2019/05/08

2019年5月8日(水)アジア・欧州市場序盤の動き

2019年5月8日(水)アジア・欧州市場序盤の動き

NYタイムズ紙は、トランプ米大統領の事業が1985年から94年にかけて総額10億ドル超の損失を負ったと報じていた、さすがに大物!

NZ中銀は期待通り0.25%の利下げを実施、据え置き予想もあり直後のNZDUSDは下落。中国の貿易黒字が予想外に大幅減少するも、市場は時節柄1~4月期の対米貿易黒字の拡大だけをクローズアップしリスク回避の動きは止まらず。VIX21.80台まで急伸し、先行きのリスクを意識せざるを得ない状況が続く。

劉中国副首相は5月9~10日に訪米することを表明し市場では通商問題の解決を期待する動きも一時みられたが、一部報道では米国が中国輸入品へ増税を課した場合に備え、即座に報復関税を準備しているともある。逆にトランプ政権は結果によってはNY時間10日午前0時1分(日本時間10日の午後1時1分)に関税を引き上げる計画をすでに示している。

日経平均株価は-321.13(-1.46%)の急落、上海総合も弱く、米債利回りは動かず、逆にWTIは上昇へ。

USDJPYは、「株安=円高」の流れは止まらずJPYはクロスでも総じて上昇傾向を維持。USDJPYは109.90台まで続落し円高水準を維持。110円台から売り気は起きないが10日の日米通商協議の結末がはっきりするまでは積極的な円売り出動も難しい。

NZDUSDは、NZ中銀の利下げ+声明に0.6525までの急落、オアNZ中銀総裁は「利下げは中国や豪州の景気減速が予想より拡大することが主要因」とあり次回の金利変更の可能性は低いと思われているのか0.6590台まで買い戻されている。昨日金利を据え置いた豪中銀、今日利下げを実施したNZ中銀、どこまで上昇するのか、本来ならAUDNZDの動きを注目したいが、米中通商協議が壁となりこちらも積極的に動けず。

EURUSDとGBPUSDは小幅ながら上昇。EURUSDは前日の欧州委員会が発表した弱気な経済見通しスタート水準近くへ値をも戻し、GBPUSDは、EU離脱法案の行方が不透明でボトムから値を戻すも上昇幅は限定的。

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11:00    NZD NZ中銀金融政策発表=政策金利1.75%を0.25%引き下げ1.5%に決定、一部では据え置きの予想もあり直後はNZDUSDは0.6600近辺から一時0.6525まで売りが強まり、NZDJPYも72.60台から一時71.80台まで下落。

12:00    CNY4月 貿易収支=ドル建て138.4億ドル(予想345.6億ドル 前回326.7億ドル)、輸出前年比-2.7%(予想3.0 % 前回14.2%)、輸入4.0%(予想-2.1% 前回--4.8 %)、人民元建て936億元(予想2168億元 前回2212.3億元)、輸出3.1%(予想8.0%、前回21.3%)、輸入10.3%(予想3.0% 前回-1.8%)→ 予想外に大幅な減少となる、貿易統計によると、1~4月の対米貿易黒字は前年同期比4.2%増の836.6億ドルとなった。米国向けの輸出が9.7%減少。輸入は30.4%減と大幅に落ち込んだため、黒字の拡大傾向が続いた。元ベースの対米黒字はでは5701.9億元で輸出-4.8%、輸入-26.8%。

14:45    CHF 4月 失業率=2.4%(予想2.4% 前回2.5%)、季調後2.4%(予想2.4% 前回2.5%)

15:00    GER 3月 鉱工業生産=前月比0.5%(予想-0.5% 前回0.7→0.4%)、前年比-0.9%(予想-2.7% 前回0.4→0.2%)→ 前回が下方修正されるが予想を上回る


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15日の金融政策決定会合の議事要旨は、海外経済の下振れリスクを意識しながら、先行きの金融政策運営について議論が展開された。大方の委員が、強力な金融緩和を粘り強く続けることが適当とするなか、追加緩和の必要性を主張する声も出た。また、輸出や生産の減少が内需に波及することや、消費増税の影響を懸念する声もあった。

NZ中銀金融政策発表=政策金利1.75%を0.25%引き下げ1.5%に決定、一部では据え置きの予想もあり直後はNZDUSDは0.6600近辺から一時0.6525まで売りが強まり、NZDJPYも72.60台から一時71.80台まで下落。声明で「世界経済の成長は2018年以降減速し、ニュージーランドの製品とサービスに対する需要が鈍化している。OCRの引き下げは雇用とインフレの見通しを中銀の政策権限に沿った水準とするための支援に必要」との認識を示した。

オアNZ中銀総裁は、利下げは中国や豪州の景気減速が予想より拡大することが主要因。雇用見通しは抑制されているが、金利の道筋は不確実性が高い、世界の貿易を継続して注視。


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