2019/05/16

2019年5月16日(木)昨日15日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年5月16日(木)昨日15日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

貿易交渉の期間中は課税しないことで欧州と日本の間で合意があり、期待と予想通りの結果となったのだが、いざ、トランプ大統領が輸入自動車の課税措置を半年延期するとの報道に市場は一時反応。

米国は2月17日に通商拡大法232条に基づく自動車関税に関する報告書をトランプ大統領に提出。90日以内(5月17日まで)に内容を精査し25%の高関税が課される可能性があった。

トランプ大統領は、この課税措置の発動を6か月間延期するとの決定。この報道を受け、欧米株は上昇し、WTIは上昇、米債利回りは下げ止まるも米小売売上高+鉱工業生産・設備稼働率と弱く反発力は限定的で10年債は2.37%台(前日2.41%台)と弱く、VIXは下げへと変化し16台へと大幅下落。

為替相場はこの報道を機にドル買い→ドル売り変化、JPYは買いから売りへと変化へ。ただし、その後の動きは通貨間で異なり、実際の強弱の差が感じられる。

USDJPYはアジア・欧州市場の109.70を高値に109.15まで下落から、この報道を受け109.69へ上昇するも、70を超えられず米債利回りの低下傾向や米中貿易交渉の落ち着きどころが見えずJPY売りも限定的。

EURUSDは欧州序盤の1.1217の高値からイタリア・スペインの政治的問題や強さが見えない独GDPに1.1180台まで下落、この報道を受け1.1225まで上昇するも1.1200台で推移と上昇力も今一つ。

AUDUSDもアジア序盤の0.6947を高値に米中貿易問題の悪影響や弱い中国経済指標の悪影響は消えず0.6915まで続落。この報道を受け0.6920台→0.6937まで上昇するも再び0.6920台へと買い戻しも継続性も弱い。

USDCADはアジア市場の1.3456から欧州市場ではカナダの弱いコアCPIに1.3494まで上昇していたが、この報道を受け原油価格の上昇も加わり1.3427まで下落しCADの高値圏で推移。

GBPUSDはアジア市場の1.2923を高値に1.2826までの下げから、この報道を受け1.2879まで値を戻すも、6月3日の週にEU離脱案の採決を目指す動きも混沌としており、1.2840台と安値圏近くで推移、底値は見えず。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

21:30    USD 4月 小売売上高=前月比-0.2%(予想0.2% 前回1.6→1.7%)、除自動車前月比0.1%(予想0.7% 前回1.2→1.3%)→ 予想外に弱く前月比はマイナスへ

21:30    USD 5月 NY連銀製造業景気指数=17.8(予想8.0 前回10.1)→ 予想と前回を上回る

21:30    CAD 4月 CPI=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.7%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回1.9%)、コア共通CPI前年比=1.8%(予想1.8% 前回1.8%)、コア中央値前年比=1.9%(予想2.0% 前回2.0→2.1%)、コアトリム前年比1.9%(予想2.1%=前回2.1%)→ 総合は予想通りながら、コアの中央値とトリムは予想を下回る

22:15    USD 4月 鉱工業生産=前月比-0.5%(予想0.0% 前回-0.1→0.2%)2017年8月以来の低水準 、設備稼働率=77.9%(予想78.8% 前回78.8→78.5%)→2018年7月に並ぶ低水準で、共に予想と前回を下回り弱い、

23:00    USD 5月 HAHB住宅市場指数=66(予想64 前回63)→ 予想と前回を上回る

23:00    USD 3月 企業在庫=前月比0.0%(予想0.0% 前回0.3%)→ 予想と前回と変わらず

23:30    USD EIA石油在庫統計=543.1万バレル(予想80万バレル 前回-396.3万バレル)

5:00    USD 3月 対米証券投資=ネットTICフロー合計=-81億ドル(予想-309億ドル 前回-216→-215億ドル)、長期TICフロー純額=-284億ドル(予想435億ドル 前回519億ドル)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【北米】
米国は2月17日に通商拡大法232条に基づく自動車関税に関する報告書をトランプ大統領に提出。90日以内(5月17日まで)に内容を精査し25%の高関税が課される可能性があった。

バーキン・リッチモンド連銀総裁は、利下げ利上げ共に根拠は見当たらず。インフレが目標を下回るのは一時的な要因の可能性。経済は健全だが企業の信頼感は脆弱。

【欧州】
クーレECB専務理事は、非伝統的措置が長期間続く可能性を示唆し、世界経済の減速が正常化の遅れを指摘。

英野党・労働党の幹部議員は、メイ首相のEU離脱協定案について、党の条件を満たさなければ来月の採決で反対票を投じ、棄権もしないと言明。メイ首相は離脱協定案の議会採決を6月3日の週に行う。英メディアは、労働党が採決で棄権し、その後の法案修正を模索する可能性があると伝えていた。

英与党・保守党のEU離脱推進派議員らは15日、メイ首相の離脱協定案について、来月の採決で否決に持ち込む方針を表明した。前回賛成票を投じた一部同僚議員が協定案はどうすることもできないと話し、今回は反対に回ると聞いたと明かした上で、「何度も同じことの繰り返しだ」と述べた。

メルケル独首相は、金融危機の教訓が少し忘れられているようだ。

メイ首相は議会が夏休みに入る前の6月3日の週にEU離脱案を採決へ

フォックス英貿易相は、議会は来月、合意に基づくEU離脱か、合意なき離脱、離脱の撤回のいずれかを選択しなければならない

【アジア・その他】
黒田日銀総裁は、モメンタムが失われれば適切な追加緩和を行う。財政や通貨の信認が失われ、為替が下落した場合の輸入物価の上昇は受け入れられない。今すぐ検討しているわけではない。

豪第1四半期の賃金は前期比0.5%(予想0.6% 前回0.5%)、前年比2.3%(予想2.3% 前回2.3%)、前期比は予想に届かず。

国際エネルギー機関(IEA)の月報は、イランやベネズエラからの原油供給減少は、米国の旺盛な生産で穴埋めされるため、石油輸出国機構(OPEC)はわずかな供給拡大で十分との見方を示した。

イランは核合意の履行を正式に一時停止。イランは先週、中国、フランス、ドイツ、ロシア、英国に核合意の履行を一部停止する方針を通知していた。

インドネシア・ルピアは、4月の貿易赤字が過去最大となり下落へ。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※