズを提供してくれるのだろうか?


英EU離脱交渉の不透明感が残るも合意に向けた動きを期待する声も残る。欧州ではコロナ感染拡大のリスクが強まる。一方、個別対策にシフトした米追加支援策の期待が株式相場を後押し、ECB議事要旨ではユーロ高や低調なインフレ期待に警戒感を示す。


ダウは一時値を下げる局面も見られたが結局は小幅高を維持し+0.43%上昇、Nasdaq+0.5%、S&P500+0.8%と、米追加経済対策を期待し上昇傾向を維持。


米債利回りは軟化し、10年債は0.770%(-0.025)と小幅低下。原油価格は強く41.28ドル近くで推移(+3.33%)、金貨・銀価格も小幅上昇し、ブルームバーグ・コモディティインデックスは+0.5%の上昇へ。


肝心の為替相場は、豹変するトランプ氏の追加支援策は「航空業界向け支援や個人への小切手支給などを巡り協議」と期待感に株高を支持するも、米債利回りは軟化し、為替相場では大きな動きは見られず。


EURUSDは、イタリア、フランス、ポルトガル、スペインなど欧州各国で新型コロナ感染の第2波が加速。ECB理事会議事要旨では「ユーロ高や低調なインフレ期待に警戒」に米国市場の序盤に一時1.1730台まで値を下げるも、引き続き1.17~1.18のレンジを抜け出せず。方向性は引き続きEUR高。


USDCADは、7日の1.33340を高値に続落中で、終盤にかけては1.3200を割り込み強い。マックレム・カナダ中銀総裁は「マイナス金利導入は積極的に議論していないが、選択肢の一つで絶対にないとは言い切れず」とあったが、1.3250の上値は重く続落していた。


USDJPYは、アジア市場の高値106.11を除けば、105.90~05のレンジで大きな変化は見られず。GBPUSDは、英EU離脱協議の進展次第で、積極的にポジションを傾けられず。1.2890~1.2970のワイドレンジで振幅は相変わらず多きく、短期取引では最適。引き続き個人的には何らかの合意を期待している。


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マックレム・カナダ中銀総裁発言

◎マイナス金利導入は積極的に議論していないが、選択肢の一つで絶対にないとは言い切れず。

◎新型コロナウイルス危機によって引き起こされた経済的問題に対処する上で必要な場合には講じることができる措置の一つ。

◎融資支援やイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)なども可能な手段とし、新たな問題が発生すれば量的緩和政策の規模を拡大する一方、事態が好転すれば規模を縮小する

◎経済と金融システムが今後の経済ショックに対して一段と脆弱になることは避けられない

◎コロナ危機からの完全回復には時間がかかると改めて表明。感染第2波など多くのリスクがなお存在する

→ カナダ中銀は3月に政策金利を過去最低の0.25%に引き下げ、少なくとも2年間は低金利を維持すると表明。追加刺激策を講じる場合には債券買い入れプログラムの調整から着手するとしていた


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トランプ大統領→ 航空業界向け支援や個人への小切手支給などを巡り協議していると表明

◎より限定的な支援策で交渉が進展している(包括的な追加支援策を巡る協議停止を先に発表済み)

◎新型コロナ経済対策を巡る議会との協議が再開し、合意に達する可能性は十分あるとの認識を示した

◎航空業界向け支援や個人への小切手支給などを巡り協議している。

◎民主党のペロシ下院議長が合意を望んでいる



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欧州各国で新型コロナ感染の第2波が加速、

◎欧州各国の新型コロナウイルス新規感染者は8日も増加が続いた。フランスや英国のほか、イタリアなどでも感染が再拡大している。

◎英政府が一部の地域で制限措置を強化することを検討。1日の新規感染者数が1万7540人を超えた。フランスのパリでは病院が緊急態勢に入った。

◎フランスは2日連続で1万8000人以上の新規感染を確認。新型コロナ感染症による入院患者も3カ月ぶり水準の7624人で、8月末時点の約4500人から大幅に増加している。

◎イタリア当局は、過去24時間の新規感染者が4458人に上ったと発表。4000人を上回ったのは8月中旬以来。

◎ポルトガルの新規感染者は1278人で、4月以来の高水準を記録。政府は今後の試練に備える必要があると警鐘を鳴らした。

◎スペインでは首都マドリード全域で中央政府が再導入したロックダウン(都市封鎖)措置について、マドリードの裁判所が8日、施行を認めない判断を下した。


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英・EU通商交渉、見かけほど悪くない可能性(bloomberg)

◎英国と欧州連合(EU)の通商交渉は決裂の危機に向かっているかの様相だが、実際の状況は見かけほど暗くない可能性がある。

◎表面上は英国、EU共に瀬戸際政策を取っているのは明らかだ。両者ともにジョンソン英首相が主張する10月15日の期限までに合意見通しが立たなければ、交渉打ち切りもやむを得ないという姿勢を示している。

◎一方、舞台裏では当局者はより前向きだ。政治的な攻防は不可避だが、経験豊富な交渉当局者は合意成立直前に最も厳しい場面に見舞われることが時としてあると熟知している。

◎EUは15日に首脳会議を行うが、通商交渉の期限であることは意識せず、どれだけ長くかかろうとも交渉を継続する計画だ。


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ベイリー英中銀総裁 → 英経済のリスクはかなり下向き、策は尽きていない

◎英第3四半期GDPは、おそらく新型コロナウイルス流行前の水準を7─10%下回ったとして、2週間前と同様の見方を示した。

◎20%超の落ち込みだった水準からは改善したが、一部のセクターは依然規制で業績が低迷し、回復は非常にまだらな状態となっている。

◎われわれの政策ツールは決して尽きていない。感染第2波、第3波に対し対策を適切かつ強力に活用する



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