2020/10/25

今週の為替相場を考える(10/26~30日)

 今週の為替相場を考える(10/26~30日)


最近の金利上昇傾向は気になるが、為替相場のみならず金融市場は総じて、来週11月3日の米大統領選でバイデン、トランプ両氏のいずれが勝利するのかを見守る動きが今週も続きそうである。


前回の米大統領選ではトランプ氏が予想外に大統領に選出され相場の波乱要因となった二の舞は踏みたくないとの判断に消極的な動きにならざるを得ない。さらに、仮にバイデン氏が勝利しても最近の最高裁判事をめぐる動きから、郵送は不正投票といちゃもんがつけられ誰が最終的に勝利するのか混乱する可能性も否定できず。


この大統領選の動きい加え、最近では新型コロナの追加経済対策をめぐり、ホワイトハウスとペロシ米下院議長と合意に近いとの観測もあるが、共和党内部の意見相違は埋まらず、大統領選後にずれ込む可能性が高くなっている。


この合意の有無をめぐる材料に相場が一喜一憂する動きが続いていたが、どうなることだろうか? いずれにしても、遅かれ早かれ何らかの追加経済対策が合意し、その結果、米経済にプラス効果を期待しているが? 


さて、為替相場は、誰が次期米大統領に選出されるかで、ドル安だ、いや、ドル高だとの主張が見られるが、個人的にはどうなるのか不安でならない。


市場はバイデン氏有利との判断に、景気拡大策=株高+金利上昇を見込んでいるとの観測記事が目立つ。 米10年債利回りは上昇し6月の水準近くとなる0.87%近くまで上昇したことも一因として先週の後半はドル売りも収まりかけてはいるが、相変わらず、EURUSDの買い戻しは強く、緩和期待に売り込まれたAUDUSD、NZDUSDも値を戻しつつあり、安全資産としてのJPY+CHFも強含みで推移している。


米10年債利回りとの相関関係を過去3週間でチェックすると、EURUSD、GBPUSD、USDCHF、USDCAD、日本10年債利回りと0.80~0.90台の相関・逆相関関係があり高く、日経平均(0.78)、USDJPY(-0.65)とそれほど強くはないが、それなりに相場に影響を与えていたことは間違いなさそうである。


直近20日のIMMシカゴのポジション(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドルの7通貨)を見ても、187,763→186,807(956コントラクト減少)と前週との比較ではユーロ+円+カナダドルは売り越しとなったが、逆にポンド、スイス、豪ドル、NZドルは買い越し増とポジションの調整にとどまり、新たなポジションをとる動きには見えない。


今週のIMMコメントにも書いたが、特に、ユーロのロングポジションは8月25日の211,752から今回は165,943(約21.6%)コントラクトまで減少した半面、同日のEURUSD相場は終値ベースで1.18344→1.18212と下げ幅はわずかで、ポジションが減少しているにも関わらず、EURUSDの水準は下がっていないことが示され、トレンドとしてのEUR高を期待したくなる。


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USDJPY

105~106.50のレンジから、104~105.50のレンジと円高方向へと切り下がっており、105.50を上抜けするまでは円高を意識した動きへ。リスク回避の円高思考や、EURJPYの強い影響を受けがちながら、過去3週間の動きではUSDJPYは通貨、金利、株式との相関関係は鈍く、ある意味では独自の動きをしていることになる。


Weeklyチャートでは、6月以降22週MAを上限にして上値が切り下がる下落基調が続き、Monthlyチャートもダウントレンドに入っている。月足終値ベース(月中では何回か割り込んではいるが)では2016年11月以降のボトムとなっている200MA103.922が大きなポイント。



EURUSD

追加緩和が示唆されると思われる今週のECB理事会が大きな相場変動要因ではあるが、EU英通商協議の行方も依然として不透明で、欧州各国の主要都市ではコロナ再感染の拡大に規制の動きが強まるなど、今後の成長鈍化リスクなどネガティブ要因も多い。


それでも1.1700~1.1900のレンジを継続し、直近では1.1800を上回り底堅く、9か月MA=1.1735の大きなポイントを割り込むまでは上昇傾向を期待している。週終値ベースを見ると1.20の高値を更新した週の終値1.18356を上回り先週末には1.18573で終了し強さが目立っている。


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