2020/10/15

2020年10月15日(木)昨日14日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

 2020年10月15日(木)昨日14日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)


トランプ・バイデン両氏のどちらが勝者となるのか不透明な米大統領選前に、追加経済対策はほぼ消滅のリスクに米株は軟化。英EU離脱の通商協議は15日以降も継続し、EU首脳会議の草案では年末まで交渉を加速させ何らかの合意の期待に、GBPは続伸。新型コロナウイルスは、英国やイタリア、スイス、ロシアなどを中心に再拡大に経済への不安も残る。


ダウは−0.58%、S&P−0.66%、Nasdaq−0.8%と弱い。米10年債利回りは一時の低下から回復し0.732%と前日とほぼ同水準で推移、原油価格は41.05ドル(+2.16%)と上昇幅を拡大し、金・現価格も強く、ブルームバーグ・コモディティインデックスは+0.59%へ上昇。


為替相場は、米追加対策の遅れと不透明な米大統領選を意識した円買いにUSDJPYは欧州市場の高値105.52から米国市場に入りリスク回避の動きや株安に105.04まで続落。クロスでもGBPJPYを除きJPY高傾向が続いており、ダウンサイドを狙う動きは変わらず。


合意なきEU離脱のリスク軽減(期待)に、GBPの買いが強く、GBPUSDは欧州市場の安値1.2863から米国市場では1.30の大台を上回り1.3064まで上昇。過去5日間では大枠1.29割れは買い~1.31近くは売りの流れを継続しており、ジョンソン・フォンデアライエン両氏(14日)の話し合いの結果や、15・16日のEU首脳会議の結果を注視したい。


EURUSDは、ECBの追加緩和の有無がテーマとなっているが意見は混在し不透明感は免れず。結局は一日を通じて1.1720~70のレンジで、1.7~1.85のレンジ相場を継続中。


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21:00 USD 9月 生産者物価指数=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.3%)、前年比0.4%(予想0.2% 前回-0.2%)、コア前月比0.4%(予想0.2% 前回0.4%)、コア前年比1.2%(予想0.9% 前回0.6%)→ 予想や前回を上回る


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ムニューシン米財務長官→ 追加経済対策で、選挙前に対策がまとまる可能性はほぼ消滅

◎数カ月に及ぶ追加経済対策協議が政治のために前に進めなくなっていることを示唆

◎15日も協議を継続するが、追加の新型コロナウイルス経済対策案について、来月3日の米大統領選までの合意に懐疑的

◎約1時間にわたり電話協議したが、共和党のマコネル上院院内総務が推す中小企業支援に絞った法案の採決が超党派で支持されることを期待すると、長官は述べたが、民主党の指導部は断片的な措置には関心がない。


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英国と欧州連合(EU)の離脱に伴う通商交渉

◎英国側が設定した15日期限以降も交渉を続けるとの関係筋による見通しに、ポンドが上昇。

◎協議は非公開だとして関係者が匿名を条件に述べたところによると、ジョンソン首相は15、16日のEU首脳会議を踏まえて交渉を打ち切る是非を決定する。同首相の顧問らは、数日内に集中的な協議を開始すれば合意は可能だと首相に進言するとみられる。ポンドは一時1週間ぶりの安値を付けたが、上昇に転じた。


EU首脳会議の文章草案(ロイター)

◎会議ではEUのバルニエ首席交渉官に対し、移行期間が終了する年末までの合意締結に向け交渉を加速するよう求める。

◎EU首脳らは会議で、交渉進展が「依然として十分ではない」との見解を示す見通し。

◎関税やクオーター制を回避するために交渉決裂時の準備も加速する方針で、英国側に従来の離脱協定の完全な順守を要請する。


あるEU外交筋

◎ガバナンスに関する約束や漁業に関する進展がなければ、合意に向けた時間切れも考えられないことではない」と指摘。「つまり、ポジティブな状況でもあるが、各当事者は進展させる方法を模索するだろう。しかし、肝心なことは英国が欧州の言い値を支払おうとしないことだ」と述べた。


別のEU外交筋

◎合意は依然可能だ。私はそれほど悲観的ではない」


ジョンソン英首相と、フォンデアライエン欧州委員長と会談(14日)は???


英国のフロスト首席交渉官

◎ジョンソン英首相に、交渉継続の意志を確認し、貿易から輸送などあらゆる分野での合意が可能を検討する方針。


関係筋

◎フロスト氏は合意が難しいものの、双方が今後数週間に集中して取り組めば不可能ではないと述べる


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ラガルドECB総裁

◎気候変動リスクを踏まえ、資産購入プログラムで債券市場の構成に従って購入することが適切かどうかを自問する必要がある

◎環境を汚染する企業が発行する債券を市場が正しく評価しているかどうかだ。欧州連合(EU)連合が気候変動問題に積極的に取り組む中で、そうした債券は将来的に価格が下落し、ECBのバランスシートに対するリスクとなる可能性がある。


ホルツマン・オーストリア中銀総裁

◎加盟国が新型コロナウイルスとの闘いに、より長期的かつ広範囲で、厳格な封じ込め措置を取るなら、追加刺激策を導入する必要がある

◎物価と金融の安定を守るため、短期的に金融・財政面でさらなる緩和策が必要だ


デコス・スペイン中銀総裁

◎ユーロ圏の借入コストの格差が拡大するのを防ぐために、各国国債の購入に当たり柔軟性を示し続けるべき。


メルシュECB専務理事

◎ECBが見直しを進めるインフレ目標について、新たな戦略が必要かどうか、まだ確信できていない。


レーン・フィンランド中銀総裁

◎今後の戦略には両方向の乖離に同じように効果的に対応できる対称的なインフレ目標が必要。

◎慢性的に低インフレが続いている現在の環境では、インフレ期待が低すぎる水準に固定されていないと確認することがより重要。


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