2019/05/05

今週の為替相場を考える(5月6日~5月10日)

今週の為替相場を考える(5月6日~5月10日)

米CPIが台風の目!伏兵はワシントンの米中通商協議と豪中とNZの政策金利、そして、中国発の経済指標とスーパー連休明けの円相場の動き。

トランプファミリーの利下げ圧力にも関わらず、米賃金は横ばいで雇用の改善は進みタカ派のパウエル発言も飛びだしたが、伸び悩むインフレ率はどうなるのか? 今週の米CPIが相場を分ける大きな材料に。それと、8日米中通商協議(ワシントン)を受けて今週から来週にでも合意する期待も捨てきれず。

為替相場はドル高傾向が続く中で、先週は英2大政党が統一地方で敗北した教訓から、今週から本格的にスタートする与野党による離脱協定案の合意を期待してなのかGBPUSDの反発が目立ち、終値ベースでは過去5週間の高値を上回っている。

EURUSDは1.1100の大台を死守しやや反発、USDJPYも112円台は幻のごとく終値ベースでは過去4週の安値を割り込み、111円を試す動きへ。一方、AUDUSD、NZDUSDは、反発力は鈍く通貨の下落が目立っているが、今週の豪中銀とNZ中銀の政策金利の利上げの有無で結果を受け上下どちらの方向にでも動くことは間違いない。


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USDJPY 予想レンジ(110.80~111.80)

米CPIと米債利回り、米株価、米中通商協議を注目。

日米は共に通商協議を5月26日にトランプ米大統領が国賓として来日するまでに決着の目途をつけたいとながっていることだろう。為替条項のことを考えると極端な円安を容認できないことは間違いないが、現行水準は過去と照らし合わせても問題になるとは思えず、投機筋が材料として使っているだけに思えてならない。

一方、米2年債と連動性の高かったUSDJPY相場は最近変化し、米債利回りの低下にも円高への動きが弱いことが気なる。セオリー通りならより円高に動いてもいいのだが?

Daily、4月1日以降は大枠110.80~112.40の160ポイントレンジで連休中は再び111円割れを試す円高方向への動きが見込まれるがトレンドとなることは期待できずサプライズは感じられず。

Weekly、112円台のトライを失敗してダブルトップとなり円高が加速するのか? 110.50~80のボトムを維持できるか否かで判断へ。期待感は失敗し引き続きレンジ相場の継続。

IMMポジションからは、ドル換算の円ショートポジションは約111.7億ドルで前週比では6.23億ドル相当の円ショートが拡大していることになり、円売りが増加中で昨年12月24日の水準に並ぶ。その反動なのか? 為替市場では円高への動きが見られる。

USDJPYのFXオプションでリスクリバーサルの3か月を前週末比と比較すると(21:30現在)、1.28→1.28%と変わらず、大きな変化も見られず。


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EURUSD 予想レンジ(1.1150~1.1280)

米CPIとブレグジットを巡る動きを注目。

イタリアやスペインなどの政治的なリスクが気になっていたが、イタリア格付け引き下げはなく、弱い経済指標が続いていたが、直近ではユーロ圏の主要国のGDPはまずまずで、消費者物価指数も強さが目立っているが、EUR買は鈍い。ユーロ安傾向は金利差やドル高の裏返しとも考えられる。

Daily、1.1100をボトムに先週は1.1150アンダー買、1.1250アッパー売りのレンジでボトムアウトしたかどうかの確証は持てず。

Weekly、先週は3週間ぶりの陽線となり反発へ。1.1250を上抜けしてどこまで上昇することができるのか? 1.1250を超えられなければ再び反落のリスクも消えず。

IMMポジションからは、ドル換算のユーロショートポジションは約148億ドルで前週比では198万ドル相当のショートが若干拡大し、7通貨の中では最弱通貨でユーロ売りポジションの積み上がりが最も目立っている。もし、為替市場で調整が起こればユーロの買い戻しが最も大幅となるのだか、その気配は感じられず。

EURUSDのFXオプションでリスクリバーサルの3か月を前週末比と比較すると(21:30現在)、0.45→0.25%とEURプットが低下し落ち着きを取り戻している。


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AUDUSD 予想レンジ(0.6950~0.7120)

米CPIと豪中銀政策金利引き上げの有無で相場が変動し決め打ちできず。

今週は中国の貿易収支とCPIが発表となり、米中通商協議が5/8にワシントンで再開され、今週、来週には何等かの結果が出ることが予想されている。豪中銀(5/7)が期待通り政策金利を0.25%引き上げ1.5%にするのか? 市場で利上げと据え置きが分かれており、どちらに転んでもAUD相場が変動することは間違いない。

Dailyは、ダウントレンドながら0.7000を先週と先々週の2度にわたって割り込むも何とか0.7000の大台を死守。ダブルボトムとなるのか? それとも、0.7000を三度割り込み急落するのか?

Weeklyは、昨年10月以降、0.7000をボトムに0.7400、0.7300、0.7200と徐々に上値が切り下がっておりダウントレンドを継続中。0.700の水準を引き続き維持することができるか? 

IMMポジションからは、ドル換算の豪ドルショートポジションは約41.6億ドルで前週比では5.76億ドル相当のショートが拡大していることになり、40億ドルの大台は昨年11月20日以来となる。

EURUSDのFXオプションでリスクリバーサルの3か月を前週末比と比較すると(21:30現在)、0.9→0.8%と若干低下。


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