2020/10/16

2020年10月16日(金)昨日15日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

 2020年10月16日(金)昨日15日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)


欧州のコロナ再拡大、ECBとBOEの追加緩和期待、EU首脳会議への失望と期待の混在、米追加経済対策の遅れと米大統領選の混迷もリスク要因で変わらず。


トランプ大統領は1.8兆ドルの提案を引き上げる意向を示唆するも、与党共和党上院トップのマコネル院内総務は反対し5000億ドルを支持、ペロシ米下院議長との合意も得られず。米追加経済対策の遅れの影響は続く。


米株は欧州株の下落や予想外に悪化した米失業保険申請件数に大幅安からスタートするも、下げを縮め、ダウは−0.07%、S&P−0.15%、Nasdaq−0.47%と大幅に回復して終了。米債利回りも下落から上昇へと変化し、10年債は0.734%(+0.002)とほぼ前日と変わらず。


原油価格は、41.29ドルの高値からコロナ感染再拡大に需要減に39.22ドルまでの下落から、在庫減少に41ドル台へ反発。金・銀価格は小幅高で、天然ガスやコモディティ価格の上昇もあり、ブルームバーグ・コモディティインデックスは+0.6%と強い。


EURUSDは、欧州主要国のコロナ感染再拡大に新たな封鎖措置を懸念し欧州株下落。ECBの追加緩和期待(PEPPの拡大)も強く、欧州市場の序盤の高値1.1758から1.1689まで続落。1.17~1.1850のレンジの下限を一時割り込むが1.1700+−10ポイントのレンジで推移中。


GBPUSDは、ハードブレグジットはあるのか、ないのか?1.30の壁を割り込み1.2890台まで続落。EU首脳は英国との交渉を数週間延長することで合意したが、失敗した場合に合意なき離脱の事態に備えるよう呼びかけている。英政府はEU首脳会議に失望とありが、引き続きEU・英FTA交渉の行方は不透明。


USDJPYは、円高期待が続いていたが失敗。105.00~30のレンジの上値を超え、105.30~50のレンジで推移中、結局は105.00~106.50のレンジを継承中。


AUDUSDは、アジア市場でロウ豪中銀総裁から追加利下げの可能性を示唆し、AUD売りが強まったながれが止まらず。欧米市場では0.7056まで下落し、9月25日の安値0.7006で、0.70の重要なポイントを引き続き維持しており、この水準がボトムとなるのか?


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トランプ大統領

◎再選したら所得減税する

◎民主党側に示している1.8兆ドルの提案を引き上げる意向を示唆。

→ 一方、与党共和党上院トップのマコネル院内総務は大統領の提案を一蹴。

◎ムニューシン米財務長官に1.8兆ドルを超える刺激策を提示するように指示したが、現時点では合意に達していない。

→ 民主党は規模2.2兆ドルを提案。トランプ大統領はこれまでのところ「ディール(取引)は得られていない」としている。

◎ペロシ米下院議長はあらゆるものを求めており、何かを行うことは非常に難しい。


与党共和党上院トップのマコネル院内総務

◎経済対策の増額が議論されているとしたが、ほぼ全ての上院共和党議員ははるかに規模が小さい5000億ドルの支援法案を支持しており、議会に提案するつもりだ。

◎法案が大統領選前に議会で承認できなくても、選挙後には実現するだろう


共和党のマッカーシー下院院内総務

◎ペロシ下院議長を合意に向けた「障害」と批判し、ペロシ氏が関与している限り、大統領選までに合意に達することは想定していない


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EU首脳

◎対英関係の結論を採択し、英国との貿易交渉を今後数週間継続することを要求。


バルニエEU首席交渉官

◎集中的な話し合いを今後も数週間続ける、まだ多くの作業を行う必要がある。

◎明日16日から英国と交渉し週末にはロンドンで交渉する

◎我々は合意のためにできる限りのことをするが、何が何でもというわけではない

◎英国がEU市場へのアクセスを希望する場合、公平な競争の場に同意する必要がある


英政府

◎EU首脳会議には驚きと失望したとし、明日16日に対応を表明する


英首相報道官

◎フロスト英国のEU交渉官は通商協議の状況を首相に報告した

◎EUからの結果を待っており、英国の次の段階の設定に反映させる

◎引き続きEUとの合意を望んでいる、それが我々の目標だ


ミシェルEU大統領

◎合意に向けて断固たる決意で一致しているが、交渉が進展していないことを懸念。

◎私たちは英国に必要な行動をとるよう要請、離脱協定は完全に履行されなければならない


コベニー・アイルランド外相

◎欧州連合(EU)と英国とは漁業に関して数マイル離れている

◎合意は難しいが可能ではある


マーティン・アイルランド首相

◎満足できる自由貿易が、すべてのEUの人々の関心事

◎EU首脳は人々へ合意なき離脱によるショックを与えること望まず

◎まだ期限内の合意が可能と考えており、合意に達することが重要で、最終的には交渉延長もある。


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