2019/05/08

2019年5月8日(水)昨日7日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年5月8日(水)昨日7日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

トランプ氏の対中強硬政策の反動に市場はリスク回避へ! それでも彼の支持率は46%でギャラップ調査では過去最高。米株は一時2%超のさげから終盤に回復し-473.39(-1.79%)安で終えた。米10年債利回りは前日2.47%近く→2.45%台へ下げ、WTIは61ドル台と1.7%近くの下げに。

為替相場の主流はドル高で、JPYはリスク回避に上昇、AUDは金利を据え置き底堅く推移。逆に、EURは欧州委員会が今年の成長見通しを大幅に下方修正し財政赤字の対GDP比率の引き上げ売りの流れへ。GBPは再開中のEU離脱案の合意達成を懸念し強さは見られず。NZDは今日の中銀の金融政策を見守る動きへ。

劉中国副首相は5月9~10日に訪米することを表明し、米国の中国製品の関税引き上げの回避を図る。昨日のムニューシン&ライトハイザー会見でも、「中国貿易交渉で大きな方向性の転換があった 交渉の9割は完了していた」、「米中は貿易交渉が決裂したわけではない、新たな関税に関する除外プロセスはある」とあったことが思い出される。引き続き合意に向けた交渉を続けていることは間違いなく、今後もどうなるかは予断を許さず。

USDJPYは、9日~10日の米中通商協議を前にして、株安+債券利回り低下=円高は止まらず。アジア市場の110.85を高値に米株の下落と共に110.17まで続落。ダウが一時600ドル超の下落の中でも110の大台を意識し下げ止まり、終盤にかけては110.30台まで値を戻すも、引き続き不透明な米中通商協議に強気な円売りは期待できず。今日の日本株の動きを見ながらどこまで下落するのか? もちろん110円割れを売る気にもならない。

EURUSDは、欧州委員会の四半期経済見通しは、2019年ユーロ圏経済は減速し、財政赤字のGDP比率は上昇、失業率は一段と低下するが、インフレはECBの目標を下回り、特にイタリアの成長鈍化と財政赤字を懸念。これを材料にしたのか、欧州市場では何とか下げ止まっていた1.1190台を割り込み米国市場では1.1167まで下落してようやく下げ止まり、1.1190台まで反発している。

AUDUSDは、豪中銀は政策金利の引き下げをせず据え置いたことで0.7048まで急伸したアジア市場の流れも続かず。米国市場では一時0.6998と0.7000割れまで値を下げるも、ドル高の流れの中では前日比では上昇傾向を維持。ただし、米中通商協議の行方に大きく左右されることは間違いなく、結果を受け上下いずれの方向にでも動くことを覚悟!

GBPUSDは、リディントン英国務相(BBC)は、欧州議会が始まる7月2日までに離脱を完了させたいが、難しいのが情勢で(与野党協議で妥結のめどが立たず、参加への決断を迫られたとみられる)。英議会が夏季休会に入る7月半ばまでに解決したいと、早期解決が難しい情勢を表しており、GBPの売り圧力は止まらず。アジア・欧州市場の1.3130台を高値に米国市場の序盤には1.3039まで下落し、1.3070台まで値を戻している。


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23:00    CAD 4月 Ivey購買部協会指数=55.9(予想 前回54.3)→ 前回を上回る

23:00    USD 3月 JOLT労働調査(求人件数)=748.8万件(予想735万件 前回708.7→714.2万件)

4:00    USD 3月 消費者信用残高=前月比102.8億ドル(予想167.5億ドル 前回151.9→154.5億ドル)

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【北米】
WSJ紙は、ライトハイザーUSTR代表が6日、米中貿易協議について中国側が後退姿勢を見せているとした上で、2000億ドル分の中国製品に課す関税を10日に引き上げると述べた。ライトハイザー氏は記者団に対し、「ここ1週間までの経過から見て、中国側は、すでに合意している約束から後退していると言えると判断される」と記者団に述べた。ライトハイザー氏はその上で、長期にわたり延期されていた中国製品2000億ドル相当に課されている関税率を、10日に10%から25%へ正式に引き上げるとした。スティーブン・ムニューシン財務長官が同席する場でのコメントは、中国側が「再交渉」を試みていると批判し関税引き上げに言及した5日のドナルド・トランプ大統領のツイート内容に沿ったもの。ライトハイザー氏は9日と10日にも中国側とワシントンで協議を続ける予定だとした。ムニューシン氏はライトハイザー氏と北京を先週訪問した際に懸念が生じたと明かしたが、その時はある程度の保証を得られたとした。だが週末にかけて協議の方向が「大幅に後退した」という。

