2019/05/18

最近のIMMポジションから見えること(5月18日)

最近のIMMポジションから見えること(5月18日)

集計日が5月14日の最新データで、直近の7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のIMMポジションを見ながら、相場動向を考えてみたい。

7通貨合計のネットポジションは-323,281コントラクトであい変らずドルに対しての信頼感は強いが、前週比でみると+36,905と通貨の買いが増加し、2週連続の増加で開きはあるも今回の増加幅は3月20日の104,291に次ぎ大幅な数字となっている。

もちろんその原因は、米国の対中制裁関税の発動によるリスク回避の動きで、JPYのロングの大幅拡大とEURの拡大で、豪ドルとカナダドルの減少を大幅に上回っていることにより、今回のポジションの変化は、ネットポジションとは別に直に短期的な為替相場の変化と連動している。

ちなみに、3月20日公表日にはFOMCが政策金利を2.25~2.5%で据え置き、年内の利上げを支持せず、バランスシートの縮小を5月から緩め、米債の縮小を9月末で停止とあり、ドルが主要通貨で下落した日に当たる。もちろん、この増加幅に開きがありすぎ比較できないが参考までと思ってほしい。

【円】
ロング35,915 ショート97,495 ネット-61,580 前週比30,137

トータルではユーロに次いで売りポジションが多い状況は変わらないが、前週比では12週ぶりにショートからロングへと変化した前週に続き2週連続で増加傾向にある。特に今回の上昇幅は30,137と昨年の3月20日(57,540)に次ぐ大幅な数字で、ドル換算の円ショートポジションは約104億ドル→70億ドルへ減少、米国の対中制裁関税の発動によるリスク回避の動きを思いっきり意識した動きとなっている。

【ユーロ】
ロング150,681 ショート245,982 ネット-95,301 前週比 10,804 

7通貨でもっとも売りポジションが多い状況は変わらず、2018年10月2日から33週続くネットのショートポジションも変わってはいない。ただ、前週比では10,804と買が増加、ドル換算のユーロショートポジションは約148.4億ドル→約133億ドルに減少し、円と同じくでは米国の対中制裁関税の発動によるリスク回避の動きを強めている。

【ポンド】
ロング49,332 ショート52,650 ネット-3,318 前週比3,561
   
ネットポジションのショートは4週連続となったが、前週比では小幅ながら買が増加している。この時点では与野党の離脱合意案をめぐる協議の破綻も決まってはおらず、その結果待ちとなっていたこともありポンドショートが拡大していなかったことが推測できる。もっとも、状況が悪化していた際にもポンドのショートポジションは意外にも不思議にも少なかったことも確か。

【カナダドル】
ロング18,457 ショート66,045 ネット-47,588 前週比-1,473
        
2018年3月27日から60週続くネットのショートポジションは変わらず。前週比でも3週連続で買いが拡大していたが再び売りに変化と増減が入れ替わる不安定な状態(ネットポジションに大きな変化がないことで安定しているとでも言えるのでしょうか?)が続いている。中東の地政学的リスクによる原油価格の上昇に支えられ、為替相場は結果として安定しているのでは?

【豪ドル】
ロング29,130 ショート93,176 ネット-64,046 前週比-6,997     
       
2018年4月3日から59週続くネットのショートポジションは変わらず、前週比でも米国の対中制裁関税の発動によるリスクと弱い中国の経済指標のダブルパンチで先行き暗いムードを回復できずにいる。また、ドル換算の豪ドルショートポジションは約40億ドル→44.5億ドルへと拡大している。

データは別表をご覧ください!

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