2019/05/28

2019年5月28日(火)昨日27日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年5月28日(火)昨日27日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

週明けの月曜日は、英米が休場で米債券・株式市場が休場の中で、為替市場は小幅な変動にとどまるも、週末の欧州議会選挙の影響、トランプ大統領の発言が注目される。

欧州議会選挙の結果は、ナショナリズム勢力の伸びは限定的で安心間が広まるも、逆に二大会派の中道勢力も過半数を割り込み、今後の動きが焦点に。英国ではEU離脱を目指すブレグジット党が圧勝。一方、二大政党の与党・保守党と最大野党・労働党は敗北、EU離脱を巡る方針を明確にする必要に迫られる。

さすがにトランプ大統領、日米貿易交渉で「8月の合意」と言うが、安倍首相は「早期合意」と異なり、官房副長官は「合意は全くない」と否定。→ 今後の日米貿易交渉がどうなるか不透明感が強まる。中国との貿易交渉で「中国は合意を望んでいるが、われわれにはまだその準備がない」とあり、北朝鮮に対して「弾道ミサイル発射実験を深刻視していない」とあり、イランに対しては「イランがディールを望んでいると信じている」とある。

為替市場は、英国、米国市場が休場の中で、欧州議会選挙の結果は最悪でもなく総じて予想された結果なのか、EURUSDの動きは鈍く、欧州委員会がイタリアに財政規律違反で35億ユーロ課徴金につながる可能性が指摘されるも、アジア市場の1.1215を高値に1.1187まで小幅な下落にとどまる。GBPUSDはEU離脱を目指すブレグジット党が圧勝、今後の不透明感は変わらず、アジア・欧州市場では一時1.2748までの上昇から、1.2667まで値を下げる。USDJPY週末の欧州議会選挙の結果を受けたリスク回避の巻き戻しからスタートし、経済対策を強め中国株の上昇もあり一時109.58まで上昇するも、トランプ氏の発言から日米の貿易交渉の先行きも不透明感が残り、積極的な円売りも見られず。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

安部首相とトランプ大統領の共同記者会見は、首相は「日米同盟の絆は揺るぎない。真のグローバルパートナーとして国際社会で平和と繁栄築く」と述べた。トランプ氏も「日米同盟はこの地域の繁栄の礎だ」と語った。 会談冒頭、首相は「日米の同盟の絆が強固であることを鮮明に内外に示したい。突っ込んだ議論をしたい」と呼びかけた。トランプ氏は「安全保障、貿易問題、北朝鮮について様々な問題を話す」と応じた。

◎トランプ大統領は、貿易をめぐる中国との合意で、「中国は合意を望んでいるが、われわれにはまだその準備がない」。「中国は恐らく、再交渉を目指さずに貿易協定を結んでおけばよかったと考えていると思う」
◎トランプ大統領は、中国製品に対する米国の関税を「極めて大幅に引き上げることは非常に簡単だ」と指摘。米中貿易協議は今月上旬に行き詰まり、それ以降、双方は互いを非難、大統領は巨額の追加関税を警告している。
◎トランプ大統領は、「将来のある時点で、中国と米国は絶対に素晴らしい貿易合意を結ぶと思う。それを待ち望んでいる」。「中国が巨額の関税を払い続けることはできないと思うからだ」
◎トランプ大統領は、「イランがディールを望んでいると信じている。イランがそう望むことは非常に賢明だと思っているし、実現する可能性があると考えている」。
◎トランプ大統領は、日米通商協議では、多くは7月の参議院選挙後まで待つ姿勢で、「8月の合意」を指摘している一方、安倍首相は「早期合意」と発言している。西村康稔官房副長官は共同会見後に、日米が8月合意で一致したか記者団から問われ、「全くない」と否定した。
◎トランプ大統領は、TPPに縛られない。TPPは米国の自動車産業を破壊していただろう。TPPは米国の自動車産業を破壊していただろう。日本との貿易不均衡は信じられないくらい大きい。貿易交渉で8月に大きな発表ができる。近く何らかの発表ができる。
◎トランプ大統領は、北朝鮮弾道ミサイル発射に関して、日米で考えが異なる。北朝鮮による最近の弾道ミサイル発射実験を深刻視していない。金委員長は経済発展を望み、核廃棄で実現すると認識

【欧州】
◎欧州議会選挙の結果は、ナショナリズム勢力の伸びは限定的で安心間が広まるも、逆に二大会派の中道勢力も過半数を割り込み、要職をめぐり駆け引きが始まる。
◎イタリアでは、欧州議会選では、同盟が首位。五つ星運動は3位と振るわなかった。両党の得票率は、昨年の国政選挙時からほぼ逆転した。野党で親EUの民主党(PD)は2位だった。与党「同盟」の党首を務めるサルビーニ副首相は、今後も「五つ星運動」との連立政権を維持していく方針。
◎英国では、欧州議会選ではEU離脱を目指すブレグジット党が圧勝。一方、二大政党の与党・保守党と最大野党・労働党は敗北、EU離脱を巡る方針を明確にする必要に迫られる。
→  コービン労働党党首は「EU離脱を総選挙化国民投票で英国民に問うべき」とあり、「保守党内の混乱により合意なき離脱にはさせない」と発言。
→  ジョンソン前外相は、「現状が継続すれば、われわれは与党としての信認を失うことになり、EU離脱を実行に移さなければならず、われわれにはその能力がある。理性を持つなら、合意なき離脱のみを追求することはないが、責任を持つなら、合意なき離脱を排除することはない」
→  ハモンド英財務相は、次期首相が議会に合意なき欧州連合(EU)離脱を強いようとした場合、内閣不信任案を支持する可能性を排除しない意向を示した。
◎ギリシャでは、欧州議会選で与党・急進左派連合(SYRIZA)が野党に敗北したことを受け、チプラス首相は議会を解散し、秋に予定されていた総選挙を前倒しで実施すると表明した。→ 隣国マケドニアの国名変更を巡りチプラス氏の支持率は落ち込み、1月には連立政権が崩壊していた。

マルムストローム委員は、欧米の通商交渉について、両市場で輸入品の基準認証を容易にする取り組みや規制上の連携の可能性を巡り協議は進展しているが、農産品などに対する関税などでは双方の見解になお開きがあり、交渉を始めるかどうかは米国次第。

欧州委員会は、6月5日にイタリアに対しEU財政規律違反を通告し、是正措置を勧告する見通し。欧州委員会はイタリアの過剰財政赤字を巡って報告書を作成し、財務相理事会に勧告を出すことを検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。35億ユーロ(約4300億円)の課徴金につながる可能性があるという。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※