日経新聞、トランプ米大統領が5日、中国への制裁関税を現在の10%から25%に引き上げると表明したことを巡り、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は6日、10日に実施すると表明した。7日にも官報で正式に通知する。中国との交渉本格化を前に改めて強硬姿勢を示した格好だ。一方、中国側は劉鶴副首相が9~10日にワシントンを訪れて協議に臨むとしており、ぎりぎりの駆け引きが続いている。  米中交渉の責任者を務めるライトハイザー氏とムニューシン財務長官が記者団に述べた。関税の引き上げは米東部時間10日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に設定する。トランプ大統領の5日の発表に沿った内容で、7日にも正式に通知する。ライトハイザー氏は「トランプ大統領は大幅な構造改革を求めており、現状(の合意内容)ではない」と制裁措置を拡大する理由を説明した。ムニューシン氏も「先週末にかけて(協議の)大幅な後退があった。中国が大きな変化をもたらす協定の文言で態度を変えた」と明かした。ただライトハイザー氏は今後も交渉を続けるとして、中国の代表団が9~10日にワシントンを訪れると明らかにした。交渉責任者の劉鶴副首相も同席するという。

ムニューシン&ライトハイザー会見
ムニューシン財務長官、中国との貿易交渉で、市場の反応はファクターとならない、中国貿易交渉で大きな方向性の転換があった 交渉の9割は完了していた
ライトハイザーUSTR代表、米国は10日に対中関税を引き上げ、中国の貿易交渉担当者は木曜日に到着する予定、劉副首相もその一団にいる予定、米中は貿易交渉が決裂したわけではない、新たな関税に関する除外プロセスはある

クオールズFRB副議長は、現在のインフレ水準はFRBの目標付近にある。レバレッジッドローンはサブプライムローンと違う。

クラリダFRB副議長は、最近のインフレ鈍化は一時的要因。米経済や金融政策は好位置にある。今の政策は適切な水準にある。

【欧州】
欧州委員会の四半期経済見通しは、2019年ユーロ圏経済は減速し、財政赤字のGDP比率は上昇、失業率は一段と低下するが、インフレはECBの目標を下回る。◎GDP見通しは2018年1.9%→2019年1.2%へ減速、2020年1.5%に回復。◎失業率2019年7.7%→2020年7.3%。◎インフレ率は2019年1.4%→2020年1.4%と横ばいへ。◎財政赤字はユーロ加盟国のGDP比率2018年0.5%→2019年0.9%→2020年0.9%。◎債務の対GDP比率は2018年87.1%→2019年85.8%→2020年84.3%に低下へ。◎ドイツの対外債務が増加しEU基準上限の60%を超え、ギリシャは2018年181.1→174.9%、2020年168.9%に低下へ。イタリアの2019年GDP0.9→0.1%に減速、対GDP比率は2019年133.7%、2020年135.2%のピークをつける。

英BBCの政治担当者は、英政府高官筋は、英国のEU離脱を巡る与野党協議が急進展する可能性があるが、今週中は無理だろう。

英首相報道官は、労働党との協議は合意に至っていない。

リディントン英国務相(BBC)は、欧州議会が始まる7月2日までに離脱を完了させたいが、難しいのが情勢で(与野党協議で妥結のめどが立たず、参加への決断を迫られたとみられる)。英議会が夏季休会に入る7月半ばまでに解決したい。→ 早期解決が難しい情勢を表している。

EU離脱協定で超党派協議は再開し、メイ首相とコービン労働党党首も合意に向けた話し合いを継続中で合意できても、先の地方選で大敗しており議会の支持を得ることができるか未知数。

ユンケル欧州委員長、欧州委委員長として犯した最大の過ちの1つは、2016年の英EU離脱の是非を巡る国民投票を黙って見守ってほしいというキャメロン前英首相の要求を聞き入れたこと。

【アジア・その他】
マレーシア中銀は、政策金利を3.25%→3.0%と3年ぶりに引き下げた。

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