2017/08/16

2017年8月16日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年8月16日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き


FOMCを前にして発表の英雇用統計の好評価は微妙、GBP買いを維持できず。

欧州株は強く、EURO STOXX50は0.9%近く上昇、英米債券利回りは上昇。米株は強くスタートし、米10年債は前日と変わらず。

英失業率は1975年来の低水準、失業者は予想外に減少し、平均所得も拡大し、GBPは一時急伸。それでも、実質賃金の上昇が-0.5%と低下していることで高評価は見られず。ユーロ圏GDPの前年比は速報値から上方修正へ。

サプライズは、予想外に弱い米住宅着工件数と許可件数で、共に予想外にマイナス幅が拡大しドル売りが強まる。

USDJPYは、110.50台をボトムに、英雇用統計を前にした投機的な値動きにGBPJPYが上昇。クロスの円売りも強く前日の高値110.85を超えて上昇。そして、強い英雇用統計を受けたGBPJPYの上昇に110.95まで続伸するも、111円の大台を付けられず、弱い米住宅関連の指標に110.70まで下落するも底堅く、110.70~110.95のレンジで推移。

GBPUSDは、英雇用統計の発表前の前哨戦に投機的な売買が活発となり、1.2842~78のレンジで上限を試す動きが続いた。強い英雇用統計を受けたGBP買いに、先週末の強い米CPI後の戻り高値となる1.2903まで急伸するも、1.29台の上値は重く続かず、賃金の伸び率が弱く、米住宅関連の指標も予想外に弱い結果となるもGBPUSDの買いは鈍く1.2860近辺で取引が続いている。


EURUSDは、アジア市場では動きは緩慢で、欧州市場に入って英雇用統計を前にした投機的な売買が活発になった。英雇用統計を受けてEURGBPの1.1691~1.1758のレンジで上下し、米住宅関連の指標も予想外に弱い数字にも1.1720台の上値は重くなっている。

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GBP 7月 雇用統計: 失業率=2.3%(予想2.3% 前回2.3%)、失業者数増減=前月比-4,200人(予想 前回5,900→3,500人)、雇用者変化(3か月/3か月)=12.5万人(予想9.7万人 前回17.5万人)、ILO失業率=3か月/3か月比=4.4%(予想4.5% 前回4.5%)、平均所得(含むボーナス3か月/3か月)前年比=2.1%(予想1.8% 前回1.8→1.9%)、平均所得(除くボーナス3か月/3か月)=2.1%(予想2.0% 前回2.0%)→ ILO失業率は1975年来最低、失業者数は予想外に減少、平均所得は2.1%に小幅拡大するも、CPIが2.6%のため実質所得は-0.5%の低下


EUR 第2四半期 GDP・改定値=前期比0.6%(予想0.6% 前回0.6%)、前年比2.2%(予想2.1% 前回2.1%)→ 前年比は予想を上回る。

USD 7月 住宅着工件数=前月比-4.8%(予想0.4 前回8.3→7.4%)、1115.5万件(予想122万件 前回121.5→121.3万件)、住宅建設許可件数=前月比-4.1%(予想-2.0% 前回9.2%)、122.3万件(予想125万件 前回125.4→127.5万件)→ 予想を大幅に下回る

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関係筋=ドラギECB総裁は7月25日のジャクソンホールで開催の年次シンポジウムで、金融政策に関する新たなメッセージは出さない。ECB理事会の合意に沿って政策に関する議論は秋まで控える意向。

エストニア中銀総裁=ECBの資産購入策の終了はユーロ圏経済の回復次第。